加工やシステム変更を施さずスピーカー交換だけで高音質化を果たした千葉県のサウンドエボリューション・ログオンのデモカーであるトヨタ『アルファード』。スピーカー交換による音の良さに加えコスパの高さを体感してオーディオの魅力に触れるには最適な一台となった。

◆純正デザイン&機能を一切スポイルせず、スピーカー交換のみでサウンド向上を目指す

JBLプレミアムサウンドにはAピラーにツイーターパネルが装備されている。交換したツイーターもここに設置されている。ダッシュにはメッシュのグリルが施され、ここに純正のミッドレンジが取り付けられている。キッカーのKSC270も純正位置に設置。 ミッドバスはドアの順整地に取り付けられている。オーバルタイプを選んで中低域の厚みをアップさせている。

今回紹介するオーディオカーはちょっと趣向を変えてショップのデモカーだ。取材に訪れたサウンドエボリューション・ログオンでは、オーディオへの入門ユーザーにも手軽にシステムアップができるハードルの低いオーディオインストールも積極的に提案している。それをリアルに体験できるデモカーとして用意するのがこのアルファード(40系)なのだ。

テーマとなったのは純正機能やデザインはすべてそのままでシステムアップできる点、しかもクルマを乗り換える際にはすべて取り外して完全に元に戻せることを掲げた。そんなテーマに沿ったオーディオグレードアップを考えた時、もっと効果的な音質向上の手法としてピックアップしたのがスピーカー交換だった。ベースとなったアルファードはエグゼクティブラウンジにJBLプレミアムサウンドが搭載されている車両。元々がフロント3ウェイが設置され、Aピラーにツイーター、ダッシュ奥にミッドレンジ、ドアにミッドバスを搭載した充実のシステムだ。

ショップでは「スピーカー交換はもっともコスパの高い手法です。オーディオシステムは純正のままでスピーカーだけ交換することで大きくサウンドは改善します。それを体感してもらうためのデモカーとしてこのクルマを作りました」と紹介してくれた。スピーカーにはキッカーの2ウェイセパレートスピーカー「KSS6904」とミッドレンジである「KSC270」を組み合わせて用いた。インストールは純正のフロント3ウェイ取り付け位置を使って各スピーカーを設置する。そのためコクピットまわりのデザインはまったく純正のままだ。また機能面でも純正をスポイルすることは一切無い。緊急通報の機能はもちろんそのまま利用可、チェックランプを含めたエラーも残すことはなくOBD車検にも対応するなど、オーディオに詳しくないユーザーに取っても安心のシステムアップと言えるだろう。

◆スピーカー交換だけで平面的だった音が一気に立体的な高音質サウンドに変貌する

手軽にオーディオをはじめる意味からも純正のオーディシステムはそのまま使うのがこのクルマのポリシー。スピーカー交換だけで、ここまで高音質化することを体感するには絶好のデモカーとなった。

カーナビ/オーディオのシステムは純正をそのまま利用するため、システムアップのハードルはいたって低い。調整機能は限られているものの、スピーカーのパフォーマンスアップのおかげもあって大きくサウンドが改善しているのが体感できるわかりやすいシステムアップとなっているのもこのクルマの魅力だろう。

元々アルファード(40系)はダッシュが長くAピラー&ダッシュに取り付けられているツイーター/ミッドレンジとドアに取り付けられているミッドバスの音が融合しにくい傾向にある。その点もスピーカー交換してグレードをアップし調整を加えることで大きく改善する。サウンドは純正だと平面的な音になりがちなのだが、スピーカーを交換することで立体的な音像が体感できるようになるのもわかりやすいメリットだ。

さらに音が良くなるとついつい音量が上がってしまうものだが、長く聴いていても聴き疲れしないのもこのクルマの魅力。しっかりとメリハリのあるサンドを再現しつつ、長時間音楽を楽しめるのでロングドライブのお供にも最適な仕様となった。また、多人数乗車することも多いアルファードなので後席で聴くサウンドも高音質化していると感じられるのも良いところ。

◆スピーカーなどを取り外せば原状復帰が可能、配線にまで気を配った作りで初心者にもハードルが低い

スピーカーにはキッカーのKSS6904(2ウェイセパレートスピーカー)+KSC270(ミッドレンジ)を用いた。純正スピーカーがこちら。JBLのシステムは最初からフロント3ウェイ構成になっている。

今回ログオンのデモカーで先にも紹介した通りスピーカーとしてチョイスしたのはキッカーの2ウェイモデルKSS6904と同じくキッカーのミッドレンジであるKSC270を組み合わせる(もちろんスピーカーチョイスは好みで変更可能)。取り付けには純正位置を使ってスマートにインストールする。もちろん取り外せば純正に簡単に戻せる仕様なのも乗り換え時の原状復帰を気にするユーザーにも利用しやすいスタイルだろう。

また配線類にもこだわる。近年のトヨタ車などで見られるアルミ配線は切断や接続といった加工の難易度が高い。しかしこれをカットして加工するのではなく、カプラーを使った配線としているのがこのクルマの特徴。通電不良などを起こさない工夫がなされているのも幅広いユーザーに安心感を与えるだろう。

オーディオのシステムアップ=加工を思い浮かべる未経験ユーザーも多いところ、ログオンでは手軽で原状復帰可能な手法でもオーディオの高音質化は十分可能なことを示したデモカーを製作。低いハードルでオーディオをはじめて、その高音質を体感して欲しいというのが狙いだ。ここでオーディオグレードアップに魅力を感じたら、次はDSPやパワーアンプなどシステムアップのための選択肢は一気に広がる。純正システムや内装デザインを変更することないスピーカー交換でオーディオのグレードアップをはじめるには、ひとつの指標になるデモカーとなったので注目した。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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