中古で買ったアウディA4のオイル警告灯が灯いた。エンジンオイルはどのくらい残っているのか見てみようと思い、ボンネットを開けて驚愕した。「このクルマ、オイルゲージが付いてないやんけ!」
文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=Pixel-Shot@Adobestock)、ベストカーWeb編集部
■ドイツ車からオイルゲージが消えている!
クルマのオイルチェックと言われたら、普通はボンネットを開けてエンジンに刺さっているオイルゲージ(ディップスティックともいう)を引っこ抜き、先っぽの目盛りを読む。昭和の時代から続いてきた伝統だ。
ところが冒頭の通り、筆者のアウディA4にはオイルゲージがない。最初は「どっかにあるはず」と思ってあちこち探してみたのだが、ネットで調べて「ない」ことが分かった。
どうやらこの流れ、アウディやBMWといった欧州車が先行しているらしい。ベストカーWebでお世話になっているMカメラマンのBMW5シリーズ(2013年式)も、オイルゲージがないと言っていた。
ではどうやってオイル残量を計るのかというと、ご想像どおりコンピュータ任せ。オイルパンの油量をセンサーで拾い、それを数値化して車内のディスプレイに表示するわけだ。
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■上抜きのオイル交換ができなくなった!
ただしアウディの場合、オイル残量を確認するのは結構面倒だった。一度エンジンをかけて暖気運転した後、車両を水平な場所に停めて計るのだが、条件がそろわないと「使用できない」と表示されて残量を教えてくれない。旧来のオイルゲージで測るのと手間はほとんど同じなのだ。
Mカメラマンの場合は、今までオイルゲージの穴からチューブを入れて自分でオイル交換(いわゆる上抜き)をしていたのだが、それが出来なくなったと嘆いていた。オイルをどのくらい足すかという確認も車内でモニターを確認せねばならず、手間がかかるようだ。
オイルレベルのチェックは手が汚れるだけに、自動車メーカーがそれを電子化したい気持ちは分かる。とはいえ古い世代にとってオイルチェックは、「最近調子どうよ?」と愛車と対話する作業でもあっただけに、レベルゲージがないというのは妙に寂しい。
ちなみに国産車ではまだまだ「レベルゲージあり」が主流だが、電動化の進行も重なって、これも消えていくのだろうか。
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