電気自動車の流れに乗り遅れ気味の日本勢。しかし最近ではその流れは鈍化して、トヨタの全方位戦略が正しい事が証明された訳だが、それでも一定数の需要があることは確かだ。そこで今回は我らがトヨタが今後出す予定のクルマを電気もガソリンも含めて紹介していこう。
※本稿は2024年5月のものです
文:永田恵一/写真:トヨタ、レクサス、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年6月10日号
■近未来車が示す「トヨタの今」
今回「近未来のクルマ」として取り上げたトヨタ&レクサス車は計11車。そのうち9車がBEVというのが「トヨタの今」を示している。
世界中でBEVが勢いを失い始めていて、トヨタの全方位戦略の正しさが実証されつつある。しかし、20年レベルのスパンで見れば、クルマの脱炭素に果たすBEVの役割はやはり大きく、それは変わっていない。
特に先進国では新車販売のそれなりの割合をBEVが占めることは確かだし、世界各地で進む「自国に有利なBEVのルールづくり」も今後ますますエスカレートしていくだろう。つまり、状況が多少変わったとしても、BEVとSDV(ソフトウェア定義車)はやっておかなければならない必須の技術なのである。
もし今後数年間、BEVの踊り場が続くのであれば、それはトヨタ&レクサスにとって絶好のチャンスだ。この踊り場の間に、BEVでも世界をリードする力を蓄えることも可能で、BEV開発の手を緩めるという選択肢はないのである。
注目なのはBEVでも車種のバラエティが豊富なことだ。高級車、本格スポーツ、SUV&ピックアップ、そしてファミリーカーとなんでもBEVで揃える。それに並行してエンジン車やハイブリッド車の開発も続けているのだからトヨタの凄さを実感する。
そんななか、シンプルに興味を惹かれるのが4ランナー(北米版ハイラックスサーフ)とスズキOEMとなるインド製のアーバンクルーザータイザー。どちらも「昔ながら」の純エンジン車だが、それでも関心を呼ぶのだから全方位にもほどがあるって話だ。
■北米版ハイラックスサーフの新型登場:トヨタ 4ランナー
日本では2009年に絶版となったハイラックスサーフだが、北米では継続中で2024年4月にフルモデルチェンジ版が公開された。
北米で2024年秋に発売される新型4ランナーもランクル300や250同様にトヨタ最新のラダーフレーム構造となるTNGA-Fプラットフォームを使い、パワーユニットはともに8速ATと組み合わされる2.4Lターボと2.4L+1モーターハイブリッドを用意する。
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■全固体電池の可能性もあるBEVスポーツ:トヨタ FT-Se
2023年のジャパンモビリティショー(以下JMS)に出展された、トヨタとしては第3世代となるBEV専用プラットフォームを使ったスポーツカー。eAxleを前後に使ったAWDで、市販時には全固体電池を搭載か?
■知能化も進めるクロスオーバーBEV:トヨタ FT-3e
FT-Seと同じプラットフォームを使ったSUVで、1600mmという全高のわりに広いキャビンを持つことが特徴。コンセプトカーはステアバイワイヤを採用する。
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■近未来のBEV版ランドクルーザー:トヨタ ランドクルーザーSeコンセプト
2023年のJMSに出展されたランクルの将来を示唆するコンセプトカー。BEVという点に加え、ボディ構造はランクル伝統のラダーフレームではなくモノコック構造となっていることも大きな特徴だ。また、BEVを生かしたきめ細かな四輪制御により、悪路走破性も向上しているという。
■中国BYDと共同開発のBEVセダン:トヨタ bZ3
BYDと共同開発された中国向けのEVセダン。バッテリーはリン酸鉄リチウムだ。
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■パッケージングに優れたコンパクトBEV:トヨタ bZ1
BEVのコンパクトカー。スズキとの共同開発となる可能性もある。
■タイで公開されたBEVのハイラックス:トヨタ ハイラックスREVO e
タイ王国のモーターショーで市販前提車が公開されている、ハイラックスのBEV仕様。ラダーフレームの中央部分にバッテリーを搭載し、モーターはリアにデファレンシャルと一体という形で搭載する。
インテリアは基本的にエンジン車のハイラックスを踏襲しているが、ロータリー式のシフトスイッチや電動パーキングブレーキの採用も特徴で、タイ王国では2025年の市販化が予定されている。
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■1Lターボもあるインド製コンパクトSUV:トヨタ アーバンクルーザータイザー
日本導入が期待されている、インド製コンパクトSUV、スズキフロンクスのトヨタ版。エンジンは1Lターボなどが設定され、全長約4m、全高1550mmというボディサイズも日本にはピッタリなだけに、ロッキー&ライズの後継車として導入か?
■近未来のBEVピックアップトラック:トヨタ EPUコンセプト
2023年のJMSに出展されたピックアップトラックの将来を示唆するコンセプトカーで、BEV+モノコック構造を採用。インテリアも未来的な雰囲気となっている。
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■新機軸満載! 2026年に登場する次期IS:レクサス LF-ZC
次期ISを示唆するコンセプトカーとして2023年のJMSに出展。レクサスは2035年にBEV100%メーカーとなることを宣言しているだけに、LF-ZCはギガキャスト構造やソフトウェアプラットフォーム「アリーン」といった最新技術が満載となっており、航続距離も1000kmを確保。なお、2026年の市販化が明言されている。
■次期LSを示唆するラグジュアリーBEV:レクサス LF-ZL
2023年のJMSに出展された、次期LSを示唆するコンセプトカー。BEVらしいパッケージングの自由性を生かした点が特徴で、BEVとPHEVという点でもLS、センチュリーを差別化する。
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