クロスオーバーから始まり、スポーツ、そしてセダンが登場したトヨタの新生「クラウン」シリーズ。4バリエーションのうち、残すところはクラウンエステートのみとなりました。

 どれも魅力的なモデルではありますが、はたして、このクラウン3兄弟のうち、どれが一番人気なのか!?? トヨタディーラーに詳しい事情通に、クラウンシリーズの販売状況を聞いてみました。

文:吉川賢一/写真:TOYOTA

一番人気はスポーツ、ただセダンもじりじりと人気に

 新生クラウンシリーズの第一弾となった「クラウンクロスオーバー」は、2022年9月に登場しました。コロナ禍の真っ只中で、スタートダッシュが決められない苦しいタイミングでしたが、2022年の登録台数は約9,000台、2023年は約38,700台と、まずまずの売れ行きとなっています。

 クラウンクロスオーバーのデビューからちょうど1年後の2023年10月には、「クラウンスポーツ」と「クラウンセダン」が発売に。このタイミングも、半導体などの材料不足の影響が響き、生産台数が調整されるなどいいタイミングではありませんでしたが、2024年にはいってからは生産体制も徐々に安定し、いまでは3車種合計の登録台数は月販4,000台を超えるなど、好調が続いています。

 3兄弟が出そろった、2023年10月以降の登録台数を細かく見ていくと、クラウンスポーツが登場した翌月の11月以降、クラウンクロスオーバーに並ぶ勢いで登録車が増えています。2024年2月にはクラウンスポーツにPHEVが追加されたことで、さらに人気が加速。クラウンシリーズにおいて、クラウンスポーツが最多登録モデルとなりました。

 クラウンセダンは、当初は、クロスオーバーやスポーツの5分の1程度の登録台数でしたが、安定して登録台数が増えており、5月度の登録台数では、クラウンクロスオーバー830台に対し、クラウンセダン740台(そのうち40台がFCEV)と肉薄してきており、クラウンセダンがクラウンクロスオーバーを抜く日も近いと考えられます。やはりセダンを待ち望んでいた顧客が一定数いるということでしょうね。トヨタの上級セダンとして、クラウンセダンは売れ行きが伸びそうな予感がしています。

新型クラウンの国内登録台数の推移。4月以降、クラウンスポーツの登録台数がクラウンクロスオーバーを抜いた。クラウンセダンも徐々に登録台数が増えている
2022年9月に登場した、新生クラウンシリーズの第一弾のクラウンクロスオーバー。トヨタのラインアップの中では、SUVの枠に属している
最人気車はクラウンスポーツ!! 4台に1台がPHEVとのことだ
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さすがはクラウン、上級グレードも人気!!

 クラウンの販売状況に詳しい事情通も、現在圧倒的に人気なのはやはりクラウンスポーツだとしており、クラウンセダンも、お客様からの問い合わせが多いとのこと。

 クラウンスポーツのなかでも、目立つのは最上級グレードとなるPHEVの「SPORT RS」(税込765万円)の人気だそう。「SPORT Z」(税込590万円)との2グレード体制のクラウンスポーツですが、4台に1台はSPORT RSだそうで、175万円という価格差があっても、最高額グレードを求める顧客は割と多くいるようです。クラウンセダンのFCEVも、ひと月の登録台数は50台程度ではありますが、月販1桁が並ぶMIRAIよりは多くなっているようです。

先代クラウンよりもサイズが大型化した、新型クラウンセダン。全長は5030mm(先代比+120mm)、全幅は1890mm(+90mm)へと、大幅にサイズアップした
ワゴンのようなスタイリングと、広大な荷室が特徴的な新型クラウンエステート

ラスボス「エステート」にも期待!!

 残るクラウンエステートの発売時期は2024年央以降とのこと(2024年7月初旬時点)。トヨタとしては、認証不正による余波を考慮し、販売開始時期をうかがっているようです。ワゴンのようなスタイリングと、広大な荷室が特徴的な新型クラウンエステートは、新生クラウンシリーズの中で、もっとも使い勝手に優れた一台だと考えられ、ステーションワゴン好きの筆者としては、当初より「エステート」にもっとも期待をしておりました。はたして、新生クラウンシリーズがでそろうのはいつになるのか!?? 新型クラウンエステートの発売が待ち遠しいです。

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