スズキは7月17日、10年先を見据えた技術戦略を発表した。スズキは製造からリサイクルまで「エネルギーを極少化させる技術」を実現し、世界中の人々に移動する喜びを提供しつつ、カーボンニュートラルな世界をめざすという。
キーワードは「小・少・軽・短・美」だ。エネルギー極小化に向けた技術戦略2024の概要は以下の通り。
●軽くて安全な車体
スズキが得意な小さくて軽い車は、走行時のCO2排出量が少なく、製造に必要な資源や製造で排出するCO2も少ない。安全・軽量な「HEARTECT(ハーテクト)」を進化させ、軽量化技術によるエネルギーの極少化に取り組む。
●バッテリーリーンなBEV/HEV
電動化車両については、国や地域ごとの再生可能エネルギー化の状況、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率が良い選択となる「適所適材な電動車」をユーザーに届ける。小さく効率が良い電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、消費エネルギーを極少化した電動車を開発する。
●効率良いICE、CNF技術
スズキは2023年に、内燃機関:ICEの根幹となる燃焼を追求した高効率エンジン(Z12E型エンジン)を開発し、最大熱効率40%を達成した。今後はこの高効率エンジン技術を全展開するいっぽうで、カーボンニュートラル燃料:CNF対応や、次世代ハイブリッドによるエネルギー極少化に努める。
●SDVライト
スズキはSDV(ソフトウェアで定義される車両)についても、「小・少・軽・短・美」によるエネルギー極少化を具現化したアフォータブルな仕組みで車の価値を創造する、「SDVライト」を開発する。ソフトウェアの更新は有線と無線(OTA)をミックスし、使いやすくする。また、ハードウェアは車種間で共有して部品コストを抑え、ソフトウェアも再利用して開発費を抑えるなど、「これでいい、これがいい」とユーザーに感じてもらえるSDVにする。
●リサイクルしやすい易分解設計
これまでの自動車産業は、原材料採掘から製造・利用・廃棄の流れが一方向の「リニアエコノミー(直線型経済)」で、エネルギーの大量消費、資源の枯渇、環境破壊を引き起こしてきた。スズキ、リサイクルや再利用を前提にした、分解しやすい製品設計によって資源の総使用量を抑制し、エネルギー極少化による「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」の実現に努力する。
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