「多くの関係者に多大なご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」。トヨタグループの先頭を切って“不正3兄弟”のうちの豊田自動織機が、愛知県高浜市の高浜工場で定時株主総会を開き、冒頭、伊藤浩一社長は自動車用エンジンなどの認証不正について深く頭を下げて陳謝した。

ただ、1月末の記者会見で、課題把握のためグループの主要17社の株主総会に、株主としてすべて出席する意向を示していたトヨタ自動車の豊田章男会長は出席しなかったという。

このため、きょうの各紙も「豊田織機、不正を陳謝、株主総会、トヨタ会長は欠席」(毎日)などと、株主総会で説明した不正の再発防止のための組織や風土改革などとともに、豊田章男氏の“ドタキャン”についても詳しく取り上げている。

それによると、「年に1度の株主と企業の対話の場で、(会長)自身が出ることで変化が起きるのは得策ではない」と判断し、「豊田氏が今後、株主としてグループ企業の総会に参加する予定はない」(トヨタ広報)とも伝えている。

先日の認証不正を公表した緊急記者会見での「ブルータス発言」といい、影響力のあるリーダーが公の場で軽率な発言を繰り返してばかりいては、信用されないのは当然であり、自身の晩節を汚すだけでなく、不正が相次ぐトヨタグループが信頼を取り戻すのも前途遼遠だろう。

ちなみに、トヨタグループでは来週の18日にトヨタ自動車、19日にアイシン、20日にデンソー、26日に日野自動車などと、日程がかぶらないようにずらして株主総会を開く予定という。

2024年6月12日付

●自動運転レベル4全国で、ライドシェア、バス・鉄道業者も、デジタル行革案 (読売・1面)

●認証不正、豊田自動織機総会で陳謝、トヨタは18日企業統治焦点 (読売・8面)

●運送代不当に減額要求か、公取委、荷主に立ち入り(朝日・27面)

●日本版ライドシェア全国に、相次ぐ発信、総裁選の争点にも (産経・1面)

●トヨタ不正法規より厳しい基準で試験、認証制度への関与メーカー不十分か (産経・3面)

●中外時評、トヨタと東芝、気になる相似形(日経・7面)

●VW、中国で小鵬とEV開発、販売台数で巻き返し急ぐ(日経・12面)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。