35度以上の酷暑日が続く日本列島。こうした暑さで増えてくるのが「漫然運転」。ここまで暑いとボーッとしてしまい、注意力が低下し、前方車との追突や右左折時に歩行者との衝突、対向車線にはみ出しての衝突など、漫然運転による事故が急増する。お盆期間中、長時間運転する人が多いのでぜひこれを読んで気を付けてほしい!

文:ベストカーWeb編集部/写真:ベストカーWeb編集部、Adobe Stock(トビラ写真:Adobe Stock@peach100)

■真夏に多い漫然運転に注意せよ!

ボーッとした漫然運転の結果、追突など重大事故につながるケースが多い(naka@Adobe Stock)

 外気温度が35度以上の酷暑日は、たとえエアコンをかけて車内が快適な状態だとしても直射日光が入ってくると一瞬で暑くなり、眩しかったりするとボーッとしてしまう。

 しかも熱帯夜で寝つきが悪く、睡眠時間が足りていなかったりすると日中にボーッとすることが多くなる。これが漫然運転につながるのだ。昼過ぎから午後3時頃までの時間帯に多発し、追突や対向車線にはみ出しての衝突事故など重大事故が発生するのは特徴だ。

 では漫然運転を防ぐためにはどうしたらいいだろうか?

車内が冷えてきたら内気循環から外気循環にして空気を入れ換えよう

 まず、車内環境の改善だ。真夏は内気循環にしてエアコンをガンガン効かせる季節。車内がある程度冷えてきていても内気循環のまま長時間走行していると、車内の二酸化炭素が増えてきて酸素不足になり、頭がボーッとしてくることがある。

 これが漫然運転につながるので、エアコンを入れてしばらくして車内が冷えてきたら、外気循環に切り替えよう。車内の空気の入れ換えて酸素を増やすためだ。

■リラックスするようなシートポジションにしない

たまにこのようなリラックスしたシートポジションで運転している人をみかける。漫然運転になりやすいので要注意

 続いて、シートポジションを下げてリラックスするような運転姿勢は避けること。こうしたポジションだとボーッとしたり、居眠りしやすくなるからだ。しっかりとブレーキが踏むことはできるシート位置にし、ステアリングを握って肘が少し曲がる適正な位置にすると漫然運転は起きにくい。

 蛇足になるがATやCVT車の2ペダル車の場合には、しっかりとブレーキペダルの左にあるフットレストに左足をおき、カーブやレーンチェンジなどクルマが不安定になりやすい状況で踏むと、クルマをしっかりコントロールできるので、一度試してみてほしい。

■声出し運転=コメンタリードライブとは

声を出して状況を確認する声出し運転=コメンタリードライブが漫然運転には効果的。指差しは危険が伴うので注意が必要(YUTO PHOTOGRAPHER@Adobe Stock)

 漫然運転にもっとも効果的なのは声出し運転=コメンタリードライブだ。聞き慣れないという人が多いかもしれないが、電車の運転士や車掌が声を出しながら指差し確認している様子を見たことがあるかもしれないが、あれと同じこと。

 コメンタリードライブとは指差しと声出しによる「目、口、耳、筋肉を使う多重確認の効果」で注意力を高める「指差呼称」を応用したもの。ただし、クルマの運転中の指差し確認は危険が伴うので注意が必要。

 クルマの運転中に例えば、右左折時や横断歩道を通過する際、いつもの安全確認に加えて「歩行者、自転車なし」と声出しすることで、歩行者や自転車を認識する確実性が上がり、見落としを防止できる。

 また、長時間ドライブや仕事帰りなど、「ようやく目的地に到着しホッとした」という気の緩みがおきがちなので、後退時に「障害物、人なし」など、声出しを行うことで積極的に危険を探すようになるため、危険予測精度を高めることができる。

 特に真夏の日中や慣れた道、長時間の運転、疲れている時など、意識を高めて声出し確認をすることで、自分の運転行動を明確化できるようになり、漫然ではなく、確実に意識を集中させる効果が見込まれるのでぜひ実践してほしい。

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