子どもが泣き止まない時に救世主が誕生! その名も「ホンダサウンドシッター」。発売当初から大人気で、手に入らない状況が続いたが、最近供給が再開したようで、大手子供用品店で購入できるようになっている。4月から新生児育児をスタートした筆者が、さっそく効果のほどを試してみた。
文:佐々木 亘/写真:ホンダ、タカラトミー
■お母さんのお腹の中とNSXが同じ音?
商品は、ぬいぐるみの中にサウンドユニットが入っており、スイッチを押すとクルマのエンジン音が鳴るというものだ。
ぬいぐるみは、ホンダの往年の名車「S600クーペ」をモチーフにしてある。手触りは柔らかく、赤ちゃんが認識しやすい赤色を使っているのも良いところだ。
クルマのエンジン音で赤ちゃんが安心することを、ホンダが徹底検証し、30車種以上のエンジン音の中から、母親の胎内音に近い音を探し出している。この研究の結果、最も胎内音に近いとされたのが、2代目NSXのエンジン音だった。
■子供をあやす父もテンションが上がる
ぬいぐるみの下部に埋め込まれたサウンドユニットを取り出し、ネジで止められた電池カバーを開けて電池を入れ、サウンドユニットをぬいぐるみに戻せば準備は完了だ。
S600クーペのボンネットを一押しすると、エンジン音が流れ出す。
「ブォーン」と、空ぶかしのエンジン音(排気音の方がイメージしやすいかもしれない)からスタート。空ぶかしが4回行われ、5回目のアクセルオンでは、スロットルがパーシャルになり、少し回転数の上がった状態の音を長く楽しむことができた。このサイクルが2度繰り返され、再生は終了する。
クルマ好きの父としては、いつまでも何度でも聞いていたくなる音だった。
赤ちゃんをあやすグッズは、可愛らしいオルゴールの鳴るものが多い中で、Honda SOUND SITTERは異質の極みだ。無骨なエンジン音だからこそ、パパもとっつきやすいし、子供と一緒にNSXのエンジン音を聞いてみようかなと育児のきっかけにもなる。
肝心の子供の反応は個人差があると思うが、音には興味を持ち、聞き入る様子が見て取れた。泣いている状態でも、エンジン音を流すと「ハッ」として、泣き止むのも実に不思議である。
クルマに乗ると赤ちゃんが泣き止むというのは、有名な話。ホンダサウンドシッターがあれば、わざわざドライブに出かけなくても、お部屋の中でクルマに乗ったような体験をすることができるだろう。
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■ホンダさん! 再生時間はぜひ改良をお願いします
実は、我が家にはもう一つサウンドシッターの役割をするグッズがある。Honda SOUND SITTERと同じくタカラトミーさんから販売されている「いっしょにねんねぐっすりメロディ」という商品だ。
こちらは寝かしつけ用の音楽と、ぐずり泣きに効果のある胎内音が入っている。一度スイッチを入れると15分間鳴り続け、赤ちゃんの入眠やぐずり泣きを解決してくれるのだ。我が家では、1日に10回以上再生される人気者で、コレ無しでの育児は考えられない。
筆者は、Honda SOUND SITTERにも同じ役割を期待したのだが、残念だったのはエンジン音が鳴り続ける時間設定だ。寝かしつけグッズが概ね15分程度鳴り続けるのに対して、Honda SOUND SITTERはわずか45秒しか鳴ってくれない。あまりにも短すぎるのだ。
再生が止まったら、またボタンを押せば鳴るわけだが、パパとしては赤ちゃんのお世話の最中ずっと鳴っていてほしいのである。特にギャン泣きの子をあやす場面では、いちいち45秒ごとにスイッチを押しに行く暇はない。
実車と同じくマイナーチェンジの機会を設けて、再生時間を10分~15分くらいまで伸ばしてほしい。赤ちゃんは泣き止むし、パパの育児も捗る最高のグッズなので、ぜひともホンダさん、改良をお願いします。
最後に、意外だったのが2歳や3歳ごろの子供の方がHonda SOUND SITTERを気に入ってくれることだった。リアルなエンジン音が鳴るぬいぐるみは、ミニカー遊びをするのにもってこいなのだ。
もしかすると、新生児対象ではなく、乳幼児へと対象年齢を少し上げた方が、よりユーザーのニーズに応える商品になるのかもしれない。
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