今となってはボンネットにエアダクトがあるのはスバル車程度だが、振り返ってみればパジェロやデリカスペースギアのディーゼル車など穴あきボンネットのクルマは相当数存在した。エアダクトがあると「なんか早そう」ってなイメージもあるが、そうでもない車種も採用していたのだ。そもそも何でかつてのディーゼル車は穴あきボンネットだったのか!?!?!?
文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部
■今やスバル程度に…なんで穴あきボンネットが昔は多かった!?!?!?!?
ボンネットに備わるエアダクトは、見た目的にもインパクトがあり、クルマに詳しくない人でも「なんかすごいエンジン積んでそう」という迫力を与えてくれる。
近年では一部のスバル車以外に見ることも少なくなってきたボンネットのエアダクトだが、過去にはパジェロのようなSUVやファミリアセダンに設定されていたディーゼルターボモデルなど、ディーゼル車にもエアダクト付きのボンネットを備えたモデルが存在していた。
そんなボンネットのエアダクトだが、そもそもなぜそんなものが備わっているのだろうか?
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■いかにも早そうな感じだけど…そもそも役割なに!?
ボンネットに備わる穴には大きく分けて2つの機能があり、ひとつは空気を取り入れるためのもので、もうひとつは空気を抜くためのものだ。
空気を抜くためのものは、エンジンルーム内の熱気を抜くためや、バンパー開口部から入った空気を上手くボンネットから抜くことで空力特性を高めるなどさまざまな理由があるが、ディーゼル車などに備わっていたものは、空気を取り入れるために備わっていたものがほとんど。
■インタークーラーを冷やすのが最大の役割!? 技術革新で年々減少へ
では空気を取り入れてなにをするのかというと、ターボ車に備わることが多いインタークーラーを冷やすために使われているのだ。
ターボに代表される過給機付きのエンジンでは、過給機の圧縮によって吸入空気の温度が上がってしまい効率が低下してしまうのだが、これを防ぐためにインタークーラーにエアを当ててそこを通る空気を冷却させ、効率の低下を防いでいる。
このインタークーラー、チューニングカーなどではフロントに大型のものを装着しているケースも見られるが、一般的に吸気系の距離が長くなるとレスポンスが低下する傾向があるため、短い距離で設置できるエンジンの上にインタークーラーを設置し、ボンネットダクトを用いて冷却するという方法が採られているというワケなのだ。
ただ近年は吸気系の距離を短くし、レイアウトの自由度も高い水冷インタークーラーが増えてきていることもあり、仰々しいボンネットダクトを備えるモデルは減りつつある傾向にある。
一方スバル車では、そもそも低重心の水平対向エンジンを採用していることもあってエンジン上にインタークーラーを搭載するスペースがあるため、現在も上置きのインタークーラーを使用し続けているようだ。
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