2023年12月に登場したスズキの新型「スイフト」が売れている。2024年1月~5月までの新型スイフトの登録台数は、全国で16,000台ほど。月3,200台のペースで登録されている。これは、年間登録車台数目標3万台(月2,500台)を超えるペースだ。実際、街中で新型スイフトを見かけることが多くなったように思う。
コンパクトなボディと優れたシャシー性能をもち、新開発の3気筒エンジン+CVTの仕上がりもよく、それでいて税込172万円からという令和のクルマとは思えないほどの価格の安さが魅力の新型スイフト。地味だけどいいクルマ「スイフト」をほめちぎろう。
文:吉川賢一/写真:SUZUKI、BMW MINI
コスパのよさがレベチ
日本トレンドリサーチ(運営会社:株式会社NEXER)がグーネット中古車と共同で実施したアンケート調査によると(2023年、全国の男女1147名対象)、クルマを選ぶ際にもっとも気にするポイントは、1位が「価格(34.1%)」、2位が「安全性(19.6%)」、3位が「運転のしやすさ(17.8%)」だった。
この結果のとおり、購入するうえではやはり価格はもっとも重要。ただ、単純に安ければいいというものでもなく、コストパフォーマンスに優れるかどうかというのは、消費行動において重要視されるものだ。SNSで新型スイフトを購入した人のコメントをリサーチすると、「この価格でこれだけの安全装備と運転支援は立派」というものや、「スタイルと燃費のよさが抜群で、しかも低価格」、「(前のクルマよりも)軽快で低燃費、コスパがよい」など、コスパのよさを魅力として挙げている人が非常に多い。
トヨタ「ヤリス」(税込150万円~ガソリン2WD X)やマツダ「MAZDA 2」(154万円~ガソリン2WD 15C)、トヨタ「ルーミー」(156万円~2WD X)、スズキ「ソリオ」(164万円~、2WD G)なども、コスパがいいコンパクトカーとしてしばしば挙げられるが、新型スイフトは、これらライバルたちよりも一歩も二歩も抜きんでている(詳細については後述)。やはりお値段以上の価値を感じることができるのは、新型スイフトのもっとも大きな魅力だろう。
スイフトの中古車をもっと見る ≫あの人気輸入車にそっくり!? 過去イチ秀逸なデザイン
ただ、コスパのよさは先代スイフトもそうだった。今作のスイフトで筆者が驚かされたのはデザインだ。先代よりも端正な顔立ちとなったフロントデザインやボディカラー、時間が経っても古く感じさせないタイムレスなデザインが非常に魅力的で、ヘッドライトやグリルの雰囲気は、日本でもっとも人気のある輸入車「MINI」の新型「MINI COUNTRYMAN」にも似ている。
インテリアも秀逸だ。本革やスエードなどの高級素材を使っているわけではなく、一般の樹脂素材ではあるのだが、色使いや模様、メーターデザイン、スイッチなどの見せ方が素晴らしく、見た目のクオリティが高い。部分的には日産の「ノートオーラ」に匹敵するようにも感じられる(筆者はノートオーラを所有している)。SNSでも、新型スイフトの内装を褒めるコメントは多い。
運転がとにかく気楽、安全装備も抜かりない
また、燃費性能も素晴らしく、新開発の高効率3気筒エンジン(Z12E)と新型CVTによる燃費は、CVT車で24.5km/L、5速MT車では最高値の25.4km/Lと、他社のストロングハイブリッド車も真っ青のレベルだ。他社製ストロングハイブリッド車になると余裕で200万円を超えるため、172万円から購入できる新型スイフトの燃費に対するコスパは抜群に高い。
全長3845mm程度のコンパクトなボディサイズのおかげで、何処へ出かけるのも億劫に感じることはなく、クルマ本体が軽量であることで、ドライバーが操作したとおりにキビキビと曲がり、爽快な加速が味わうことができる。クルマの醍醐味でもある運転の楽しさを味わうことができるのも、新型スイフトのいいところだ。
今作では、安全装備に関しても、衝突被害軽減ブレーキやブラインドスポットモニター、アダプティブクルーズコントロール、車線維持支援機能、ドライバーモニタリングシステムなど、必要十分以上のアイテムが備わっている。メーカーオプションで、全方位モニター用カメラも用意されており、運転が苦手な人にもお薦めできる内容だ。
このクラスでは最高の選択肢!!
5ナンバーサイズのコンパクトカーでも総額200万円オーバーが当たり前の令和の時代において、このレベルのクルマが200万円をきる価格で購入できるというのだから驚くしかない。
「価格の安さ」「運転のしやすさ」「安全装備の充実」といった重要な要素を備えた新型スイフトは、まさに現代コンパクトカーのお手本のようなクルマだ。このクラスでは最高の選択肢であり、コンパクトカーを求める全ての人にお薦めしたいクルマだ。
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