昨今では車内で「Wi-Fi」が使える車種が増えてきている。動画サービスの視聴やサブスクリプションの音楽再生、また仕事にも活用できるなど、そのニーズは間違いなく拡大トレンド。しかしそれを搭載していない車種はどうすれば良いのか? それを解決するのが「モバイルルーター」の利用だ。そのメリット/デメリットを検証してみた。
文/写真:高山正寛
■大人気の車載専用Wi-Fiルーター
Wi-Fi機能を搭載していないクルマにネット環境を構築するために人気なのが「車載専用Wi-Fiルーター」。特にカロッツェリアが販売する「DCT-WR100D」は使用頻度に応じて料金プランが選べ、ネットが使い放題になるなど大ヒットモデルとなった。
今年9月には後継モデルとなる「DCT-WR200D」の発売も予定されていることからもその人気の高さがわかる。それでもクルマに乗る頻度が少ない人にとっては少しハードルが高いのも現実。そこで今、注目されているのが「モバイルルーター」である。
■本体は買い切り、ギガを購入する
元々、モバイルルーター自体は多くのメーカーから販売されていた。昨今はより高速な5G通信にも対応した商品もラインナップされている。今回、紹介するのはネットショップなどでも人気の「買い切り型」と呼ばれるものだ。
つまり機器をレンタルするのではなく、最初に買い取る(当然返却は不要)。これには物理SIMカードではなく昨今のトレンドである「eSIM」を使っているので、その中に予めチャージされているギガを消費するというスタイルだ。
筆者は仕事柄、前述したカロッツェリアのWi-Fiルーターを使っているが、テストも兼ねてこのモバイルルーターを購入してみた。
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■メリットとデメリットは
まず、商品自体は色々なメーカーから出ているが、365日のうちにどれだけのギガを使うかを予め選ぶ必要がある。
メリットとしては、持ち運べるので、車内はもちろん、普段の生活や仕事でも使えること。ギガを使い切ったらチャージ(有料)すればよいのだ。
一方のデメリットは、開通後365日という期間があり、もしギガが余っても料金は戻らない(逆にチャージするとそこから1年間延長される)こと。そして元々車載用ではないので、夏場などの高温対策はされていないこと。使い放題ではないので、動画などをガッツリ見るとギガの消費が激しいという点である。
また補足だが、前述した「DCT-WR100D」はNTTドコモの「docomo in Car Connect」というサービスなので当然ドコモ回線だが、筆者の購入したルーターは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」「Rakuten」の電波の中から最も状態の良いものを自動で選ぶ「マルチキャリア」に対応している点が魅力だ。
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■実際使ってみるとどうなのか?
今回、実際モバイルルーターを車内に配置し、一般道、高速道、そして高速道のトンネル内を走行して通信速度などを検証してみた。
・一般道(国道298号、埼玉県三郷市)
モバイルルーター:2.8Mbps(下り)
「DCT-WR100D」:18.7Mbps(下り)
・高速道(京葉道路下り原木IC手前)
モバイルルーター:7.5Mbps(下り)
「DCT-WR100D」:9.8Mbps(下り)
・高速のトンネル内(外環道千葉地下トンネル)
モバイルルーター:14.4Mbps(下り)
「DCT-WR100D」: 16.5Mbps(下り)
という結果だった。
電波である以上、その結果は日々異なるのであくまでも参考程度であることは予め断っておくが、数値とは別に、実際助手席側から「YouTube動画」等を確認してもらうと15分の動画で、モバイルルーターは数回画面の乱れがあったこと、またサブスクの音楽再生でも音飛びが数回あった。
一方で「DCT-WR100D」は専用機の強みなのか、全体的に安定して視聴、音楽再生が出来たことは補足しておく。
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■どんな人にオススメなのか
答えは割とシンプルで、クルマだけでなく普段の外出先などでもパソコンやスマホを使いたい人だ。
またドライブに出かけた際、前述したようにサブスクの音楽配信サービスやネット閲覧、またゲーム程度であれば十分使える。ただ、移動中に映画を1本見る機会が多いのであれば「DCT-WR100D」のような使い放題タイプが安心だろう。
今後モバイルルーターはますます人気になっていくだろうし、車内という厳しい環境下にも耐えられるモデルも出てくるはずだ。自分の利用シーンをイメージして選んで貰いたい。
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