最後の三菱ギャランともいうべき8代目モデルには4WDスポーツセダンのVR-4があった。6代目ギャランが積んだ4G63ターボとはまた違ったV6ターボの魅力を持つスポーツセダンに迫ってみたい。
文:ベストカーWeb編集部/写真:三菱
■2.5LのV6ツインターボはエボIV以上のスペック!
1996年8月にFMCを受けた8代目ギャランといえば量産車世界初の直噴エンジンのGDIを積んでいたことで有名だが、ワゴンモデルのレグナムとともに6A13型2.5LのV6ターボを搭載していたVR-4を設定していた。
次の9代目ギャランはほぼ北米市場専用モデルとなったことから、ギャランの系譜としてはこの8代目が事実上最後のギャランと言えるだろう。2007年に登場したギャランフォルティスは「ギャラン」の名こそつくものの、車格や搭載エンジンからすれば歴代ランサーの後継モデルなワケだし。
で、この2.5Lターボがかなり強力なパワートレーンで、最高出力は当時の自主規制値いっぱいの280ps、最大トルク37.0kgmを誇るもの。2Lの4G63ターボを積み、同時期に出たランサーエボリューションIVの最高出力280ps/最大トルク36.0kgmを密かに上回っていたのだ。
先代型となる7代目ギャランからVR-4はV6エンジン搭載に切り替わっていたのだが(6A12型)、こちらは2Lモデルで最高出力240ps/最大トルク31.5kgm(AT車は215ps仕様)にとどまっていた。
ランエボに比べると地味なのだが、MT車とAT車(MT車は280psで、ATのみ260ps仕様だった)の両方を設定。外観スタイルはかつての6代目ギャランVR-4を彷彿とさせる逆スラントノーズのフロントマスクが特徴的で、いかにも三菱製のスポーツセダンといった様相。
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■個人的に気になっていたのはより精悍になったマイチェン後の後期型
しかもランエボ並みにAYCやASCなどの先進技術を満載していた。インテリアも高級感があり、スカイラインのR33タイプMクーペに乗っていた当時、密かに憧れていたクルマがこの最終型ギャランVR-4だった。
1998年夏にマイチェンを受け、フロントバンパーの形状がよりワイドで迫力のあるものに変更された。また、VR-4についてはAYCを採用したAT車のタイプSも280ps仕様となった。なお、MT車のタイプVにはAYCは採用されていない。
また、外観ではVR-4タイプSには前後フェンダーにフレアホイールアーチが装着されており、さらに精悍なイメージに仕上がっているのも見逃せないポイント。タイプVにはフレアホイールアーチは採用されずじまい。
辛抱たまらなくなり、当時の三菱ディーラーに行って実際に商談まで行ったのだが、結局条件的に折り合わなかったのとちょうど同じ頃、トップグレードに2.5L直6DOHCターボ(最高出力280ps/最大トルク38.5kgm)を積んだ100系マークII/チェイサー/クレスタがマイチェンを実施。こちらのチェイサーツアラーVも気になっていたことからVR-4は断念。
結局、両方ともタイミングで手に入れることはできず、翌1999年12月に登場したランサーエボリューションVIトミーマキネンエディションを購入することになったが、最後のギャランVR-4を購入していても後悔はしなかったんじゃないかと思う。
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