7月18日、気象庁は関東甲信、東海地方の梅雨明けを発表。今後は35度以上の酷暑日が続き、人間だけなく、クルマにとっても灼熱地獄でくたばってしまう。本格的な夏を前に、イオンデポジット、ウォータースポットがたんまりついたまま酷暑のさなかに放置しておくとヤバいので、なるべく早くケアするべし!

文&写真:ベストカーWeb編集部

■屋根なし駐車場に停めているクルマは要注意!

水玉がポロポロ気持ちよく落ちる撥水タイプの簡易ボディコーティングを施工してから3カ月が過ぎてイオンデポジット出まくりのボンネット

 7月18日、関東甲信、東海地方の梅雨明けが発表された。これから35度以上の酷暑日が多く発生する夏がやってくる。となると、屋根なし駐車場に停めているクルマは、太陽の直射日光にさらされ、車内の温度は70度以上になり、ボディの塗装面も痛めつけられていく。

 今年の梅雨は雨が降り続くという、梅雨らしさはあまり感じられなかったが、それでもクルマのボディ表面には、塵や埃、微粒子、ミネラル成分などさまざまな雨汚れが付着している。

 この1~2カ月、洗車してないというアナタ。そうであれば、通常のカーシャンプーを使って洗車しただけでは汚れが落ちにくくなっているのでは……と推測される。

 雨が降って、塗装面に付いた水滴が乾燥して塗装面に白く残った水垢はイオンデポジットと呼ばれ、そのような状態になっても放置しておくと、塗装面まで浸食していくウォータースポットになる。

 水滴を拭き取らず、そのままにしたまま、酷暑日にさらされるとどうなるのか? イオンデポジットでクルマに残った水滴が、虫眼鏡のように、太陽光が集まって塗装面を焼き付けて陥没する現象がウォータースポットである。

 この梅雨明けの時期こそ、こうしたイオンデポジットやウォータースポットを早く取り除きたいもの。このまま35度以上の酷暑日に晒しておくとますます塗装面が痛んでしまうからだ。

 「1年前に業者にボディコーティングをしたから大丈夫」なんて思っている方も多いかもしれない。それは大間違い、コーティング後1カ月はコーティング剤が固まるまで洗車はしなくてもいいが、それ以降は最低でも1カ月に1回は洗車が必要。

 厳密にいうと屋外駐車場では、濃色車の場合は週1回、淡色車なら月2回程度が理想。これが嫌なら屋内駐車場に停めるか、雨の日に乗ったら水洗いして水滴を毎回拭き取るべし。

 ボディコーティング済みのクルマの洗車について。水洗い洗車がいいと言われているが、むしろシャンプー洗車をおススメ。というのは中性洗剤の泡がクッションとなって花粉や黄砂、砂利、鉄粉などの汚れが塗装面に付着しづらくなるからだ。

「新車購入時に、営業マンに勧められて、十数万円払ったのに半年たったら白いシミが目立ってしまって損した」という話もタマに聞くが、基本、業者に頼んだボディコーティングでも月に1回は水洗い洗車をしてイオンデポジットがつかないようにケアすることが必要。高いコーティングしたからといって汚れが付かないわけではないのだ。

■簡易ボディコーティングを使う人は親水タイプが汚れが付きにくい!

リンレイのウルトラハードクリーナーを愛用しているがよく落ちる

 写真のようにウォータースポットやイオンデポジットが付いてしまったら、シャンプー洗車だけじゃ取れない。研磨剤(コンパウンド)が入っていない水垢クリーナーやスプレータイプのクリーナーを使うといい。鉄粉やピッチ・タールなどが付着し、ボディがザラザラしている場合にはトラップ粘土でやると取れる。塗装面がいいほど、コーティング剤の付きも、持ちもよくなるので、しっかりやっておきたい。

撥水タイプのガラス系コーティング剤は水弾き効果は抜群だが、雨が降ると白いイオンデポジットが出てくる

 さて、業者にボディコーティングを頼んでいない人の場合、これからどうするかである。ボディコーティング剤には数百種類あり、自分でやる場合でも、ポリッシャー含め、お金をかけたぶんだけいいものができるのは当たり前の話。

 どうせ月1の洗車をしなきゃいけないんだったら、8万円以上支払う業者のボディコーティングはしたくないという人も多いんじゃなかろうか。暑いこの時期だから、なるべく疲れない、汗かきたくない、しかも安く済ませたいなら、簡易コーティング剤がおススメだ。

 コーティング剤は、大まかに分けると硬化しないタイプのスプレータイプの簡易コーティング剤(ガラス系)と、A液、B液に分かれて硬化するガラスコーティング剤がある。もちろん、これ以外にも数えきれないほどの成分、商品が存在している。

撥水タイプのシュアラスター「ゼロドロップ」。さすがに撥水タイプだけあって気持ちよく水滴になって落ちていく

 そのなかで、おススメの簡易ボディコーティング剤は、3つある。水滴がコロコロと転がり、「おお~、はじいている」と感じるのが撥水タイプ。

 逆に親水タイプは撥水タイプとは真逆で、コロコロと水滴が落ちていかず、まとまって落ちていく。その中間が疎水タイプ。光沢もよく、親水タイプよりも洗車時の汚れ落ちがよく、雨が降ると汚れが流れ落ちやすくなるという特徴を持っている。

 また、専門用語では、水滴と塗装面の接触角度というもので区別され、撥水タイプが100度以上、疎水タイプが40~90度、親水タイプが40度以下とされている。

親水タイプのガラス系コーティング剤。コロコロと水を弾く撥水タイプと違い、水玉ができす、水が写真のようにまとまって流れ落ちる

 要は水滴の形が真ん丸に近いのが撥水タイプ、やや半月に近い形状が疎水タイプ、親水タイプは半円をさらに上からつぶしたイメージでかろうじて円の形が残っているイメージ。つまり円に近いほど、塗装面を転がっていくといえばわかりやすいだろう。

 いっぽう、撥水タイプと親水タイプの中間にあたる疎水タイプも、施工後の水はじきでは、まとまって水が流れていくので、撥水タイプのような気持ちよさはないものの、汚れはつきにくい。

撥水タイプと親水タイプの中間、疎水タイプのCCウォータープロテクト

 雨が降っても水滴が塗装面に残りにくい=イオンデポジット、ウォータースポットが付きにくいので塗装面を痛めにくいという利点が親水タイプ、疎水タイプにあるのだ。

 コインパーキング洗車場でも、ガソリンスタンドの洗車機でも同じだが、水滴を塗装面にいかに残さないかが、真夏における重要ポイントとなってくるので、面倒くさがらずに拭き上げは必ずやってほしい。

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