気象庁が発表した、2024 年6月から8月までの3か月予報によると、今年も高温傾向が続き、昨年と同様、暑さの厳しい夏となるという。
猛烈な暑さとなる夏は、人にとっても過酷だが、クルマにとっても過酷な季節。この過酷な時期に必要なメンテナンスをしておくことは、安全のためや燃費のためのほか、クルマをいい状態でキープし、長く乗り続けるためにも必要なこと。クルマの寿命を延ばせるかもしれないメンテナンスと、お薦めしたいカーケアグッズを5つご紹介しよう。
文:吉川賢一/写真:Adobe Stock_KMPZZZ/写真:Adobe Stock、写真AC、エムスリープロダクション
エアコンを酷使する夏はバッテリーのトラブルが多くなる
夏はエアコンを酷使するため、バッテリーのトラブルが多くなる。バッテリーの寿命は通常2~3年とされるが、クルマの使用は近所の買い物だけ、週末にしか使わないとなると、これよりも寿命が短くなる傾向にある。ハイブリッド車など、普段あまりエンジンがかからない場合は余計に厳しい。2~3年という交換時期は、あくまで目安だと考えるほうが適切だ。
バッテリーの劣化のサインは、エンジン始動時のセルモーターの回り方が弱い、もしくは遅くなった、ヘッドライトやランプなどがエンジン回転数によって明るさが違う、パワーウィンドウの動きが遅い、アイドリングストップに入りにくくなった、など。少しでも「いつもと違うな」と感じたら、バッテリーの劣化を疑ってほしい。いきなりバッテリー交換をしなくても、充電によってリカバリできる場合もある。
猛烈な暑さは、タイヤやワイパーなどのゴム製品の劣化を加速させる
夏の酷暑はまた、タイヤやワイパーなどのゴム製品の劣化を加速させる。タイヤの場合は、路面からの熱に加えて、走行時の摩擦熱によってタイヤの劣化が加速してしまうのだ。タイヤもワイパーも、安全に走行するためには欠かせない装備。夏は台風やゲリラ豪雨が多い季節だが、猛暑でワイパーゴムやタイヤが劣化していることに気づかずに大雨に遭遇してしまったら、良好な視界を確保することが難しくなるほか、スリップ事故のリスクも高まるなど、一瞬にして危険にさらされてしまう。タイヤのゴムがひび割れたりしていないか、ワイパーゴムも切れたりひび割れたりしていないかは、日常的に点検をしておこう。
タイヤに関しては、季節を問わず、空気圧のチェックも欠かさないようにしたいところ。ガソリンスタンドで空気充填機を借りることができるはずなので、燃料補充のタイミングで、メーカーが指定する推奨空気圧になっているか、2ヵ月に一度程度は確認するようにしてほしい。同時にタイヤのトレッド面やサイドに傷や亀裂、摩耗が進んでいないかなども確認しておけば完璧だ。劣化してしまったタイヤは、ケチらず早めに交換するほうが絶対にいい。ワイパーゴムも、交換用ワイパーはネットで安く入手できるので、劣化を感じる前にさっと交換してしまおう。
クルマ用の虫除去クリーナーや、小さく畳めるサンシェードは必須!!
では、夏にお薦めしたいカーケア用品をご紹介しよう。まずご紹介したいのが、虫専用の除去スプレーやクリーナーシートだ。高速道路や山の中を走行していると、小さな虫がフロントバンパーやナンバープレート、フロントガラスに付着することがよくあると思う。ウォッシャー液を出し、ワイパーで拭ってしまう人も多いと思うが、それはクルマを痛める行為。できるかぎり虫の体液をきれいに除去するためにお薦めしたいのが、弱アルカリ性の車専用虫除去クリーナーだ。弱酸性成分の虫の破片を、簡単に除去することができる。クリーナーシートのタイプもあるので、常備しておくことをお薦めしたい。
また、夏の強い日差し対策として、傘タイプのサンシェードも便利だ。折り畳み傘のサイズに小さくなるので、ぱたぱたと折り畳むタイプに比べてかさばらず、助手席足元やドアポケットへ格納しておくことができる。断熱効果も高いので、ハンドルやダッシュボード、シートが熱々になりにくい。2,000円前後とリーズナブルな商品もあるので、ぜひ一度ご自身の愛車に合うタイプを探してみてほしい。
夏は突然の雨に遭遇することも少なくないが、日頃のメンテナンスでワイパーは万全であっても、フロントガラスに油膜が付着していて、ワイパーで拭ってもぎらついてしまったりと、良好な視界を確保できないことがある。そんな緊急事態に便利なのが即効性のガラスクリーナーだ。フロントガラスに直接スプレーしたあと、ワイパーを動かせばOK。ワイパーの動作は滑らかになり、ぎらつきもある程度は軽減してくれる。もちろん安全な場所にクルマを止めてから行ってほしい。また、効果は一時的なので、後日しっかりとフロントガラスのメンテナンスをすることもお忘れなく。
またにおいが気になりやすい夏には、しっかりと車内清掃ができるハンディクリーナーもあると便利。もちろん夏だけでなくオールシーズンで活躍してくれる。車内清掃でもうひとつ、アルカリ電解水クリーナーもお薦めしたい。夏に汗をかいた状態で乗り込んだクルマのシートやステアリングには、汗の成分や手垢がたっぷりとしみ込んでおり、そのまま放っておくと、臭いやべたつき、バクテリア発生の原因となってしまう。アルカリ電解水のクリーナーをさっと噴霧してタオルで拭き取り、皮脂をきれいにふき取っておこう。アルカリ電解水クリーナーは主成分が水なので、ダッシュボードの上やタッチパネルの液晶画面などにも使用可能だ。
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猛暑を乗り切るため、人間もクルマもいまから準備しておくことが大切だ。しっかり準備をして、今年の夏も快適なカーライフを楽しもう。
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