驚きのニュースが飛び込んできた。BEVしか売らないはずだったBYDジャパンが、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)を日本へ導入するというのだ。BYDのPHEVといえば、2000kmも走っちゃうくせにたったの220万円なんていうとてつもない強力兵器。こいつは日本メーカーもまずいんじゃないか!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:BYD、ベストカーWeb編集部
■BEVが奮わない日本市場
6月25日、新型EVセダン「シール」を発表したBYD。2022年の日本進出発表時にアナウンスした3台のEVが、これで出そろったことになる。
ところが、日本のBEV市場は奮わない。もともとハイブリッドの存在感が強い市場だったうえに、欧米でのBEVの「足踏み」状態を受けて、「慌ててBEVを買わなくてもよい」という雰囲気が醸成されてしまったからだ。
もちろんBYDも日本の市場特性は十分理解していたのだが、着実に店舗数を増やしている販売網も活用していきたい。だとしたら「PHEVを導入しよう」という結論はいたってまっとうな判断ということになる。
とはいえ、BYDのPHEV導入は一大事だ。ベストカーWebでも過去に紹介している通り、同社のPHEVは熱効率や航続距離、さらには価格で、とんでもないレベルに達しているからだ。
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■中国での価格はダイハツ・ロッキーなみ!
BYDには数多くのPHEVモデルがあるが、最近の話題でいえば、北京ショーで登場した「秦L」だろう。名前からも分かる通り、このクルマはもともとあった秦PLUSというモデルのロングホイールベース版なのだが、第5世代という最先端のPHEVを積み、驚異的な性能を実現している。
たとえば、モーターと強調するエンジンの熱効率は46%。トヨタがカムリなどに積む2.5Lダイナミックフォースエンジンが41%というから、そのすさまじさが分かるだろう。
秦LはこのエンジンをPHEV化して65Lの燃料タンクを搭載、なんと満タン当たり2100kmという理論航続距離を実現しているのだ。
そしてトドメが価格だ。この秦Lはベースモデルがたったの220万円。日本でいえばヤリスクロスより安く、ダイハツ・ロッキーのハイブリッドモデルと競合する価格だ。ちなみに秦Lは全長4.8m級のミディアムサルーンである。
さすがに秦Lが日本導入されても、この価格はありえないとは思うが、現状のBEVの値付けからすると、300万円台のモデルが設定される可能性は高い。リッター30kmも走るPHEVが300万円台となると、日本車メーカーもうかうかしてはいられないはずだ。
今のところ、日本へのPHEV導入について、肝心のBYDジャパンから明確なアナウンスはないが、実現すればBYDは日本市場の台風の目になるかもしれない。続報に期待しよう!
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