クルマを買うとしよう。でも、狙っているモデルがあるわけではない、いくつかの車種で迷っている、なんてケースもあるだろう。予算はこのくらい、こういう用途で使いたい、新車なのか中古車なのか、等々の条件から、自分に合ったものを選んでいくことになると思うのだが……。ここでは限られた予算でより幸せになれるのはどちらなのか? 究極の選択を妄想してみたい。
文:奥津匡倫(Team Gori)/写真:トヨタ、ダイハツ、メルセデスベンツ、BMW、ジャガー
■予算150万円で買える新車と中古高級車とは?
ここで想定している諸経費抜きで150万円というのは、ヤリスの1リッターモデル(Xグレード、150万1000円)がだいたいそのくらいで買えるから。新車なら他にも軽自動車がターゲットになるが、登録車でも軽でもハイブリッドモデルやスーパーハイトワゴンが主流となっている昨今、やはり150万円の予算では潤沢とは言い難い。装備やグレードなどによっては予算オーバーとなってしまうので、ベーシックなモデルやグレードがメインとなってくるだろう。
中古車なら選択肢は広がるが、新車はベーシックモデルが中心となるため、ここは逆に超高級車をターゲットとしてみたい。150万円の予算でも、メルセデスSクラスやBMW7シリーズ、ジャガーXJ、レクサスLSなど世界の名だたる高級車が買えてしまう。高級車、とりわけセダンに関しては値落ちも大きく、かなり格安で買えてしまうのだ。新車ならベーシックモデルしか手が出ないことを考えると、かなりお買い得感があるように思えてくる。
■同じ150万円ならどちらが幸せになれるのか?
150万円の同じ出費で幸せになれるのはどちらか。それはもう新車に決まっている!! トラブルの心配がゼロに近いから。余計な修理代を気にする必要がない上、コンパクトカーや軽なら、燃費を始め、各種ランニングコストが少ないこともメリット。通勤などで毎日使うとか、クルマがないと即座に困る人なら、間違いなくこちらが正解。日々の暮らしの中で活躍する愛車を、買ってよかったと思える瞬間は少なくないはずだ。
でも、高級車も捨て難い。格安とは言え、元は超高級車である。たとえ完全な状態でなかったとしても、乗り心地やエンジンフィールなど、ベーシックモデルでは絶対に味わえない乗り味を体感できる。それを知ってしまうと、幸せならこっちだろう!! と思ってしまうかもしれない。
だが、150万円といえば、上記モデルなら1/10ほどの値段である。場合によってはトラブルの心配があるかも知れない。もちろん、最高の状態を取り戻すことはできるが、それには少なくない費用がかかるのに加え、燃費や税金(年式的に割り増しになっているケースもある)も高くつく。モノはよくてもお金ばかり掛かるのは幸せとは言い難い。
■で、とどのつまりどっちなの?
幸せは数値化できないので筆者の例になるが、かつて元・超高級車を所有していたことがある。とは言え、150万よりずっと格安の“ゴミ”だったので、次々に負債が発生し、所有期間中は不幸まっしぐらだった。
それでも、乗っている瞬間だけは幸せを感じられていた。もし、実際に迷っている人がいたとしたら、それぞれ実物に触れてみて欲しい。そこで抗えないほどの魅力を感じてしまったらその時はもう仕方がない。覚悟を決めて挑戦するしかない。でも、やっぱりオススメは新車だ!!
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