プレリュードの復活とともに再び注目が集まりつつあるキーワードがある。それは“デートカー”。今ではほとんど耳にすることがなくなったデートカー、昔はスポーツカー一辺倒だったが、現在は意外にも……。

文/FK、写真/スバル、トヨタ、ホンダ、マツダ、ベストカー編集部

■「デートカー=スポーツカー&クーペ」って今は昔のハナシ

 2024年2月にホンダアクセスがクルマを所有しているZ世代とX世代の男女1000人を対象に行った「Z世代とX世代のクルマ・ドライブに関する意識・実態調査2024」を発表した。

 そのなかに“ドライブデートで助手席に乗りたいクルマ”という項目があるのだが、結果はZ世代・X世代ともにSUVが1位を獲得。また、Z世代では2位がセダンで3位がスポーツカーとなり、X世代では2位がスポーツカーで3位がセダンという結果となっている。

 アッシーなる言葉が生まれたバブル期は“デートカー=スポーツカー&クーペ”が常識だったが、多様化が叫ばれて久しい昨今は状況が一変。アウトドアブームの追い風もあってSUVの人気は揺るがないが、いまや絶滅に危機に瀕しているスポーツカーとセダンが意外な健闘ぶりを見せたのはオールドファンにとってはちょっとうれしいかも!?

 ということで、ここではデートカーの元祖といわれるプレリュードに対抗するべく、“令和のデートカー”と題して300万円以下で購入できる国産5モデルを厳選。SUVあり、スポーツカーあり、セダンあり……アナタならどれを選ぶ?

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“楽しさ”や“快活さ”の意味をもつWinsomeを含むWinsome Runabout Vehicleの頭文字を組み合わせた車名が示すように、WR-Vにはこのクルマと生き生きとした毎日を楽しんでほしいという想いが込められている

 既成概念や固定観念にとらわれず、より自由な発想で自分らしい生き方を表現する人たちに寄り添うクルマを目指して開発されたWR-V。

 20代半ばから40代前半のミレニアル世代がメインターゲットとなるWR-Vだが、軽自動車・コンパクトカー・ミニバンなどからの乗り換えを中心に幅広い層のユーザーから支持を集め、発売1カ月後の累積受注台数は月間販売計画の4倍以上となる約1万3000台と好調な立ち上がりをみせている。

 その人気に要因は209万8800円から248万9300円のリーズナブルな価格設定もさることながら、デートカーとして使っても同乗者が満足するような充実ぶりも見逃せない。

 まず室内空間の広さ。コンパクトSUVとは到底思えないほどの室内空間は驚きの広さで、頭上も足元もゆとりたっぷり。

 加えて、ドアライニングの下部や前席シートバックの形状を工夫することで乗り降りがしやすいなど、デートカーとして必要最低限の素養も十分身につけている。

 また、会話や音楽が存分に楽しめる室内の静かさも特筆点で、ボディの振動抑制や各所に配した防音材や遮音材によって優れた静粛性を実現。

 SUVという性格上、抜群の使い勝手を誇る多彩なシートアレンジも大きな魅力。クラストップレベルとなる458リッターの容量を持つラゲッジルームも後席を倒せば自転車やサーフボードなどの大きな荷物が積載可能で、さまざまな趣味に合わせた使い方ができるのだ。

 それでいて、パワートレーンは静粛性・高出力・気持ちいいサウンドが特徴となる1.5リッター DOHC i-VTECエンジンを搭載。

 CVTもDBWとの協調制御を採用することでリニアな加速フィールを追求し、心地良くて安心感のある走りも提供してくれるのだから、助手席に乗るカノジョも満足してくれるに違いない。

■見栄を張りたいなら「マツダロードスター」の最廉価グレード“S”で充分!?

短くて低いフロントオーバーハングと人を中心に配置したコンパクトなキャビンが織りなす乗る人の姿が引き立つ、ロードスターの美しいプロポーションはデビューから9年が経過した現在も健在

 昭和から平成にかけてのバブル期を経験しているオールドファンにとってデートカーといえば、誰が何と言おうとスポーツカー。

 その代表的なクルマもプレリュード、シルビア、ソアラなど枚挙に暇がないが、ロードスターは当時の面影を残している現代のデートカーとも言うべき1台ではないだろうか? 

 優れたデザイン性に高い走行性能、それでいて2シーターのオープンモデルというデートカーとしては鬼に金棒ともいえるすべての要素を兼ね備えたロードスター。

 車両本体価格も上を見ればきりがないが、最廉価グレードのSであれば289万8500円というリーズナブルさも嬉しいポイントと言えるだろう。

 外装に関していえば、Sグレードは上位グレードのSスペシャルパッケージやSレザーパッケージと同じでピアノブラックのサイドミラーやブラックメタリック塗装の16インチアルミホイールを装備。

 エンジンも上位グレードと同じく、軽快な走りを磨いたFR専用設計上位モデルであるSKIACTIV-G 1.5が搭載。

 Sグレードでは6MTのみの設定となるが、これまた手首の返しだけで正確に操作できるショートストロークのSKYACTIV-MTが上位モデルと同様に採用されており、ドライバーにとっても所有欲を満たす内容となっている。

 ただし、インテリアに関しては上位グレードと比較すると少々見劣りするのは正直なところ。

 オーディオの6スピーカー(上位グレードはBoseサウンドシステム)だったり、シートもクロス(上位グレードはレザーなど)だったり、エアコンもマニュアル(上位グレードはオート)だったり……。

 でも、助手席に乗せるカノジョには言わなきゃわからないし、そもそも“ロードスター”というブランド力が強烈なだけにSグレードでもデートカーとしては全然アリな選択ってワケだ。

■ペットのような顔つきが可愛い「三菱デリカミニ」はカノジョだけでなく女子ウケも◎

 今の時代、デートカーの要件を充分満たすほどクォリティが高い軽自動車。そのなかでも女子ウケがいいSUVのテイストを取り入れたデリカミニはデートはもとより、日常使いも便利な1台として人気が高い。

 2023年1月半ばから4月初旬の予約期間で約9000台の受注を記録したデリカミニ。その内訳は全体の約6割のユーザーが4WDモデルを選び、かつ装備が充実したPremiumグレードを選択した人が8割、そのうち、ターボモデルのT Premiumが6割を超えているのだとか。

 ちなみに、T Premiumの4WDモデルは車両本体価格が223万8500円。これを高いと見るのか安いと見るのかは人それぞれだが、T Premiumは最上位グレードだけあって装備が充実していることも想像に難くないだろう。

 インテリアに目を向けるとブラックを基調色とした水平基調のインストルメントパネルは乗っていて落ち着きがあり、それでいてトレイやドリンクホルダーは使いやすくて見やすい位置に配置。

 また、シートはアウトドアシーンでの使用を想定して汚れがつきにくくて通気性の良い撥水生地を採用するとともに、座面や背もたれ中央部に立体的なエンボス加工を施すことで蒸れにくくて座り心地が良いという優れモノ。

 ラゲッジボードや後席シートバックも簡単に汚れを拭き取れる素材なので、濡れたものや泥などが付着したアウトドア用品を気にすることなく積めるのだからイイことづくめこのうえなし。

 それ以上にカノジョ受けしそうなのが親しみやすいフロントフェイスと走行安定性&快適な乗り心地を両立した専用開発ショックアブローバー。

 見た目ヨシ、乗り心地ヨシ、それでいて軽SUVならではの高いアイポイントで見晴らしもヨシとなれば、助手席のカノジョもナットクなのでは?

■ワイルドな見た目から想像できない乗り心地のよさに萌える「スバルクロストレック」

いつでも、どこにでも行けて、自由に、そしてこれまで以上に満ち足りた時間を過ごしたい……そんな気持ちを後押しする“とことん使えて、頼りになる相棒”と呼べるクルマを目指して開発されたクロストレック

 一見するとステーションワゴンのように見えるが、200mmという最低地上高とストロークを延長したサスペンションによって都会からアウトドアシーンまで幅広く活用できる多用途性を実現したクロスオーバーSUVのクロストレック。

「これがデートカーなの?」と思う人もいるだろうが、クロストレックもまたインテリアの充実度と乗り心地のよさからデートカーとしての素質は充分だ。 

 マルチマテリアルの多層構造を採用したインパネはシンプルでありながらも各素材の風合いを活かした表情豊かなもので、センターコンソールも上面の位置を高くすることで包まれ感と上質感を表現するとともに工夫を凝らした収納を充実させることで使い勝手のよさも追求されている。

 ゆとりある室内空間はあらゆる体格のドライバーが最適なドライビングポジションを取れるだけでなく、長距離ドライブでも乗る人すべてが疲れにくく、ゆとりある移動時間を提供してくれるが、それ以上にクロストレックの見どころとなるのが動的質感の向上だ。

 例えば、骨盤を支えるシート構造は大学医学部との共同研究による医学的知見を取り入れたもので、仙骨を押さえることで車体の揺れが頭部へ伝わることを防止して快適な乗り心地を実現。

 シートと車体の固定構造も従来型のブラケットを介した方法から、シートレールを直接車体に固定する方法に変更して取り付け部の剛性と振動収束性を向上。要するに、シートそのものの揺れを抑えることで、さらなる快適な乗り心地も実現しているのだ。

 一方、軽快かつ精悍なイメージのフロントマスクや頼もしさと躍動感を両立するべく拡大されたクラッディングエリアは男心をくすぐるディテールだが、そのワイルドな見た目からはかけ離れた乗り心地のよさにカノジョも思わずギャップ萌え!?

■もうオジサン車とは言わせない! 覚醒した「トヨタカローラ」にカノジョもうっとり!?

現行型カローラ

 冒頭で紹介した「Z世代とX世代のクルマ・ドライブに関する意識・実態調査2024」において、全世代で人気が高かったのが絶滅の危機に瀕するセダン。

 高級車であれば国産車・輸入車を問わず選択肢は広いが、一般庶民が買える比較的安価なセダンは全滅か……と思いきや、あるじゃないかカローラが! 

 カローラといえば、オールドファンにとっては“オジサン車”というイメージが強いかもしれないが、それは今となっては昔のこと。

 2019年9月に行われたフルモデルチェンジによって、オジサン臭ゼロの低重心でスポーティなスタイリング・高い静粛性も実現した上質な乗り心地・クルマ本来の走る喜びを追求した走行性能という3拍子揃った万能選手に一変した。

 まず注目したいのは、そのイケメンぶり。大型台形のロワグリルフレームとメッシュグリルが力強さとスポーティさを表現したフロントフェイスは端正ったらありゃしない。

 加えて、前後のホイールフレアが張り出したダイナミックな造形によってワイドなスタンスを強調したフォルムを見ても、かつてオジサン車と揶揄された面影などは微塵もない。

 インテリアもトヨタ車ならではの高級感に溢れていて、かつ部品の合わせや形状・質感の統一感などの感性品質にこだわることで上質感を演出。

 上位グレードのW×Bでは合成皮革+レザテックのスポーティシートをはじめ、シートヒーター、ナノイーX、エアクリーンモニター、12.3インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイといった快適ドライブを楽しむには十分な装備も採用されている。 

 2024年4月には、少々値は張るものの高い操縦安定性と上質な乗り心地を高次元で両立した特別仕様車の“アクティブスポーツ”も登場。見た目や走行性能にもこだわりたい人にはうってつけの1台になりそうだ。

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