オシャレなレジャービークルとして人気のルノー カングー。こいつにはブランド違いの兄弟車がいるのをご存じだろうか。提携関係にある日産はまだしも、なんとベンツ版まで存在するのだから驚くぜ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:ルノー、日産、メルセデス・ベンツ、ベストカーWeb編集部
■日産タウンスターはVモーショングリル顔のカングー
アウトドア派やファミリー派に絶大な人気を誇るMPV、ルノー カングー。2023年2月には日本でも3代目モデルがデビューし、引き締まった走りが評価を得ている。
そんなカングーなのだが、欧州では優れた商用バンとしての色彩が濃い。いっぽうで商用車は機能が優先され、コスト面の制約もあるから、1つのモデルに各社がお色直しを施し、それぞれがOEMモデルとして売るというスタイルが一般的だ。
というわけでカングーにも兄弟車が存在する。まず誰でも想像できるのが、提携関係にある日産じゃなかろうか?
その通り。日産版カングーは「タウンスター」という名前で販売されている。日産版はカングーの世代ごとに異なる名前を持ち、初代カングー版は「キュビスター」、2代目バンは「NV250」の名で市販されていた。
タウンスターと他のカングーファミリーとの違いは、ディーゼルモデルを持たないこと。主力は1.3Lガソリンエンジンで、ディーゼルの代わりはBEVが担っている。
3代目になってカングーにはBEV仕様「Eテック」が登場したから、これをタウンスターとしても市販したというわけ。かつて日産はe-NV200という電動ライトバンを持っていたが、タウンスターEVはその後継という役割も持っている。
タウンスターのフロントマスクは、しっかりと日産のアイデンティティであるVモーショングリルを採用している。いっそのこと、日産にはこいつの乗用モデルを売ってほしいくらいだ。
■なんとメルセデスベンツ顔のカングーが!
もう1社、意外な提携先がメルセデス・ベンツだ。正確にいうと「メルセデス・ベンツ・バン」という商用車部門がルノー・日産・三菱アライアンスと提携しており、カングーの兄弟車を販売している。
メルセデス版カングーはシタンと呼ばれるが、シタンにはツアラー(乗用)モデルもあり、こちらはTクラスと呼ばれている。
シタンは日産製の1.3Lガソリンのほか、ルノー製1.5Lディーゼル、そしてBEV(eシタン/EQTと呼ばれる)をラインアップするが、最大の魅力はあのメルセデスの顔つきだろう。ヘッドライトはBクラスの流用と思われるが、それでもメルセデス独特の威厳を感じてしまうから不思議だ。
驚くべきことに、シタン/Tクラスはダッシュボードの造形が変更されている。エアコンの吹き出し口も、最近のメルセデスの流儀に従った丸形に変更されている点は、ひと手間かけた苦労がうかがえる。
「こいつは日本でも絶対売れる!」と誰もが考えるはずだが、実際に並行輸入もされており、何台か中古車も流通しているようだ。現状だと500万円オーバーのようだが、正規輸入されて398万円とかで発売されれば、人気間違いなしのはず。
ここで紹介した兄弟車たちはすべて、フランス北部にあるルノーの子会社モーブージュ・コンストラクション・オートモーティブで作られ、欧州全域で売られている。カングーに乗ったら、ヨーロッパ生まれの商用車の「気分」を感じてほしい!
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