エアロパーツとは違ってぱっと見ただけではわからないジミ~なパーツであるが、その効果はつけた人にしかわからない。そんな魅惑的なパーツ、ドアスタビライザーについて紹介していく。
文:佐々木 亘/画像:トヨタ
■3万円で出来るハンドリングと乗り心地対策
トヨタの純正オプションカタログに掲載されているGRパーツ。その中に、GRドアスタビライザーがある。
ドアストライカーの部分の隙間にスペーサーを入れ、隙間を埋めることでステアリング操作時の車両反応を向上させるというパーツだ。ハンドリング特性をクイックなものに仕上げてくれる。簡単に言えば、補強パーツの一種である。
クルマにとってドア周辺は広大な開口部があり、ボディのよじれが起きやすい。ドアスタビライザーは、このよじれを低減し、ステアリング操作に遅れることなく、クルマ側が反応してくれるというものなのだ。
現行車種で適合しているのは、GR86、ハイラックス、ヤリス、ヤリスクロス、プリウス、ノア、ヴォクシー、クラウンクロスオーバー、アクア、GRカローラ、アルファード、ヴェルファイアの12車種となっている。
特に、ドア開口部の大きいミニバンや、高級車には強くお勧めしたい。ボディ剛性だけでなく、ドア開閉の音で重厚感がアップしてくれるのだ。アルヴェル兄弟は、ハンドリングでもドア開閉音でも、特に効果を大きく感じられるだろう。
■中古車ではさらに効果を体感できるかも
現行車両はもちろんなのだが、ドアスタビライザーの効果は、少しお疲れモードの中古車でも体感できる。むしろシャキッと感が増すため、中古車にこそお勧めしたいパーツだ。
筆者の愛車は今年で丸12年を迎える、走行距離17万キロ越えのプリウス。こいつが2年目ころに、当時TRDから出ていたドアスタビライザーを、前後ドアに取り付けた。(※ドアスタビライザーは2個セットのため、4枚ドアのすべてに装着するためには、2セットの購入が必要)
既に取り付けて10年以上が経過するが、未だにその効果は絶大であり、ドアスタビライザー自体も劣化しているような印象はない。3代目プリウスでも、ドアスタビライザー装着後の乗り味やステアリングフィールは、TNGA採用の4代目プリウスに肉薄する。
フルモデルチェンジ後の走りに近しい感覚を楽しめるドアスタビライザーは、中古車への装着でも、効果は高い。その乗り味は、リフレッシュ整備を行ったかの如く、スムーズで気持ちのいいものになるだろう。
GRパーツには、現行車種用のドアスタビライザーしかないが、2010年代のクルマにドアスタビライザーを取り付けたいという方は、是非TRD製のドアスタビライザーを探してほしい。
適合車種は幅広く、初代アクア、30系のアルファード・ヴェルファイア、80系ノア・ヴォクシー、200系~220系のクラウン、C-HR、60系・30系のハリアー、30系プリウスなど、現在の中古車市場でも人気のあるクルマが入っている。
現在でも、新品のパーツをトヨタ販売店で購入できるので、上記のクルマにお乗りのオーナーさんは、是非装着してみてください。
長年愛用している筆者からすると、標準のドアストライカーを全てGRドアスタビライザーに変えてほしいと思うほどだ。タイヤを1回転転がした瞬間から分かる、クルマのしっかり感の違いを、多くのドライバーに知ってもらいたい。
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