6月2日、東京都武蔵村山市のイオンモールむさし村山「たいかんたいけん野外広場」で「プリンスの丘 自動車ショウ」が開かれ、かつての「日産村山工場」跡地である地に『グロリア』や『スカイライン』など、関連する100台余りの車両が集まった。
全日本ダットサン会東京本部の主催。会場付近はプリンス自動車の工場として1962年に操業を開始した場所。後に日産自動車と合併し、2001年まで稼働していた。今回で3回目の開催となった。
今回エントリーしたのは126台。荒天の予報があったため参加を取りやめたクルマがあったものの、それでも100台余りが各地から集結した。プリンス車はグロリアやスカイライン、『クリッパー』『マイラー』など。日産車は3代目からの歴代スカイライン、初代からの歴代『ローレル』『レパード』などが並んだ。
特別展示されたのは、生誕60周年のS54型スカイラインGT。また、日本自動車殿堂歴史遺産認定車に選ばれた『ブルーバード』の510型」が特別表彰された。
さらに今回、新企画として行われたのが「日産名車動態保存功労賞」。選ばれたのはグロリアスーパー6(1965)、ブルーバード1300スポーツセダン(1966)、スカイライン2000GT(1973)、『バイオレット』ハードトップ1400DX(1973)などで、(実質)保有年数50年以上という、驚きの車両ばかりであった。
この中でブルーバードデラックス(1962)は保有年数が約60年ということで金賞を受賞した。オーナーは現在82歳。父親が2年落ちで購入したものをほとんど自身で運転してきたという。「若いサラリーマンの私には高級車なんて買えませんでしたし、普段のクルマとしては『カローラ』や『コロナ』などに乗ってました。このブルーバードは愛着が出てうちに置いとくかと、車検切ったりしてその繰り返しでした」。
そのため走行距離は6万3000キロほどで、機関も上々。何といってもまだ地名表記すらないシングルナンバーが珍しい。「バッテリーが上がってしまい、しかたなくクランク棒でエンジンをかけたこともありました」と昔を懐かしむ。現在、こうしたイベントの時にブルーバードを動かすのだが、今は信頼できる若い旧車仲間に運転を任せているのだとか。「重いハンドルやクラッチ、リクライニングしないベンチシート、他車との間隔の取り方とか、結構負担になりますからね」と、そのお仲間がフォローする。幸せな旧車生活である。
予報通り、午後になると雨が落ちてきたが、スケジュールを前倒しにしてイベントが進められ、トークショーなども行われた。イオンモールから流れてくる来場者もあり、家族連れなどが思わぬ歴史のクルマを前に記念写真などを撮るなどして楽しんでいた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。