2列シート4人乗り仕様の「エグゼクティブ」を投入し、ラグジュアリームーバーとして高級感、快適性、広い室内空間を追求したレクサス LM。そのLMに、パーソナル感を強めた待望の6人乗り仕様が追加された。高級さはそのままに、よりミニバンらしくなったLMの全貌を是非!
※本稿は2024年6月のものです
文:渡辺陽一郎/写真:レクサス
初出:『ベストカー』2024年6月26日号
■LMに3列シート6人乗り登場!
レクサスLMは、2023年10月の発売時点では、2列シートで4人乗りのエグゼクティブのみだった。前席と後席の間に電動昇降ガラスを内蔵したパーティションが備わり、外観は背の高いミニバンでも、車内の造りはセダンのリムジンに近い。
しかし2024年5月に加わったバージョンLは、3列シートの6人乗りで、ミニバンの機能を重視している。
2列のエグゼクティブと3列のバージョンLを比べると、ボディサイズや車内の広さは共通だ。パワーユニットも、両グレードに直列4気筒2・4Lターボをベースにしたハイブリッドを搭載している。
したがって両グレードで異なるのは装備だ。最も大きな違いは、バージョンLにはエグゼクティブが装着しない3列目シートが加わること。
3列目はアル&ヴェルと同様、左右に跳ね上げて格納できるが、シート形状は異なる。アル&ヴェルは3人掛けで乗車定員は7名だが、LMバージョンLは2人掛けで、シートの造りと座り心地が上質だ。
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■内装もバツグンの出来だゾ
その一方でバージョンLには、エグゼクティブに備わるパーティションと、そこに内蔵される冷蔵庫、収納設備、48インチ大型ワイドディスプレイなどは装着されない。
バージョンLのリヤシートエンターテインメントシステムは、天井に装着される電動開閉式14インチディスプレイだ。またバージョンLは3列目を加えたから、取り付け位置が前寄りで足元空間はエグゼクティブほど広くない。
2列目シート本体の機能も異なる。エアブラダー(空気袋)を使ってマッサージするリラクゼーション機能は、エグゼクティブでは7種類の作動を選べるがバージョンLは1種類だ。
エアコンも異なり、エグゼクティブには温熱感IRマトリクスセンサーが採用され、乗員の顔/胸/大腿部/下腿部に分けて空調を細かく制御する。
2列目のテーブルは両グレードに備わるが、エグゼクティブは外側のアームレストに内蔵され、バージョンLは内側から引き出す。2列目の電動前後スライド機能は、エグゼクティブは2列シートだから不要だが、3列のバージョンLには採用した。
多人数で乗る時は、2列目を前方にスライドさせ、3列目の足元空間を拡大させる。バージョンLの2列目は、480mmの電動スライド量も含めて、アル&ヴェルのエグゼクティブラウンジシートに近い。その点ではLMのエグゼクティブのほうが独自性が強い。
1列目も異なる。乗降時に運転席を後方へスライドさせ、乗降性を向上させるパワーイージーアクセスシステムは、6人乗りのバージョンLだけに装着される。バージョンLにはパーティションがなく、1列目に開放感も伴うため、ユーザーが自分で運転する用途も考えるとエグゼクティブより優れたところもある。
なおバージョンLの価格は1500万円だから、エグゼクティブに比べて500万円安い。遮音性能の違いなどを含めてもバージョンLが割安だ。
●レクサス LM500h version L 諸元表
・全長:5125mm
・全幅:1890mm
・全高:1955mm
・ホイールベース:3000mm
・車両重量:2465kg
・エンジン:直4DOHC+ターボ
・総排気量:2393cc
・最高出力:275ps/6000rpm
・最大トルク:46.9kgm/2000~3000rpm
・モーター出力:F=87ps/29.8kgm R=103ps/17.2kgm
・トランスミッション:6AT
・WLTCモード燃費:13.8km/L
・車両価格:1500万円
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