世情が不安定だと何かにすがりたくなるのは古今東西変わらないようだ。みんな大好きパワースポット巡りは、お守りや御朱印集めからスタートするのもいいだろう。パワーを必要とする皆様のために、路線バスで行くパワースポットをバスマガジンWEBのオリジナル連載で紹介する。

文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)
(詳細写真は記事末尾の画像ギャラリーからご覧いただくか、写真付き記事はバスマガジンWEBまたはベストカーWEBでご覧ください)

■自分のパワースポットを探す!

東京駅から都営バスで一本!

 雑誌やSNS界隈で有名だからと言ってそれが万人にパワースポットかどうかはわからない。自分のパワースポットは自分で探すしかない。果てしない旅のようだが、きっと「感じる」ものがあるはずだ。それが見つかれば同じ神様を主祭神とする最寄りの神社や、同じ仏様を本尊とする寺院を訪ねるのもいい方法といえる。

 大都市であれば鉄道駅や地下鉄駅から徒歩で行けるスポットも多いが、もし路線バスの停留所が近ければ徒歩が少ないという意味で紹介する。またどんな理由で取り上げたのかも記者の感想や体験として本文中で触れる。バスマガジンWEBオリジナル「【バスに乗ってパワースポットへ】あなたのパワースポットを見つけよう!」にご期待いただきたい。

 

■東京駅から乗り換えなしの便利さ!

東京駅丸の内北口でも呉服橋でも便利な方から乗れる!

 今回のパワースポットは江東区の2社を巡る。東京駅からバスで一本なので、新幹線を降りたら都営バスで乗り換えなしの便利さだ。在来線や丸の内線からの場合は都営バスの「東京駅丸の内北口」から、新幹線や八重洲口からは日本橋口方向に出て「呉服橋」バス停を利用する。

 いずれも「東22」系統に乗車するが、バス停が細かく刻まれているので東京駅のような大ターミナルでは出口により最寄りのバス停が複数あり荷物をもって歩く距離が減るのもバスの便利なところだ。

富岡一丁目が最寄りだが不動尊前でもOK!

 東22系統は東陽町駅前までは、ほぼ地下鉄東西線に並行して走る。道路としては永代通りを通るので車庫があるJRバス関東他の回送バスを多く見ることができる。車窓としては地下鉄では見ることができない永代橋はなかなかの景色だ。

■富岡八幡宮

富岡八幡宮の鳥居と社号標

 バスは富岡一丁目で下車する。ひとつ前の不動尊前でも大して変わらないので、深川不動尊(成田山東京別院)と両参りする場合は不動尊前で下車すると便利だ。

東京十社巡りの案内板

 富岡八幡宮は他の八幡宮と同様に主祭神は応仁天皇である。旧准勅祭社で東京十社巡りの一社を構成している。東京十社巡りは23区内にある10社を巡拝して記念ミニ絵馬を授かり、満願で別途頒布されている大絵馬に飾ることができる

富岡八幡宮の通常御朱印

 御朱印は富岡八幡宮の他に現在は工事中で一度外に出てから入りなおさないといけないが境内社の富士浅間社のものも授与してもらえるようになった。

7月から富士浅間社の御朱印も授与される

御朱印は拝殿右横の窓口で、お守りや神札は拝殿手前の授与所で受ける。深川不動尊から引き続き参拝する場合は、参道の途中から入ることができるので徒歩数分で到着する。

■同方向の都営バスにのる!

富岡一丁目では都07系統にも乗れるので便数は多い

 参拝を終えて、再び富岡一丁目バス停に戻り、同方向のバスに乗る。東京駅から乗車した東22系統でもよいが、一気に便数が増える都07系統でもよい。下車するのは木場駅前でこの区間は時刻表は不要なくらいにバスが走っている。

永代通りから赤い橋が見えたらGO!

 木場駅前で下車して永代通りを渡り、車が通れないくらいに狭い歩道のような道の先に赤い歩行者用の橋が見えれば、そこを入る。

歩道のみの赤い橋を渡ると洲崎神社

 川を渡り切り、そのまま大通りまで出て道路を横断すると洲崎神社がある。厳島神社からの分霊により建立されたので、主祭神は市杵島姫命で宗像三女神の一柱でもある。弁財天としても有名で水の神様として崇敬された。

■玉の輿に乗れるかも?

橋を渡ると洲崎神社の前に出る

 「玉の輿」という言葉には由来があり、徳川綱吉の生母である桂昌院のことを指しているという。おたまさんは八百屋の娘とも、公家の家事を行う身分の低い父の娘だともいわれている。

いずれにしても身分の低いおたまさんが将軍の側室となり生母となり、官位は従一位と大出世を遂げたことから、現在では大金持ちの奥さんになること、平たく言うと立身出世を俗に「玉の輿に乗る」というようになった。

洲崎神社の鳥居と社号標

 洲崎神社は当時、桂昌院の守り神だったことから、これにあやかろうと崇敬者が絶えなかったようだ。現在では境内にキャラクター「玉の輿たまちゃん」を祀っていて参拝者も多い。

玉の輿たまちゃん

 社務所に行けば洲崎神社の御朱印を授与してもらえるので、奉務時間内に参拝するとよい。大動脈の永代通りから1本入っただけで閑静な神社があるのが不思議だが、昔はすぐ南側は海だったので往時の風景を想像しながらの散策をお勧めする。

右側はすぐ海だった洲崎神社

 洲崎という地名は現在は存在しない。明治時代からは当社の東側が遊郭地で、映画「洲崎パラダイス」の舞台として著名になった。現在では郵便局や神社、橋の名称等の固有名詞に残る程度で、地名としては江東区東陽一丁目になっている。

洲崎神社の御朱印

■地下鉄でもOKだが…

手水舎は鳳凰仕様な富岡八幡宮

 洲崎から吉原までの一本道(現在では一本ではない)が大門通りで、江東区内では通り名称がそのまま残り都営バスも走っている。こうした歴史的経緯をたどり散策するのも街並みを見ることができるバス旅の醍醐味だ。

富岡八幡宮は拝殿の右側に御朱印授与所がある

 今回巡った2社はいずれも地下鉄東西線(門前仲町駅・木場駅)で完結する。しかし前述の通り、街並みを眺めながら風情を感じるためにはバスで巡るのが良いと感じる。

 木場駅前からは東京駅に戻ることもできるし、都営新宿線や京葉線へ接続する路線、錦糸町駅前・とうきょうスカイツリー駅前まで乗り換えなしで行く路線もあるので、旅行の途中に気軽に訪ねてみてはいかがだろうか。

■あなたのパワースポットを探そう!

都営バスなら23区内500円で1日乗り放題!

 自分のパワースポットを見つけるまで、バス旅や御朱印集めで巡拝の旅を楽しんでいただきたい。もしかしたら参拝しているうちに、罪穢れなき清らかな人間になっているかもしれない。そうなれば、もはやあなた自身がパワースポットだ!

都営まるごときっぷなら多摩地区を含む都営バスの他に都営地下鉄や都電荒川線も乗り放題で700円

 【交通インフォメーション】富岡八幡宮・洲崎神社ともに東京駅から都営バス東22系統で富岡一丁目・木場駅前下車。錦糸町駅からは都07系統。運賃は210円均一。

 23区内の都営バスを3乗車以上する場合は都営バスの1日乗車券500円が便利。ICカード(モバイルを含むPASMO・Suicaに限る)でも磁気券でもバス車内で運賃支払い前に運転士に申し出て発券可能。

 都営地下鉄や都電荒川線にも乗車予定の場合は「都営まるごときっぷ」700円がお得。同様にバス車内でも発券可能で、「700円のまるごときっぷ」と申し出れば発券してくれる。

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