アウディの主力モデルであるA4が9年ぶりにフルチェンジした。ライバルのメルセデスCクラスやBMW3シリーズに比べて古めかしさを指摘されていただけに、その進化は衝撃的といえる。どんな中身になったのだろう?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Audi

■A4改めA5へ。セダンはスポーツバックに移行!

左が新型A5アバント、右がセダン(5ドアハッチバック)

 まずは車名から。アウディは2023年夏、新たな命名規則として「電動化モデルは偶数、内燃機関モデルは奇数」というルールを発表したため、新型A4はA5へと名前が変わった。

 同時に車型が整理された。従来のノッチバックセダンは廃止され、これまでA5スポーツバックとして売られてきた5ドアハッチバックが新たなセダンを名乗る。これにアバント(ステーションワゴン)を加えた2車型が、新型A5を担うこととなる。

 まずはエクステリアだが、フロントマスクが「薄く」なり精悍さが増した。ボディ側面はフェンダーの張り出し感が増し、肉感的になったが、一方でアウディの特徴ともいえたペッキペキのプレスラインは姿を消している。

 圧巻はライトだろう。従来からアウディはライトのハイテク化にこだわってきたが、新型A5はLEDのセグメント数が飛躍的に増え、複雑な表現が可能となった。テールライトは左右が繋がり、これまでのアウディの電動モデルのようなたたずまいだ。

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■新世代ハイブリッドによって電動走行も可能に!

新しい2L直噴ガソリンターボエンジン

 インテリアは先代A4がもっともハンディだった部分。Cクラスや3シリーズに比べると基本設計が古く、未来感に欠けていた(その分物理スイッチは使いやすかった)。

 新型A5ではこの印象を払拭、湾曲するメーターパネルがセンターのタッチパネルと一体化されたうえ(11.9インチ+14.5インチ)、助手席前には独立したタッチパネルが設けられた。とはいえ過度な未来感は演出されていない点はホッとする。ヘッドアップディスプレイも用意されるようだ。

 ステアリングスポーツ上の操作系もタッチ式と見受けられるが、同門のゴルフでは物理ボタンに戻した過去もあるだけに、操作感は気になるところ。

 エンジンラインナップだが、ガソリンは2L直噴ターボがベース。エントリーモデルのFFは110kW(150ps)で、上位モデルのFF、およびクワトロ(4WD)は150kW(204ps)を発揮する。

 TDI(直噴ディーゼル)も健在だ。新型A5はこのエンジンに「MHEVプラス」という新世代ハイブリッドを搭載し、燃費やCO2削減量が向上させている。出力は150kW(204ps)だが、パワートレインジェネレーターと呼ぶモーターが、18kW(24ps)のパワーアシストを行い、減速時には25kWの回生を可能とするという。

■日本ではぜひ現行A4並みの価格を!

新型A5アバント

 ハイパフォーマンスモデルのS5はどうか。こちらは3LのV6ツインターボエンジンを搭載し、270kW(367ps)を発揮する。トルクベクタリングを備えたクワトロスポーツディファレンシャルも標準搭載し、走りのレベルも高まっている。

 S5にもMHEVプラステクノロジーが組み合わされており、短距離のEV走行も可能になっているという。

 見た目も中身も完全に新しくなった新型A5。発表と同時に本国ドイツでは予約が始まったが、日本導入時期は現時点では未定だ。とはいえ現行A4の時は意外と早く、およそ4カ月で日本デビューとなったから今回も期待したい。

 気になるのは値段だが、円安もあって値上げは免れない。ベースモデルの110kWガソリンセダンが本国で4万5200ユーロ(約777万円)とのことだが、既存ユーザーを繋ぎとめるためにも、ぜひとも現行並みの価格を期待したい。

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