カローラファミリーで今一番売れているカローラクロス。ファミリー史上初のSUVといわれており、確かにそうなのだがよくよく考えればスプリンターカリブという名車がいたじゃないか!! これこそ元祖カローラクロスじゃないか説!!!!!!

文:小鮒康一/写真:ベストカーWeb編集部

■バカ売れカロクロ!! 地道な進化で内装も大幅進化中

 カローラシリーズ初のクロスオーバーSUVとして2021年9月に日本市場に投入されたカローラクロス。元々日本への導入予定はなかったが、豊田章男社長(当時)の鶴の一声で日本導入が決まったというエピソードでも知られる1台だ。

 導入直後から大人気車種となり、当時の半導体不足などの影響も相まって長納期となり、中古車価格がプレミア化するほどとなった。

 そんなカローラクロスは確かにカローラシリーズ初のクロスオーバーモデルであることは間違いないが、カローラファミリーに範囲を広げると、スプリンターカリブという先駆者がいたことを忘れてはならない。

■レガシィよりも投入早かった!! 四駆性能もお見事だった

当時は超絶珍しかった商用っぽくないステーションワゴン。このスタイリッシュでかつ4WDであることから売れた売れた!!!!

 1981年10月に開催された東京モーターショーに「RV-5」という名前で参考出品され、翌年8月にスプリンターカリブの名前で発売。使い勝手のよいステーションワゴンボディとパートタイム4WDシステムを搭載したもので、レガシィツーリングワゴンに先駆けて全車4WDとしたワゴンとなっていた。

 当時はまだステーションワゴンが商用バンの延長線上にあるモデルというイメージが強かったが、スプリンターカリブは商用モデルを持たない乗用専用車となっていた点も先進的な部分だったのだ。

 スプリンターカリブはどちらかというと本格的なオフロード走行を目指した4WDではなく、必要に応じてドライバーが自らレバー操作をして2WDと4WDを切り替えるパートタイム4WDであった。4WD時にはEL(エクストラロー)が選択できるようになっていたほか、オプションでオールシーズンタイヤを用意するなど、生活四駆として高い実力を兼ね備えていたのである。

■え、初代のベースカローラじゃないの!? 驚きのベース車って!?!?!?

2代目こそスプリンターベースであったが、初代はターセルだったとは!!!!!

 ただ、実のところ車名こそカローラの兄弟車であるスプリンターを名乗ってはいたが、この初代スプリンターカリブは2代目ターセル系のプラットフォームを基本としており、エンジン縦置きの前輪駆動ベースの4WDとなっていた。

 そのため日本国内ではターセルワゴンの名前で販売されており、厳密にはカローラファミリーではないという判断となる可能性もありそうだ。

 とはいえ1988年2月に登場した2代目スプリンターカリブはE90系のスプリンターがベースとなっているため、やはりカローラファミリー初のクロスオーバーモデルはスプリンターカリブということで間違いないだろう。

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