前代未聞の事件が起きた。発売ホヤホヤの新車の名前がわずか5日で変更されたのだ。渦中にいるのはステランティス。発表したばかりのコンパクトSUV「アルファロメオ ミラノ」を「アルファロメオ ジュニア」という車名に変更したんだが、なんと理由は政府の横ヤリだと!

■過去にはパルサーミラノX1というクルマもあったが……

アルファロメオ ミラノ改めジュニア

 4月15日、ステランティスから面白いリリースが出た。「アルファ ロメオ:「ミラノ」のモデル名はNG? 「アルファ ロメオ ジュニア」に変更」というもので、発売したばかりの新車の名前を変更するというのだ。

 ミラノは4月10日にワールドプレミアされたから、車名変更はわずか5日で行われたことになる。意外なのはリリース中に「(イタリア政府には)新しいクルマの名前よりも重要な課題があると考えていた」という記載があることなのだが、なんでイタリア政府が出てくるのだろう。

 実は、ミラノという車名については、昨年からおかしな話があった。イタリア政府の企業大臣が「ミラノはポーランドで作られる。ミラノを名乗ったら消費者がミラノで作られたものと勘違いしないか」と異議を申し立てていたのだ。

 その不満が延々とくすぶり続け、どうやらミラノ発表の当日になって正式なクレームとなってステランティスに届いたらしい。同社は相互理解を促進する精神から車名変更を決定し、ミラノがジュニアへ変更されたという流れだ。

この車名プレートも作り直しか……(泣)

 それにしても、一国の政府が自動車の名前に文句を付けるという事態は、歴史に残る珍事といっていい。思い起こせば、過去には2代目日産パルサーに「ミラノX1(日産とアルファの提携を記念したモデル)」というグレードがあったけど、ミラノ製じゃないという指摘は受けなかったはずだ。

 詳しい理由は不明だが、ミラノはいまや世界屈指のファッション都市であり、街そのものがデリケートなブランド戦略を展開しているのかもしれない。「松阪牛」や「今治タオル」に近いといったら間違えか?

 話をジュニアに戻すと、これはこれで名車ジュリアに由来するアルファロメオ伝統のネーミング。全長4.17mというコンパクトSUV(ハイブリッドとBEVがラインナップされる)だから、意外とピッタリする名前かもしれない。それよりもステランティスさん、早く日本にも入れてちょうだい!

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