マツダが2024年9月をもってマツダ2のディーゼルモデルの生産終了を発表した。コンパクトカーにディーゼルエンジンを搭載した車種は国産では珍しく、唯一無二の存在を失ってしまうことになりそうだ。たしかに売れてなかったから仕方ないけど……寂しいよぉぉ!!
文:ベストカーWeb編集長 塩川雅人/写真:マツダ、編集部
■小さいながらもその完成度は欧州車以上?
マツダ2といえば元々デミオという名前で登場したモデルなのはご存じの人も多いが、実は現行型ですでに4代目となる。初代が1996年に登場しており、「いやいやそんなに前だったっけ」と思うおじさん世代は多いのではないだろうか。
初代のややハイトワゴン的な「道具感」あふれる志向からは変わり、走行性能や質感に重きを置いた現行型。2014年の発売開始、そして2019年に海外と共通の車名「マツダ2」に変更後も国内販売を続けてきた。
そんなマツダ2の最大ともいえる武器はディーゼルエンジン。直4の1.5Lディーゼルターボが絞り出す105ps/250Nmという圧倒的トルクは強烈だった。
1200kg程度の軽い車体をグイグイと引っ張ってくれるのだが、これがまた決して気持ちいい「胸をすくような」加速感ではない。ただ低速からドッシリと地面を掴んでいくような加速感は欧州車のようだったし、ペダルレイアウトなども相まって日常生活が1段も2段もランクアップするようなクルマだった。
そんなマツダ2のディーゼルモデルが国内向けは2024年9月に生産終了になるという。
■排ガス新規制への対応をマツダ2は見送る
マツダ2の販売比率はディーゼル車が占める割合は低く、ガソリン車が圧倒的。もちろん売れる、売れないで言えばビジネス的には厳しいところがあるのも事実。
また厄介なのがリアルドライビングエミッション(RDE)という、路上走行を含むディーゼル車の排ガス試験の強化。これまで試験室内のローラ台上で実施していた試験を、実際に路上を走行して計測するのだ。
さらにこれまでは台上試験の2倍までの値が許容されていたRDEだが、今後は台上試験値の1.1倍までとかなり厳格化される。マツダはマツダ2の1.5Lディーゼルターボはその試験方法に適応させない方向だという。こればかりはコストを考えればやむなし、といったところだ。
小さいボディに強力なディーゼルターボという現行車は希少だっただけに、どうにもこうにも悔しい思いもする。マツダ2は今後はハイブリッドモデルなどの電動化も含めて進化をしていくはずで、もしかするとディーゼル搭載はないかもしれない。
現行モデルについては受注ではなく「生産」が2024年9月中旬で終了となる。好みのカラーなどある方は早めにディーラーへ急ごう!!
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