エンジン車の終焉が叫ばれる現代。今のうちに大排気量車を味わっておきたいと考える人もいるだろう。ならばオススメしたいのが4代目ソアラだ。レクサスのオープンに伴い、途中からはレクサスSCとして市販された4.3LのV8エンジンは絶品のひと言。しかも今ならアンダー100万円から手に入るぜ!
文:ベストカーWeb編集部/写真:トヨタ自動車
■多気筒エンジンに乗っておきたいという人に絶好の1台!
いまやエンジンは3気筒、4気筒が主流だが、6気筒、8気筒といった多気筒エンジンの魅力を知る昭和&平成世代からすれば、ちと物足りないような気もする。とはいえ昨今はエンジン車自体の存続が危ぶまれているから、多気筒エンジンは遠からず手が届かなくなる可能性がある。
ならば今のうちに多気筒エンジンを味わっておきたいが、値の張る高級車を買えるような予算はない。いったいどうしよう。そんな人にオススメしたいのが、中古の4代目ソアラ/レクサスSC(Z40系)だ。
このクルマが誕生したのは1999年。東京モーターショーに展示された「レクサス・スポーツクーペ」というコンセプトカーが原点だ。
レクサスの名から分かる通り、このクルマの本来の立場は「2代目SC」なのだが、当時の日本ではレクサスが未稼動だったため、トヨタブランドからソアラを名乗って発売された。
デザインを主導したのは、フランスにあったトヨタの欧州スタジオ「ED2」。チーフデザイナーはギリシャ人のソリティス・コヴォス氏だが、彼はほぼ同時期に初代ヴィッツのデザインも手掛けた人物としても有名だ。
そんなソアラのイメージだが、まさに優雅のひとこと。ロングノーズのボディにあえて小ぶりなキャビン(リアシートの空間はトヨタ最小だった)を作り、そこに開閉が可能なメタルトップをかぶせたコンバーチブルだ。
インテリアもエレガントの極みで、本木目と本革をふんだんにあしらったもの。そのうえ木目は3種類、本革は4種類のカラーが選択可能で、マークレビンソンのオーディオシステムも組み込むことができた。
そして肝心なのがエンジン。ソアラは代々直列6気筒エンジンを積んできたが、レクサスSCとして販売された3代目では、アメリカでの高級イメージを意識してV8エンジンを追加した。
4代目ではついに直6を捨ててV8のみとなり、排気量も3代目の4L・V8から4.3L・V8へとサイズアップがはかられた。そのパワーは280psにとどめられたものの、初代セルシオを源流とする静粛性やスムーズさは圧巻で、とろけるような回転フィールは現代でも通用するものだ。
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■エンジン車がたどり着いた到達点が味わえる!
4代目ソアラは2001年に発売され、2005年にレクサスSCと名を変えて2010年まで販売された。当時はまさに羨望の的のような超高級車だったが、今なら筆者のような庶民でも手に入る。現在中古車が100台弱流通していて、なんと60万円程度から見つかるのだ!
さすがに数十万円という個体は、走行距離が10万kmを超えていたり、修復歴があるものが多いが、100万円前後から7万~8万キロ台のクルマが見つかる。インテリアは黒内装が多く、特別色があしらわれるノーブルカラーエディションなどは若干高めの印象だ。
タイミングベルト交換済みという記載のある中古車も見受けられるが、基本的に20年前のクルマなので、一概に安心はできない。格納式電動ハードトップの動作なども含めて、きちんと現車確認できれば安心度も高い。整備記録簿が残っていればなお完璧だ。
外観ではソアラなのにレクサスのグリルに換装しているものが多いが、これは好みで選べばOK。ヘッドライトカバーの曇っている個体も多いが、これはケミカル用品である程度改善できるからやってみよう。
若干気になるのが自動車税。4.3Lは基本が7万6500円だが、13年を過ぎているので年額は8万7900円になる。これが毎年かかる点は頭に入れておきたい。
しかしこの自動車税を払ったとしても、4.3L・V8の魅力は余りある。内燃機関がたどり着いた偉大な到達的に乗っているのだと思えば、安い出費かもしれない。手が届かなくなる前にぜひ乗っておきたい多気筒車。4代目ソアラ/SC430は、その絶好のターゲットといえよう!
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