昨年2023年は、気象庁が統計を開始して以降、もっとも暑い7月となりました。また、今年2024年の4月の日本の平均気温は、統計開始以降、もっとも高くなったそう。高温傾向は今後も続く見込みだということで、今年の夏は、去年以上の暑さを覚悟しなければならないかもしれません。

 そんな暑い夏のクルマに関する悩みといえば、駐車しておいたクルマの中の暑さ。汗かきな筆者は、エアコンが効いてくるまでのたった数分であっても顔から汗が吹き出します。この灼熱地獄をもっとも早く解消する方法とは!??

文:エムスリープロダクション/アイキャッチ画像:Adobe Stock_DimaBerlin/写真:Adobe Stock、写真AC

一番早いのは「窓全開で走行+エアコン」

 エンジンオフから数分で地獄と化す、真夏の炎天下に止めたクルマの車内。一刻も早く快適な温度にしたいところですが、窓を閉めてエアコンを効かせたほうがいいのか、窓はあけたほうがいいのかは悩みどころですよね。

 ただ、エアコンは、取り込む空気の温度が低いほうが、より冷たい空気をつくりだすことができるため、まずは車内にこもった熱を追い出すのが先決。JAFが行ったユーザーテストによると、灼熱の車内の温度をもっとも早く下げることができるのは、「窓は全開、エアコンONで走行し、2分後に窓を閉める」だそう。

 車内温度55度に達した実験車において、エアコンはAUTOで外気導入、温度設定はLo(最低)で走行を開始し、2分後に窓を閉めエアコンを内気循環に切り替えたところ、窓を閉めて3分後には、28.0度まで低下させることができたそう。窓を開けずにエアコンをONにした場合だと、30度を下回るまでに10分かかったそうなので、エアコン+走行では、約半分の時間でほぼ同等の車内温度にすることができたことになります。

JAFによると、灼熱の車内の温度をもっとも早く下げることができるのは、「窓は全開、エアコンONで走行し、2分後に窓を閉める」だそう(PHOTO:Adobe Stock_ DimaBerlin)
エアコンは車内の熱が逃げるまでは外気導入、その後は内気循環でエアコンを効果的に効かせ、快適な温度になったらCO2濃度上昇を避けるため適宜切り替えを(PHOTO:Adobe Stock_umaruchan4678)

夏の駐車時、車内温度を最も早く下げる方法は?(JAFユーザーテスト)

熱くなったダッシュボードを冷ますのも効果的

 この方法は、短時間で温度を大きく低下させることができるので、燃料の消費が抑えられ、お財布にも環境にも優しい方法。窓は全部開けなくても、対角線(運転席と助手席側後席、助手席と運転席側後席)の窓を開けると、より早く熱気を逃がすことができます。また、車内でもっとも熱くなるダッシュボードやハンドルを濡れタオルでさっと拭き、温度を下げるのも効果的です。

 ただ、ずっと内気循環にしたままにするのは危険な場合も。JAFによると、内気循環は車内の空気が入れ替わりにくくなることで、車内の二酸化炭素濃度が上昇し、注意力が低下するほか、眠気や頭痛を引き起こしやすくなってしまうそう。そのため、快適な温度になった後はできれば外気導入にするか、こまめに内気循環と外気導入を切り替えたり、1時間に1回ほど窓を開けて換気するなどの対策が必要です。

熱くなってしまったダッシュボードやハンドルを、濡れタオルでさっと拭き、温度をさげるのも効果的(PHOTO:Adobe Stock_VolumeThings)

車内温度が下がっても、シートベルトのバックルなどには要注意!!

 これらの方法で、車内の温度が快適になったとしても、たとえば、シートベルトやチャイルドシートのバックルなどは、まだ冷め切っていないこともあるため、注意が必要。なかにはやけどを負ってしまった事例もあるようです。

 またできれば事前に熱くなりきらないような対策もしておきたいところです。できるかぎり日陰に止める、サンシェードを使う、窓を少しだけ開けておくなどをしておくだけでも、車内温度の上昇はずいぶん抑えられます。また、家庭用エアコンと同様に、フィルターのメンテンナンスも忘れないようにしたいところ。これらの方法を駆使して、暑い夏も快適にカーライフを楽しみましょう。

サンシェードなどのグッズを賢く使って、暑い夏もカーライフを楽しもう!!(PHOTO:Adobe Stock_schankz)

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