日々ハイテク化が進み、高度な進化を遂げている自動車デバイス。だんだんと、使う側の理解を超えるところまで技術が進み、「どうやるんだ?」というシチュエーションも増えてきた。いくらハイテクになっても、使う側がローテクのままではもったいない!そこで、いまさら聞きにくい、だからこそ押さえておきたいクルマの便利技を紹介していく。

文:佐々木 亘/写真:トヨタ、日産

■ライトの消し方が分かりにくくなったよなぁ

こちらは現行型ノアのライト点灯時だが、確かに分かりにくい

 2020年4月以降の新型車と、2021年10月1日以降も販売を続ける新車に対して、オートライトの搭載が義務付けられた。この法規対応によって、ランプスイッチの操作が、結構変わっている。

 これまでのランプスイッチは、消灯・スモール・点灯・AUTOの4種類の切り替えがあり、ライトを消したいときには「消灯」の位置へつまみをひねることで、ライトが全て消えていた。

 しかし、オートライト搭載義務化以降のランプスイッチは、AUTOが基準の位置になり、つまみをひねっても、AUTOと点灯の位置でしか止まらないものが多い。

 またAUTOの下側にスモールと消灯を兼ねた場所があるのだが、そちら側へ回してもスモールになるだけで、AUTOへ戻されてしまうはず。そこで詳しい操作を確認していこう。

 トヨタのオートライト搭載車で、あえて前照灯を消灯するためには、ランプスイッチを下側(スモール・消灯側)に下げて、1秒以上キープする必要がある。

 日産・三菱車では、スモールの位置にランプスイッチを設定し、セレクトレバーをPに入れてパーキングブレーキをかけるとヘッドランプが消灯する仕組みだ。

 スバルではレヴォーグ以降でスイッチ形式を見直し、AUTO直下にOFFの項目を増やした。ひねるとAUTOへ戻るタイプだが、OFFへひねるとライトは消える。この辺りの分かりやすさは嬉しい。

 いずれのケースでも、消灯できるのは停車時のみ。最近変わった仕組みなので、知らないとまごついてしまうだろう。普段は使わないかもしれないが、方法だけでも頭に入れておきたい。

■給油では「どっち?」「蓋はどこへ?」と疑問だらけ

 セルフ給油が当たり前になり、ユーザーが給油口に触れる機会も増えてきた。だからこそ、給油口の向きと、蓋の置き方はマスターしておこう。

 まずは、給油口の向き。クルマの左右どちらかにあるわけだが、どちらにあるのか覚えておかなければならないと考えている人はいないだろうか。給油口の向きは、車両のガソリンメーターにあるガソリン計量器マークの隣にある三角形が示す方向で、クルマに乗りながら判断することができるのだ。

 また、給油中に給油口の蓋をどこへ置くか悩むことは無いだろうか。これもメーカーさんはしっかり考えていてくれて、給油口の蓋の裏に、給油口の蓋置き場が作られていることが多い。もしくは、車体と給油口の蓋をつなぐ紐部分を引っ掛けるタイプもある。

 こうしたポイントを知っておけば、ガソリンスタンドでスマートに給油することができるはずだ。

■愛車のエアコンはどこまで自動制御なのか知っておきたい

内外気切り換えのオートを使う方法は、クルマによって様々だが、
多くはAUTOボタンを押せばいいだけ(写真は現行型のノア)

 クルマのオートエアコンは、どこまでがオートなのかを確認しておきたい。温度を設定しておけば、風量と風の出口を自動的に選んでくれるのは言わずもがな。これに加えて、10年ほど前のクルマからは、内外気循環の判断まで自動的に行うようになっている。

 冷房を早く効かせたい時には内気循環へ、それが終わると自動的に外気導入へ切り替わるクルマが多いだろう。車種によっては、臭いのするものを吸い込むと自動的に内気循環にして、外からのニオイ物質をカットするものもあるのだ。

 内外気切り換えのオートを使う方法は、クルマによって様々だが、多くはAUTOボタンを押せばいいだけ。ただし、AUTO設定後に内外気切り換えスイッチを自分で操作してしまうと、内気循環・外気導入の部分だけ、マニュアル操作に切り替わるものもある。

 また、外気導入・内気循環のボタンを長押しするとオート機能が働く車種もあった。便利なエアコンの機能は、使い倒してナンボ。この辺りは、今一度取扱説明書を確認してみてほしい。

 忘れてしまいそうな自動車操作のワザたち。筆者も含め、年齢を重ねると、だんだんクルマの進化にはついていけなくなるものだ。少しずつ覚えていこう。

 また、乗り慣れた愛車でも、知らない機能は結構ある。時々、取扱説明書をパラパラめくっていくと、意外な機能を発見することもあるので、愛読書「取扱説明書」は結構おススメだ。

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