ネクセンタイヤ(NEXEN TIRE)は7月22日、韓国タイヤメーカーで初となるVRベースの「ハイダイナミックドライビングシミュレーター」を導入した、と発表した。

急速に変化するモビリティ業界に対応するため、最先端技術を活用したタイヤ研究開発(R&D)を進めている。同社はVR(バーチャルリアリティ)技術を用いて仮想タイヤの性能を評価し、AI(人工知能)を活用して性能を予測することで、R&Dの効率を向上させている。

ハイダイナミックドライビングシミュレーターは英国のサプライヤーのアンサブルモーションと提携して開発された。車両開発の時間短縮とコスト削減に寄与することが期待されている。

VRタイヤ開発では、数学的にシミュレートされた仮想タイヤを用いて製品を評価するため、初期の物理的なプロトタイプが不要となる。ドライビングシミュレーターは実車を使わずに現実の条件をシミュレートし、ドライバーが仮想タイヤの性能を評価できる環境を構築する。この最先端装置は、リアルタイムのシミュレーションを通じてタイヤ性能を正確に予測し、実際の製品設計と性能評価に反映させることができる。

このドライビングシミュレーターの導入により、OE(オリジナルエクイップメント)タイヤに必要な性能を事前に予測し、時間とコストを削減しながら市場競争力を高める計画。VR開発は原材料、車両、スペースレンタルにかかるコストを削減し、プロトタイプから完成品までのテスト期間と処理時間を短縮する。

2022年にはAI技術を統合した「AIパフォーマンス予測システム」を導入しており、機械学習を用いてタイヤの主要な性能指標をコンセプト段階で予測する。このシステムにより、タイヤ開発者は燃費、騒音、ハンドリング、グリップなどの重要な性能特性を迅速かつ正確に予測できる。

ネクセンタイヤ今後もAI技術の応用を拡大する予定であり、XAI(説明可能なAI)技術を活用したシステムの開発を進めているとしており、このシステムは、テスト値に対する回答を生成するだけでなく、結果とプロセスを説明し、最適な設計ソリューションを実現するという。

VRタイヤ開発プロセスとAI技術の成功した実装は、競争力を高めるだけでなく、同社のESG(環境・社会・ガバナンス)管理にも貢献。実車テストへの依存を減らすことで、化石燃料の消費を削減し、プロトタイプ生産に伴う炭素排出量を減少させる。

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