今から13年前の2011年に新車として販売されていたクルマは今年である節目を迎える。それが「税金」だ。日本では新車登録から13年経過したクルマは自動車税が高くなる。そして、ちょうどその頃の日本には「個性的なクルマ」が結構居たのだ。そこで今回はそのクルマ達を一部振り返っていこう。

※本稿は2024年6月のものです
文:伊達軍曹/写真:トヨタ、レクサス、ホンダ、日産、三菱、スバル、マツダ、スズキ、ダイハツ、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年7月26日号
※各モデルの「下取り予想額」は2011年式の中心的な下取り額の目安です

■3.5L・V6を搭載する羊の皮を被った狼:トヨタ ブレイドマスター(2007年登場)

トヨタ ブレイドマスター

 「大人の高級ハッチ」を自称したトヨタ ブレイドに最高出力280psの3.5L・V6をぶち込んだモデル。この2GR-FEエンジンは「280psも出ていないのでは?」という疑惑も囁かれたが、そこも含めて、もう二度と出てこないタイプの一台だ。

●もったいない度:★★★☆☆
●下取り予想額:約10万~30万円

■エコも目指したハイブリッドスポーツ:ホンダ CR-Z(2010年登場)

ホンダ CR-Z

 2010年に発売されたホンダのハイブリッドスポーツ。パワーユニットは1.5L・i-VTEC+IMAで、6MTを選ぶこともできた。ハイブリッドのスポーツカーというのは悪く言えば支離滅裂だが、そこが逆に唯一無二の個性にもなっている。

●もったいない度:★★★☆☆
●下取り予想額:約5万~150万

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■全長3m未満のマイクロプレミアムカー:トヨタ iQ(2008年登場)

トヨタ iQ

 軽より短い全長2985mmの4人乗りコンパクトカーで、パワーユニットは1Lまたは1.3L直3。スマートフォーツーも消滅した今、この種のクルマはもはや世界遺産。安易に手放してしまうのは本当にもったいない!

●もったいない度:★★★★★
●下取り予想額:約5万~70万円

■アルファードにはないホンダらしさが魅力:ホンダ エリシオンプレステージ(2007年登場)

ホンダ エリシオンプレステージ

 当時の日産エルグランドに対抗するべくホンダエリシオンに追加された、300psの3.5L・V6エンジンを搭載したLサイズミニバン。販売競争には勝てなかったが、ミニバンにありがちな腰高感は皆無の「ハンドリングミニバン」と言える。

●もったいない度:★★☆☆☆
●下取り予想額:約5万~50万円

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■角の丸い箱型ボディが特徴的:日産 キューブ(3代目・2008年登場)

日産 キューブ

 「なるべく遅く見えるように」という逆転の発想でデザインされた2代目の後を継いだ3代目のトールワゴン。コンパクトカーでもギラついたデザインが多くなった今、この世界観を手放してしまうのはもったいない。シートも実は秀逸。

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約3万~50万円

■クーペのようにスタイリッシュなハッチバック:三菱 ギャランフォルティススポーツバック(2008年登場)

三菱 ギャランフォルティススポーツバック

 スポーティセダン「ギャランフォルティス」の5ドアハッチバック版として2008年に登場。パワーユニットは2L・NAのほか、最高出力240psの2Lターボも用意した。ターボのほうはトランスミッションも6速DCTで、4WDシステムも本格的。

●もったいない度:★★★☆☆
●下取り予想額:約10万~120万円

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■特別感は「F」モデルならでは:レクサス IS F(2007年登場)

レクサス IS F

 最高出力423psの5L・V8エンジンが、ダイレクト感の強い8速ATを介して後輪を駆動させるスポーツセダン。最新の「IS500 F SPORT Performance」も素敵だが、IS Fのプリミティブなフィーリングは別物。これを手放すなんてもったいない!

●もったいない度:★★★★★
●下取り予想額:約90万~170万円

■最新ライトSUVにはない小さな本格派:トヨタ ラッシュ/ダイハツ ビーゴ(2006年登場)

ダイハツ ビーゴ

 全長4m未満のコンパクトなボディに1.5L直4を縦置きし、メカニカルセンターデフ方式のフルタイム4WDを介して四輪を駆動するという硬派なコンパクトSUV。フレーム構造は「ビルトインラダーフレーム式モノコックボディ」だ。

●もったいない度:★★★★★
●下取り予想額:約15万~60万円

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■競合ミニバンとは違う個性的デザイン:マツダ ビアンテ(2008年登場)

マツダ ビアンテ

 トヨタ ノア/ヴォクシーあたりと同じカテゴリーに属する2Lクラスのマツダ製ミニバン。「クルマをちゃんと動かしている実感がある」という面ではライバルを大きく超えており、2013年5月以降のSKYACTIV化された世代は特に◎

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約5万~60万

■流麗でモダンなデザインが特徴:日産 ムラーノ(2代目・2008年登場)

日産 ムラーノ

 まずは北米で人気を博し、その後日本でも人気となったプレミアムSUVの2代目モデル。外観は充分以上に個性的で、2.5L直4または3.5L・V6の力感も◎。これほどセクシーなデザインのSUVは稀有ゆえ、安易に手放すのはいかがなものか?

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約5万~70万円

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■トヨタでは今は亡きFRミドルセダン:トヨタ マークX(2代目・2009年登場)

トヨタ マークX(2代目)

 「男のど真ん中」を標榜したFRセダンの2代目。基本となるパワーユニットは3.5L・V6の「4GR-FSE」と、2.5L・V6の「2GR-FSE」。セダンという分野が消滅しつつある今、「出来のいいFRセダン」はいよいよ貴重な存在だ。

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約10万~500万円

■スバルらしい唯一無二のミニバン:スバル エクシーガ(2008年登場)

スバル エクシーガ

 ステーションワゴン風のボディに3列シートを配したスバルの7シーター車。パワーユニットはベーシックな自然吸気からターボ付きまで存在し、STIチューンの仕様も。「7人乗れるスバル車」というだけでも価値あり!

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約3万~60万円

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■今や希少なスズキの欧州製コンパクト:スズキ スプラッシュ(2008年登場)

スズキ スプラッシュ

 ハンガリーのマジャールスズキが商品企画とテスト、生産を担当し、日本へは輸入される形となった1.2L直4搭載のコンパクトカー。その走行フィールはまさにヨーロッパ的で、やや硬めの足はクセになる味わいだ。

●もったいない度:★★★★☆
●下取り予想額:約3万~20万円

■3列シートには見えない個性派:トヨタ マークXジオ(2007年登場)

トヨタ マークXジオ

 積載性に優れるワゴン型ボディにゆったり座れる独立4座シートを置き、荷室に「いざというときの3列シート」を忍ばせた異色のクロスオーバーモデル。パワーユニットは2.4L直4のほか、最高出力280psの3.5L・V6も用意。

●もったいない度:★★☆☆☆
●下取り予想額:約5万~30万円

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■レクサスと姉妹車の小さな高級車:トヨタ SAI(2009年登場)

トヨタ SAI

 レクサス HS250hと基本コンポーネンツを共有するハイブリッド専用ミディアムセダン。過去に販売された「プログレ」と似た「小さな高級車」がコンセプトだ。2.4Lエンジン+モーターのシステムが前輪を駆動させる。

●もったいない度:★★☆☆☆
●下取り予想額:約5万~90万円

■SUVテイストの見た目は今でも古くない:トヨタ イスト(2007年登場)

トヨタ イスト

 ヴィッツの派生モデルとしてデビューしたが、2代目は3ナンバー枠のSUV風味となり、ヴィッツとの共通点はほぼ消滅。パワーユニットは1.5Lまたは1.8L直4で、ヴィッツと比べてパワーの面でも室内空間の点でも余裕があるのが特徴。

●もったいない度:★★☆☆☆
●下取り予想額:約5万~30万円

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【番外コラム】13年前といえば……

 今から13年前は2011年。3月に東日本大震災が発生した年だ。大津波が沿岸部を襲い、原発事故の被害も甚大だった。7月にはなでしこジャパンがサッカーW杯優勝。また、円相場が歴史的な高水準で推移し、1ドル=75円32銭という歴史的円高を記録した。

 ここで挙げた16車種のほか、2011年にはトヨタ アクア、ホンダ フィットシャトル、ホンダ フリードハイブリッド、トヨタ プリウスα、ホンダ N-BOX、ダイハツ ミライースなどの人気車がデビュー。これらもまだ手放すのはもったいないかも!?

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