人生の大転換点……というより「折り返し地点」とも言える五十代。枯れた雰囲気を出すのもシブイが、最後にもう一度ギラついたクルマを選ぶのも悪くない。イカしたおとなが乗ってこそさまになるターニングポイント車を挙げてみる!!
※本稿は2024年4月のものです
文:伊達軍曹/写真:SUBARU、TOYOTA、HONDA、MAZDA、MITSUBISHI、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年5月10日号
■好きなクルマを堪能できる最後の時期!?
50代突入の経験者として老婆心ながら言わせていただくと、「たぶん今がアツいクルマに乗れる最後のチャンスなので、ぜひそういったクルマを選んでください!」というのが本音のメッセージとなる。
もちろん人にもよるが、50代になると体力も視力も反射神経も、徐々にではあるが、如実に衰えていく。そして何より“気力”も、若い頃と同じようにはみなぎっていない状態となる。
そうなると最終的には、性能の面でも存在感の面でも強烈なクルマにはなかなか乗れなくなり、そもそも「アツいクルマは疲れるから、もういいや……」みたいになっていくのだ。
であるならば、50代に突入ほやほやの今年度あるいは来年度くらいこそが、貴殿にとってはアツいクルマを購入するラストチャンス。ここを逃すと絶対に後悔することになるため、ぜひ「試合終了10分前のゴール」を華麗にキメてくれ!
■おすすめ1:スバル レヴォーグ STI Sport R
スバル製現行型ステーションワゴンの高出力グレード。超快適かつ超実用的であるのみならず「Sport+」を選択した際の走りはかなりエグい。燃費は悪いが、それ以外は万能なクルマだ。
●新車価格:502.7万円
●このクルマで得られるもの:「快適性・実用性・スポーツ性」のすべて
■おすすめ2:スバル WRX S4(現行型)
スバルの現行型4WDスポーツセダン。エンジンは上のレヴォーグと同じ水平対向2.4Lターボだが、各所のセッティングはこちらのほうがアツい。ワゴンの荷室が必要ないなら、こちらがおすすめ。
●新車価格:447.4万~502.7万円
●このクルマで得られるもの:スポーツセダンとともに生きる歓び
■おすすめ3:トヨタ GRヤリス
トヨタが徹底的に作り込んだホットハッチ。304psの1.6Lターボとこのビジュアルおよび乗り味を真に楽しむには、60代になってしまうと若干キツい可能性も。“若い”うちに入手したい一台だ。
●新車価格:349万~533万円
●このクルマで得られるもの:世界トップクラスの運動性能
■おすすめ4:ホンダ シビック タイプR
シビックタイプRの現行モデル。それまでのタイプRと違ってデザインには「大人っぽさ」があるため、ナイスミドルな50代に向いている。だが乗り味がソフトなわけではないので、買うなら比較的若いうちにどうぞ。
●新車価格:499.73万円
●このクルマで得られるもの:優雅なデザインと、裏腹の強烈さ
■おすすめ5:マツダ ロードスター(現行型)
進化を続けるロードスターの現行モデル。扱いやすい小ぶりなサイズゆえ、買うのはさらに後の「還暦のタイミング」でもいいのかもしれないが、こんな素敵なクルマは“なる早”で買うに越したことはない。
●新車価格:289.85万~367.95万円
●このクルマで得られるもの:永遠に続く青春
■おすすめ6:三菱 アウトランダーPHEV(現行型)
EV的に使うこともできるプラグインハイブリッドのミドルサイズSUV。最新の緻密な電子制御による4WDシステムは、圧倒的な安心感と盤石のスポーツ性をもたらしてくれる。またデザイン性と存在感においても下手な輸入SUV以上だと言える。
●新車価格:499.51万~602.36万円
●このクルマで得られるもの:盤石の走行性能と圧倒的安心感
■おすすめ7:ポルシェ 911(タイプ997)
本気で「一生に一度はポルシェ911!」と思うなら、50代がおおむねラストチャンスか。2世代前の「997型」であれば、中古車価格は現実的だ。
●狙い目中古車相場:480万~680万円
●このクルマで得られるもの:伝統と伝説。そして実用性
■おすすめ8:メルセデスAMG C43 4マチック(先代)
367psの3L・V6ターボを搭載する先代メルセデスAMG。怒涛の性能はもちろん、AMGならではの優越感を感じることもできる。優越感というか自己肯定感、中年には大事です。
●狙い目中古車相場:370万~450万円
●このクルマで得られるもの:いわゆるひとつのステイタス性
■おすすめ9:BMW M3セダン(先代)
BMW M3も、先代の中古車であれば決して手が届かないほどの金額ではない。このクルマの「駆け抜ける歓び」に無理なく対応できるのも、おおむね50代までかもしれない。
●狙い目中古車相場:560万~650万円
●このクルマで得られるもの:宣伝通りの「駆け抜ける歓び」
■けっこう高いクルマが多いので……「残価設定ローン」って実際どうなの?
ここで推奨しているモデルは乗り出し価格500万円以上となるものがほとんどであるため、人によっては「残価設定ローン」を利用して購入することになるはず。
ネット上ではカーマニアからいろいろ言われることもある残価設定ローンだが、実際はなかなか便利なもの。確かに「一度使うと、そのメーカー以外のクルマには乗り換えづらくなる」というのはあるのだが、50代のドライバーであれば人生であと10台も20台もクルマを買うわけではないはず。
ならば「他メーカー車に乗り換えづらくなってもいいじゃないか!」と開き直って、残価設定ローンを活用するのも悪くない話である。
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