音楽好きなドライバーは多いが、カーオーディオシステムの進化に取り組んだことのあるドライバーはそれほど多くはない。当連載ではそうである理由の1つに「分かりづらさ」があると仮定し、カーオーディオ愛好家を増やすべくそれら「?」の解消を目指して展開している。

◆「国産ブランド」は少数精鋭的なラインナップ。対して「海外ブランド」は…

まずはスピーカーに関連した“疑問に思われがちな事柄”の解説を行っている。今回は、「国産モデル」と「海外モデル」の違いやそれぞれの特長について説明しながら、「結局のところどちらを選ぶべきなのか」という疑問の答を探っていく。

さて、「国産モデル」と「海外モデル」とを比べた場合、違いとして真っ先に挙げるべきは「選択肢の数」だ。「国産モデル」はブランドの数が限定的で、かつラインナップが少数精鋭的である場合が多めだ。対して「海外モデル」は各国にさまざまなブランドがありそれぞれライナップが豊富である場合が多いので、選択肢が幅広い。

ちなみに主立った国産ブランドを列挙すると、以下のとおりだ。「カロッツェリア」、「アルパイン」、「ケンウッド」、「ダイヤトーン(三菱電機)」、「ビーウィズ」、「ソニックデザイン」、これらがある。

この中で、製品ラインナップを多く持つのは、「カロッツェリア」、「ビーウィズ」、「ソニックデザイン」の3社で、「アルパイン」と「ケンウッド」は特殊なものを除き比較的にリーズナブルなモデルのみを用意し、「ダイヤトーン」は逆にハイエンド機を2機種擁するにとどめている。

というわけで、多くのモデルの中からマイベストを見つけ出したいと思う場合には、「海外モデル」にも目を向けたい。

「モレル」のスピーカーが取り付けられたオーディオカーの一例(製作ショップ:マリノサウンド<福井県>)。

◆馴染みがあるのは「国産モデル」。真面目で素直で安心して使えるモデルが多々!

なお「国産モデル」は「海外モデル」と比べて選択肢は少ないものの、「安心感が高い」というイメージが強い。実際のところ「海外モデル」も安心して使えるものばかりだが、やはり日本のメーカーには馴染みがあり親近感も湧く。そして日本製である場合が多いので、その点でも不安がない。

また「国産モデル」はどちらかというと、真面目で素直な製品が多めだ。スピーカーは音源に含まれている情報をいかにそのまま再現できるかが問われるが、「国産モデル」はそこのところに実直に取り組んで作られている場合が多く、派手さや自己主張は「海外モデル」と比べると控えめだ。その意味でも安心感が高めだ。

対して「海外モデル」の中には、個性的な製品が多くある。つまり、それでなければ味わえない独特の魅力を持った製品が多めだ。

では、「海外モデル」にはどのようなものがあるのかを見ていこう。まず古くから日本でも人気を博してきたブランドの1つとして、フランス発の「フォーカル」がある。同社はスピーカーに強みを発揮する世界的なブランドで、ホーム用、カー用の両方で、超高級機からエントリー機までを豊富にラインナップする。

「DLS」のスピーカーが取り付けられたオーディオカーの一例(製作ショップ:AVカンサイ<大阪府>)。

◆「海外モデル」は個性派ぞろい。試聴をしてぐっとくるモデルを見つけ出すベシ!

そして「フォーカル」は、サウンドが美麗であることも特長だ。基本的には音源に含まれている情報をそのまま再現することに徹しているが、音色の美しさにも定評がある。

また、イスラエルに本拠を置く「モレル」も、ラインナップの多さと音色の豊かさを利点としている。なお同社もスピーカーに強みを持つブランドで、日本でも古くから多くのファンに支持されてきた。

そしてスウェーデンに本拠を置く「DLS」も、ハイエンドスピーカーブランドの1つとして日本でも多数の愛好家に使われてきた。なお同社は先に挙げた2社と比べるとラインナップは少な目だが、それでも旗艦シリーズからエントリーラインまで、多彩に製品を用意する。そしてサウンドにも個性がある。豊かで暖かみのある音を楽しめる。

で、「国産モデル」と「海外モデル」ではどちらを選ぶべきかという疑問の答は…。

「好みの音がするものを選ぶべき」、結局はここに帰着する。スピーカー選びにおいてもっとも重要なのは、音が好みに合うかどうかだ。そしてそれを判断するには、試聴するしかない。ここまで説明してきたような傾向はあるものの、マイベストを見つけ出すには音に触れることが肝要となる。「カーオーディオ・プロショップ」に足を運んだり試聴のできるイベントに赴いたりしてさまざまな製品の音を聴き、買うべきモデルを見つけ出したい。

今回は以上だ。次回以降もカーオーディオについて抱かれがちな「?」の解説を続行する。お楽しみに。

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