ホンダは、新型フリードの累計受注台数について、6月28日の発売から約1カ月後となる7月27日時点で約3万8000台になったと発表。新型フリードの月間販売計画は6500台で、目標の約6倍となる好調な立ち上がり。となると、納期はどうなるのか? また新型フリードの〇と×についても改めて言及していきたい。
文:ベストカーWeb編集部/ベストカーWeb編集部、ホンダ
■発売1カ月で約3万8000台と幸先のいいスタートを切った
2024年5月9日に先行予約がスタートし、6月28日に発売された新型フリード。発売から約1カ月で約3万8000台の累計受注台数と幸先のいいスタートを切ったようだ。
ちなみに2016年10月に発売された先代フリードは、発売1カ月後の累計受注台数は2万7000台、月販目標台数は6000台の約4倍だったので、先代よりも初速はいいということになる。
新型フリードの受注状況を見ていこう。ガソリンモデルとe:HEVモデルの構成比は、ガソリンモデルが17%、e:HEVモデルが83%、FFと4WDの構成比は、FFが85%、4WDが15%。
人気のボディカラートップ3は、フリードAIRではプラチナホワイトパール(43%)、フィヨルドミスト・パール(19%)、ソニックグレー・パール(9%)。フリードクロスターではデザートベージュパール(33%)、プラチナホワイトパール(20%)、ソニックグレーパール(19%)となった。
購入層は、先代フリードや軽自動車、コンパクトカーなどからの乗り替えを中心に、ファミリー層や単身層をはじめとする幅広い層から支持を得たとしている。
特に評価を得た点としては、「モーターならではの低速域からの力強い走りと、低燃費を実現する2モーターハイブリッドシステム e:HEV」「上質で洗練されたシンプルなデザインのフリードAIR、力強く遊び心にあふれるデザインのフリードクロスターそれぞれが持つ2つの際立つ個性」、「水平基調でノイズレスな視界や、取りまわしのしやすいボディサイズの中に使い勝手のよい室内空間を実現したパッケージ」「1列目から3列目まで自由に車内を移動できるウォークスルー性」などを挙げている。
■e:HEV、ガソリン車別構成比
・ガソリン車
フリード AIR:2%
フリード AIR EX:11%
フリード クロスター:3%
フリード クロスタースロープ/フリードクロスターリフトアップシート(助手席):0.4%
・e:HEV
フリード e:HEV AIR:3%
フリード e:HEV AIR EX:55%
フリード e:HEV クロスター:25%
フリード e:HEV クロスター スロープ:0.6%
記事リンク
前の記事先代にあった[188万円フリード]!! 嘘のようなホントの[素うどんグレード]ってどんなクルマ?
次の記事20万安の[4人乗り新型フリード]は誰用!? コスパ最強価格で割切りもお見事
■新型フリードの納期はどうなっている?
これだけ人気だと、納期が心配になってくる。7月末現在、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)のディーラーに聞いてみたが、予想通りe:HEV AIR EXが一番人気で、納期は10カ月から最長1年に達するという。
ガソリンAIRは4カ月~6カ月、e:HEVクロスターは5カ月~6カ月程度、ガソリン車のクロスターが3~5カ月。フリードAIRは6人乗り(キャプテンシート)より7人乗り(ベンチシート)のほうが納期が早くなっているという。
■新型フリードの〇と×を挙げてみた
筆者は雪上試乗会、事前発表会、先行試乗会に参加してきたが、ここで改めて新型フリードをチェックして気付いたことやSNS上で書かれている〇と×を紹介していこう。
先代フリードに比べて、特にハイブリッド車は格段に進化しているし、室内スペースについても3列目シートの居住性、快適性は特筆すべき。
2列目に175cmの人が座って膝前空間をこぶし1つの状態にすると、3列目はフリードがこぶし2つ、シエンタがこぶし半分と、室内の広さに関してはシエンタを圧倒している。
リアクーラーについては、よく付けてくれたと手放しで喜んだが、よくよく装備表を見ると、安いグレードのAIRやクロスター5人乗りにはメーカーオプションの設定すらなかったのは残念。
蛇足になるが1クラス上からのミニバン(ステップワゴン)からフリードに乗り換える人は、3列目シートに乗る際、ワンタッチで2列目シートが前にスライドする、2列目のウォークインスライド機構がないため不便さを感じるかもしれない。
走りに関しては1.5Lのe:HEV(エンジン106ps/127Nm+モーター123ps/253Nm)の加速フィールは力強いし、中高速域でアクセルを強く踏み込んだ時のレスポンスのよさも文句なし。ガソリン車についても加速フィールはe:HEVには当然およばないものの、129ps/153Nmだから街中を走る分には不満はあまり感じないだろう。
静粛性も上がっているし、前席はボディスタビライジングシート採用でしっかりホールドしてくれるし、2列目シートもパッド形状からクッションまで全部変えたので座り心地もよくなっている。
3列目シートも左右のウインドウを四角い形状にしたことにより圧迫感がなくなり、乗り心地も改善されている。先代オーナーからの乗り換えの人は買ってよかったと喜んでいると思う。
4WD性能に関しても、ヴェゼルと同じリアルタイムAWDだから、コーナーでのグリップ性能は高く、接道の登坂路面での発進加速についてもシエンタと比べると空転が少なく、安心感は段違い。
ただ、価格については諸費用込み価格がe:HEV AIR EXが約355万円、e:HEVクロスターが370万円とちょっと高すぎやしないかという意見もSNSで見かける。
■新型フリードの〇(マル)
・2列目、3列目シートが快適になるリアクーラーをAIR EX、クロスター6人乗り、クロスタースロープ仕様に設定。左右独立温度調整はできないが後席用空調機能付き。ただし、e:HEV、ガソリン車ともにAIR、クロスター5人乗りにメーカーオプションの設定もなし
・3列目シートのサイドウインドウが四角い形状となり圧迫感が少なくなった
・シート形状が変更され着座した時の膝の浮きが少なくなった
・3列目シートの跳ね上げた時の形状が直角になり開口部が広くなった
・ドアハンドルは指1本で軽く開閉できる
・テールゲート、3列目上、2列目上とランプが3つある
・2列目キャプテンシートにアームレストが付いている
・1モーターから2モーターのe:HEVに変更されたので加速フィール、高速道路での巡航がラク
・シエンタにキャプテンシートがないのでフリード優勢
・4WD性能はシエンタに比べると圧倒的に優れている
■新型フリードの×(バツ)
・NAガソリン車は2列目に座った際、乗員の足が1列目の座席下にすっぽりと収まるが、e:HEVでは入りにくい
・7インチTFT液晶メーターおよびアニメーションは現行フィットと同じ
・ステアリングヒーターがオプション設定すらされていない
・USB端子は運転席&助手席に1個設置されているがダッシュボードには1個だけ
・運転席ドアのウインドウスイッチのオート機能は運転席のみ
・跳ね上げシート機構は跳ね上げる際、あまり力のない女性は重く感じる(シエンタはダイブダウン式)
・e:HEV(2WD)のWLTCモード燃費が25.3~25.6㎞/L、ガソリン車が16.2~16.5㎞/Lと、シエンタのTHSIIが28.2~28.8㎞/L、ガソリン車が18.3~18.4㎞/Lと、シエンタの燃費がいい
・運転席周りの収納スペースが激減し、アッパーボックスとドアの2段目棚もなくなり、センターテーブルも廃止されたのが痛い
・SNSではフリードクロスターのシルバー加飾のグリルが不評という声が多かった
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。