マイチェンで顔が激変したノート オーラ。正直、変更前がより高級感もあったし何よりカッコよかった気も……。日産のドル箱モデルだけに、このテコ入れは本当に正しいのか!? どうなるオーラ!!!!!
文:立花義人、エムスリープロダクション/写真:NISSAN
■ノートの販売の半数近くがオーラ
冒頭でも触れたように、オーラは販売が好調だ。2023年の普通自動車の販売台数ランキングでは、ノート全体で4位につけるという好順位。台数的には合計で10万2508台、このうちノートが5万7736台で、オーラは4万4772台と、ノート全体の4割以上を占める。もっとも安いグレードでも税込278万円と、コンパクトカーにしては高額であるにもかかわらず、これだけ売れているのは、オーラのコンセプトが受け入れられている証だろう。
かつては「高級コンパクトカーは難しい(売れない)」といわれたが、オーラはそれを打破してくれた。第2世代e-POWERのパワフルかつ滑らかな走りや、e-POWER 4WDによる優れた運動性能を実現したことで、総合的な質感が大幅に高まった。この新しいパワーユニットが高級コンパクトカーというカテゴリーを理想から現実的に変えてくれたのだ。
オーラの中古車をもっと見る ≫■マイチェン前よりもクセの強い顔に!!
今回のマイナーチェンジでは、エクステリアデザインの一新やインテリアの内装色などを追加したほか、ボディカラーに新色を追加。また、運転席のパワーシートが全車標準装備になるなど、細かな箇所にも改良が施された。
なかでも大きく変わったのはフロントデザインだ。従来のVモーショングリルではパネルで構成されていたパートを、グリルと一体化したデザインに変更しワイド感を強調した、新時代の「デジタルVモーショングリル」を採用。先行してマイナーチェンジしたノートが横方向のグリルであるのに対し、オーラは日本の伝道工芸である「組子」をイメージさせるデザインとなり、これに伴ってVモーションは縦型のアクセントに。マイチェン前よりもクセの強い顔になっているように思う。
17インチホイールも新デザインとなった。幾何学的な模様が卍型に組み合わせられ、切削加工と塗装の組み合わせで、見る角度によって光と影が織りなす移ろいが美しく変化するという、斬新かつモダンなデザインだ。
インテリアには、グレイッシュブラウンの色合いが特徴の内装色「ワイマラナー」を新たに追加。オーラ(AURA)のアルファベット「A」をモチーフにしたモノグラム柄のジャガード織物と合皮のコンビネーション、ブルーグリーンのステッチで高級感のある風合いを演出。さりげない高級感と大人のこだわりを感じさせる空間となっている。
■一歩先のデザインによって魅力増!! さらに売れるモデルになるのでは!??
このオーラの新デザインのように、グリルとボディの一体感を狙ったデザイン手法は、レクサスの「スピンドルボディ」や、プジョーE-3008の「エレクトリックな遺伝子」を表現したグリルなど、近年よくみられる手法。電動化が進むにつれ、機能としてのグリルが、ワイド感を強調するためのデザインとして使われるようになってきたのだ。
コンサバティブなデザインだと、数年も経てば古さを隠せない印象になってしまうかもしれないが、今回のように一歩先のデザインが取り入れられたことは、先進性も魅力のひとつであるオーラのキャラクタにマッチしており、そういう意味では今回のデザイン変更は大いにアリだと思う。
もちろんデザインは、好みで評価が分かれるところだろうが、やや落ち着いた高級感を求めるならオーテックバージョンという選択肢もあるし、2024年7月にはNISMOも登場する予定なので、スポーティさを求める人にも応えられるはず。今回のマイチェンによって、オーラはさらに「売れるモデル」となるのではないだろうか。
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新感覚で気持ちのいい走りを提供してくれるノート/オーラは、運転に不慣れな若い人だけでなく、「もう大きいクルマには乗りたくない」と考える熟年ドライバーにも受け入れられているコンパクトカーだ。今後はそういう価値観を持つクルマがもっと増えてくるに違いない。魅力がさらに増した新型オーラの今後の活躍に期待したい!!
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