2024年5月、ついに公開された3代目となる新型ホンダ フリード。「AIR」と「CROSSTAR」の2ラインへと生まれ変わり、これまで培ってきた「ちょうどいい」をさらに進化させ、「もっといい」クルマとなったフリードを、発売前にほんの少しだけご覧いただこう。
※本稿は2024年5月のものです
文:ベストカー編集部/写真:茂呂幸正、ホンダ/モデル:ゆづ
初出:『ベストカー』2024年6月10日号
■“ちょうどいい”フリードを“もっといい”に進化させリニューアル!
“ちょうどいい”を合言葉に、コンパクトな5ナンバーボディに充分実用的な3列シートを押し込んで6~7人乗りを作り上げたのがフリード。初代がデビューしたのが2008年、現在販売中の2代目には2016年にモデルチェンジした。
そして待望の3代目が2024年5月9日に公開され、いよいよ登場する。フリードが培ってきた「ちょうどいい」をさらに進化させ、“もっといい”を目指した正常進化と言っていいだろう。
■AIRとCROSSTAR……日常と非日常の個性で勝負
3代目となる新型フリードはステップワゴンでも提案した“スッキリ・爽快”をイメージさせるAIRと、タフで遊び心を感じさせるCROSSTARの2つの個性をラインナップ。
2代目に設定されていた「フリード+」は廃止され、アウトドアテイストをアピールするCROSSTARに2列シートの5人乗りが設定される。CROSSTARには3列シートの6人乗り仕様もあるので、使い方によって選べばいい。AIRには2列目シートがベンチシートの7人乗りも用意される。
パッと見、スッキリテイストで明るく開放的な印象。AIRはステップワゴンに似た雰囲気で、シンプルで上質な佇まいだ。
車体サイズは全長4310mm、全幅1695mm、全高1755mm。全長は45mm伸び、全高は105mm低くなったが全幅は変更なし。CROSSTARはブラックの樹脂フェンダーモール分ワイドで全幅1720mmとなる。
基本プラットフォームは2代目から大きく変えてはいないというが、全高が105mm低くなったのは、ルーフから飛び出したアンテナを廃止したためで、室内高に変化はない。
全長が45mm延長された効果は2列目、3列目の居住性に効いている。2列目のスライドを真ん中あたりにセットすれば膝スペースがこぶし2つ分確保され、そのまま3列目の膝スペースもこぶし1つの余裕ができる。大人が充分余裕を持って6人乗れる室内空間だ。
3列目シートの座面や背もたれのクッションには厚みがあり、実用的なシートでけっしてエマージェンシーではないのがフリードの矜持なのだ。
新型フリードに搭載されるパワーユニットは、現時点では詳細は公表されていないもののe:HEVであることだけは明らかにされている。
フィットをベースとしたプラットフォームであることを考えれば、フィットやヴェゼルなどに搭載される直列4気筒1.5Lエンジン(106ps、13.0kgm)を使用する2モーターシリーズパラレルハイブリッドのe:HEVだろう。
駆動用モーターの最高出力は131ps、最大トルクは25.8kgmなので、NA2.5Lエンジン級のトルクを発進時から発揮。7人乗っても動力性能に不満はないだろう。実用燃費も大幅に引き上げられることに期待が持てる。また、今回は言及されなかったが1.5Lガソリンエンジン搭載モデルの設定もありそうだ。
また、AIRの7人乗り以外にはFFのほか4WDが設定される。ホンダのe:HEVでは後輪はモーターではなくメカニカルにつないで駆動するシステムを採用。このフリードもこのタイプの4WDとなる。
新型フリードの正式発表、販売開始は2024年6月の予定だ。
■やっぱり気になる「シエンタ」との違いは3列目のコンセプト
5ナンバーサイズの3列シート多人数乗車といえばフリードとシエンタの一騎打ちだが、両車は明確にコンセプトが異なる。
3列目を実用とするフリードに対し、シエンタの3列目はエマージェンシーとする。シエンタの2列目は前転して収納。3列目は2列目フロアに収納されフラットな荷室となる。
フリードは歴代にわたって3列目の実用性にこだわった開発をしているのがポイントだ。
●新型ホンダ フリードのここがポイント
・「フリード+」を廃止して2列シート車はCROSSTARにのみ設定
・3列シート6人乗りがフリードの主流。AIRとCROSSTARを設置
・CROSSTARは全幅1720mm、AIRは5ナンバー堅持の1695mm
・全高は105mm低い1755mmとした
・パワートレーンは1.5L e:HEV搭載
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