こう暑いと、涼やかなスイーツで何もかも忘れたくなる。都心部では駅の周辺に有名な店舗があるのだが、地方となるとそうもいかない場合が多い。鉄道と比較して路線バスは地元民でないと敷居が高いのも事実だ。今回も路線バスを使わないと行けない絶品スイーツをレポートする。
文/写真:のりぴよ(影山のりみ)
共著/編集古川智規(バスマガジン編集部)
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■新定番の抹茶スイーツ
今回お邪魔したのは静岡市の雅正庵で、製茶問屋 おやいづ製茶が運営するお店だ。本山・川根茶葉を主体とした静岡県産深蒸し茶や静岡抹茶の他、抹茶スイーツの製造販売を行っている。
最近ではコメダ珈琲店から同店の「天空の抹茶」を使用した抹茶メニューが季節限定で販売され爆発的な人気となり、その名が静岡を飛び出し知名度は全国区になりつつある。
直営店舗は、静岡中部に4店あり、併設の喫茶メニューに新定番の抹茶スイーツが登場したとの情報をゲットしたので、葵区の千代田本店へ向かった。
■しずてつシャトルラインに乗車!
雅正庵 千代田本店へは静岡駅前からしずてつシャトルラインの路線バスで向かう。東部団地線・水梨東高線・北街道線・竜爪山線のいずれに乗車しても行けるので実質の便数は多い。この日は、抹茶をいただきに行くのお茶ラッピングバスが待っていて、筆者はひそかにテンションが上がった。
お茶の著名な産地である静岡らしい、いすゞエルガのラッピングバスだ。静岡駅のバスロータリーはかなり大きいので、乗り場が分からない場合は案内所で降車停留所「沓谷五丁目(くつのや・ごちょうめ)」で尋ねると確実だ。筆者も慣れるまでは、何度となくお世話になった。
■バスを降りて徒歩10分は期待のお時間?
乗車は約20分(ダイヤ上は16分)だ。仕事柄さまざまな地域のバスに乗る機会がある筆者だが、しずてつシャトルラインの運転士はしっかりと案内をする印象がある。乗降はバスが止まってからというお決まりの注意喚起から、席が空いていて立っている人がいる際 には座ってくださいというアナウンス。
バス遅延の際の乗り継ぎに責任を持たないというトラブルを未然に回避する内容まで盛りだくさん。特に筆者が乗車した便の乗務員は細やかで、絶えずアナウンスが行われていた。
冷房のきいたバスでゆったり20分弱の乗車で運賃は250円。汗が引いて来た頃に静岡駅前から11停目の沓谷五丁目で下車。ここから約10分ほど住宅街をテクテクと歩き、田んぼを横目の歩いて雅正庵 千代田本店へ到着。
バス停から少し歩くが、おいしい抹茶スイーツ&グルメが待っているので、日傘をさしながら期待しよう。期待は裏切らない。
■ムービージェニックなカットの瞬間!
6月発売の抹茶ブリュレバウムは、程よい大きさで自社工場でひとつひとつ手焼きした専用品だ。表面はカリッカリにキャラメリゼされており、中には抹茶クリームとアイスクリームが詰まっている。雅正庵と言えば人気の生クリーム大福 鞠福(まりふく)も脇を固めており、自家製抹茶アイスも添えられ抹茶尽くしといったところか。
カットすると、抹茶クリームがとろ~り溢れ出す。溢れ出す様はムービージェニックなのでスマートフォンを構えてぜひ動画を撮影しよう。食べる際は、抹茶バウムクーヘンにクリームやアイスをたっぷりとトッピングするのがおすすめ。鼻から抜ける抹茶の香りも爽やかで、見た目も味も香りも感動的な仕上がりだ。
■抹茶がらみで食事まで提供される魅力!
同時発売の茶々急須 抹茶パンナコッタもおススメだ。こちらは、まぁるい急須型の器に、静岡抹茶をたっぷり使った抹茶パンナコッタ、自家製抹茶寒天や抹茶きな粉わらび餅を詰め込んだ進化系あんみつである。お好みで黒蜜をかけて楽しむのも良し。気温が上がるごとに、つるんとさっぱり食べられるこちらの人気が上昇しているという。
さらに7月からは、茶氷プロジェクトと題して夏の風物詩 かき氷メニューもスタートしている。他にも、抹茶をふんだんに使用したぜいたくなアフタヌーンティーや、不動の人気ナンバーワンをひた走る抹茶パフェや抹茶パスタと、お食事までそろう。お茶販売店に併設されている喫茶とは思えないラインアップで、何度も通いたくなる魅力が詰まっている。
■懐かしさを感じるアットホームな空間
飾り気はない喫茶スペースだが、むしろそれが良い。子どもの頃に祖父祖母に手を引かれて行った、おやつ処を思い起こさせる懐かしい空間となっており、なんだか心が温かくなる。
カップルや夫婦のデートにぴったりのベンチシートも新設されている。テラス席もあり、わんこ連れはこちらの席で一緒に過ごすこともできる。喫茶利用者は、雅正庵おすすめのお茶が無料なのも、うれしいポイントだ。
この日は抹茶入り玄米茶が振る舞われた。飲んで気に入れば購入することも可能だ。路線バス+徒歩でわざわざ行く価値のある抹茶スイーツなので、静岡観光の際は立ち寄ってみてはいかがだろうか。
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