音楽好きなドライバーは多くいる。そしてその音楽をより良い音で楽しみたいと思っているドライバーも、少なくないに違いない。しかしそれを実現させたいと思っても、なんとなくの“分かりづらさ”が壁となる…。当連載はその「?」の払拭を目指して展開している。
◆「メインユニット」とは、車内で“AVエンタメ”を楽しむためのオールインワンユニット!
さて、今回からは新章に突入し、「メインユニット」に関連する「?」についてそれぞれの答を1つ1つ解説していく。
その第一弾として当回では、「メインユニットとはそもそも何か」を説明していく。
結論から入ろう。「メインユニット」とは、「車内で“AVエンタメ”を楽しむためのオールインワンユニット」だ。つまり、テレビでありラジオでありステレオセットである。なので、さまざまなメカが一体化している。機器によっては何かが省かれることもあるが、“全部載せ”の場合には以下のメカが搭載されることとなる。地デジチューナー、ラジオチューナー、モニター、CD/DVDメカ、パワーアンプ、プロセッサー、これらだ。
なお、タイプ違いが主には3つ存在している。「AV一体型ナビ」、「ディスプレイオーディオ」、「モニターレスメインユニット」、この3タイプがある。
それぞれがどのようなものなのかを説明していこう。まずは「AV一体型ナビ」から解説すると……。
「AV一体型ナビ」の一例(アルパイン・ビッグX)。◆「AV一体型ナビ」は90年代半ばに登場し、その10年後には「メインユニット」の主流に!
「AV一体型ナビ」とは、カーナビとオーディオ機器とが一体化したもののことを指す。ちなみにこれが初めて世に出たのは1990年代の中頃だ。GPSを活用した道案内ツールであるカーナビが発明され、それがほどなくしてオーディオ機器と一体化された。そうすることでカーナビの設置スペースが確保されることとなり、2000年代の中頃にはこれが「メインユニット」の主流となる。そしてその図式は現在も変わっていない。
で、2010年代に入ると、「カーナビは要らない」と考える層に向けた新たな「メインユニット」が世に出る。それが「ディスプレイオーディオ」だ。これはつまり、「AV一体型ナビ」からカーナビを取り除いたものである(実際は地デジチューナーも省かれている場合がほとんど)。
ちなみに、それ以前に「カーナビは要らない」と考えるドライバーの選択肢は「モニターレスメインユニット」の一択だった(一時期、モニターを有する高級メインユニットも存在していたが2010年の少し前に姿を消した)。つまり、「ナビは要らない」と考えるとセンタークラスターパネルからモニターも失うこととなっていた。しかし「ディスプレイオーディオ」が出現し、その状況が覆った。「ナビは要らない」と考える層もこれを選べば、映像系コンテンツも楽しめてリアカメラも使える。かくして以後はこれが、「AV一体型ナビ」の対抗馬となっていく。
「ディスプレイオーディオ」の一例(カロッツェリア・DMH-SZ500)。◆「モニターレスメインユニット」は、次第にマイナーな存在へ…
そしてもう1つの「モニターレスメインユニット」は、かつては「メインユニット」のメインストリームだったが、「AV一体型ナビ」が誕生し主役の座を徐々に奪われ、「ディスプレイオーディオ」も登場した以降は3番手へと後退し、今やその存在感はさらに薄くなっている。
とはいえ、ニーズがなくなったわけではない、「カーナビもモニターも不要。リーズナブルなほど良い」、そう考える層は現在も一定数いてこれを選択している。これがあれば、ラジオが聴けて音楽も再生できる。その役割だけを果たせれば良いと考えるのであれば、「モニターレスメインユニット」がもっとも向く。
なお「メインユニット」には、車体メーカーが用意する「純正品」と、カーエレクトロニクスメーカーが用意する「市販品」とがある。
次回の記事では、「純正品」と「市販品」との違いについて解説する。こうご期待。
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