ヤマハ発動機とJAF(日本自動車連盟)は6月26日、東京ビッグサイトで開幕した「自治体・公共Week2024 スマートシティEXPO」に時速20km以下で公道を走ることができる電動車を活用した移動サービス「グリーンスローモビリティ」を共同出展した。
ヤマハとJAFは低速モビリティに関する協業契約を2022年6月に締結。ヤマハの電動ゴルフカートをベースとした低速モビリティと、JAFの全国に広がるサービス網や自治体との連携を組み合わせることで、移動困難地域への低速モビリティの導入からアフターサービス、自治体ニーズに合ったモビリティサービスの提供を支援する取り組みを行っている。
ヤマハ発動機、JAFブース(スマートシティEXPO)JAFの野口浩寿理事は前年に引き続いての共同出展に関して「前回初めて出展して結構いろんな自治体の方もたくさんいらっしゃって興味深く見て頂いたので、今回はなるべく目立つ場所でより多くの方に見て頂こうということでコマも大きくした。各自治体の方も興味は持たれており、その最初のステップになれば良いなという思いで今回も出展した」と話す。
実際、前回の出展をきっかけに東京都の多摩市や青梅市を始め、京都府宮津市など8つの自治体でグリーンスローモビリティを活用した実証実験が行われたという。
野口理事は「(地方では)公共交通機関がどんどん廃れていく一方で、高齢ドライバーによる事故も増えている。そういう意味で安全な移動を支援する、ひいてはそれが地方、地域の活性化にもつながる」とヤマハとの協業の意義を強調する。
ヤマハ発動機の電動ゴルフカートをベースとした低速モビリティグリーンスローモビリティに使われる車両は、ゴルフカートのように車体側面や後方にドアや窓がない開放的な造りになっているのが特徴。ヤマハの笹島千尋主事によると「バスに乗車して知らない人と話をするということはあまりないが、なぜかこのモビリティに乗ると知らない人とでも9割の方がお話をされたり、このモビリティで外に出る機会が増えたことで、同じ地域に住む方でモビリティをご利用されていない方に比べて約1歳若返る可能性があることが共同研究で明らかになった」とのことだ。
こうした共同研究結果は、グリーンスローモビリティの新たな付加価値創造の事例としてブース内のパネルで紹介されている。
ヤマハ発動機の森林デジタル化サービス「RINTO」で使用される産業用無人ヘリこのほかヤマハは単独の事業として産業用無人ヘリコプターを活用した森林デジタル化サービス『RINTO』を出展、紹介している。RINTOは無人ヘリコプターによる森林計測から計測データの解析、さらにはデータ情報のクラウド提供まで一気通貫で行うサービス。
ヤマハの藤田裕俊マネージャーは「ヤマハにはグリーンスローモビリティの他にもB2G(企業が政府や自治体に対してモノやサービスを提供する)事業はたくさんある。実は去年くらいから自治体から話を聞きたいという声がかかると別のB2Gのユニットも帯同して説明に行っていた。ひとつひとつバラバラで自治体にアピールするよりも塊を大きくしてまとまって話をした方が効率的ということで、今回2度目のスマートシティEXPO出展にあたり一緒にやろうということでRINTOも同時出展した」と明かしていた。
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