やっぱスズキってやるやん!! 状態の新型フロンクスだが、250万円スタートとライバルのWR-Vより割高な感じが否めないのも事実。サイズなど似ていることからこの2台で悩む人が大多数のハズ。だからこそ新型フロンクスとWR-Vの2台をガチ比較。これマジで難しい選択ですっ!!!!
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb編集部
■早速比較! まずはサイズから比べてみる
今回の記事では、フロンクスをライバル車とする。ライバル車は全長を4m前後に設定して、価格が200~250万円のコンパクトSUVだ。複数の車種が該当するが、注目度や人気の高い車種はホンダWR-Vだろう。
発売は2023年12月と新しく、フロンクスと同様、インドで生産される輸入車だ。WR-Vのボディサイズは、全長が4325mm、全幅は1790mm、全高は1650mmになる。
フロンクスに比べると、WR-Vは330mm長く、25mmワイドで、100mm高い。ホイールベース(前輪と後輪の間隔)はフロンクスが2520mmで、WR-Vは130mm長い2650mmになる。
外観のデザインは、フロンクスはフロントマスクを鋭角的に仕上げ、天井も低めだからスポーティで都会的な雰囲気だ。5ドアクーペに近い形状とした。その点でWR-Vは、フロントマスクを直立させ、SUVらしい強い存在感が伴う。
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■車内潜入! 気になるインテリアは?
車内に入ると、インパネの周辺はフロンクスが上質だ。助手席の前側を見ると、上からブラックの樹脂、シルバーのパネル、光沢のあるピアノブラック、その下側が紫色のボルドーという具合に、4つの層に分けている。
WR-Vのインパネもシンプルで視認性や操作性が優れているが、装飾は少ない。パーキングブレーキは、フロンクスは電動式でWR-Vはレバー式だ。
この違いは車間距離を自動制御できるアダプティブクルーズコントロールにも影響を与えた。先行車に続いて追従停車した後、フロンクスは自動的にパーキングブレーキを作動させて停車を続けられるが、WR-Vにその機能はない。
従ってWR-Vでは、速度が時速25km未満に下がると、アダプティブクルーズコントロールが自動解除される。
前席の座り心地は、背中から大腿部の支え方は両車ともに良好だが、着座姿勢の安定性には向上の余地がある。フロンクスは座面の両端が柔らかく、カーブを曲がる時に体を支えにくい。
WR-Vもサポート性がいまひとつだ。WR-Vでは、ZやZ+が採用するプライムスムース&ファブリックのシート生地よりも、ベーシックなXに使われるファブリックの方が、柔軟性があって体を優しく支える。
後席はWR-Vが広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、WR-Vの後席に座る乗員の頭上には、握りコブシ1つ弱の空間がある。膝先の余裕は握りコブシ2つ半に達する。
フロンクスは、同じ測り方で、頭上の空間はWR-Vと同等になり握りコブシ1つ弱だ。膝先空間は握りコブシ2つ分になる。WR-Vほど広くないが、全長が4m以下に収まる割に、足元空間は広い。
インドではフロンクス、WR-Vともにファミリーカーとして使われ4名乗車の機会も多い。そこで後席の広さと座り心地を重視している。
フロンクスはボディサイズの割に後席が広いが、その分だけ荷室は狭い。フロンクスの荷室長は、後席を使った状態で650mmとされ、荷室容量はラゲッジボードをはずして290Lだ。
WR-Vは荷室長が840mm、荷室容量は458Lになる。WR-Vはボディが長く、全高もフロンクスに比べて100mm高いから荷室容量を拡大できた。
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■やっぱ大事なのは走行性能っしょ!!
エンジンは両車ともに直列4気筒1.5Lを搭載する。フロンクスの最高出力は前述の通り100馬力(6000回転)で、最大トルクは13.8kg-m(4400回転)だ。WR-Vは118馬力(6600回転)・14.5kg-m(4300回転)となる。
エンジン性能の数値はWR-Vが高いが、2WDの車両重量はフロンクスが1070kg、WR-Vは1230kgと重い。この影響で加速性能はフロンクスに若干の余裕があって滑らかに感じる。
そしてフロンクスはマイルドハイブリッドを搭載してボディも軽いため、WLTCモード燃費は2WDが19km/Lと良好だ。WR-V・Zの16.2km/Lよりも優れている。
走行安定性の設定は両車ともに似ている。今のクルマらしく、後輪の接地性に重点を置いた。下り坂のカーブで危険を避ける場面でも挙動を乱しにくい。
機敏に良く曲がって運転を楽しませるセッティングではないが、安心感が高く疲れにくい。
この共通点を踏まえた上で両車を比べると、フロンクスは低重心でボディも軽く、運転感覚はSUVよりも5ドアハッチバックに近い。WR-Vはボディの重さと重心の高さを感じる。
乗り心地は両車ともに街中を時速40km以下で走ると硬めに感じる。特にフロンクスは、燃費向上のために前輪の指定空気圧が250kPaと高く、路上の細かなデコボコを伝えやすい。その点でWR-Vは少し快適だ。
特にベーシックなXは、タイヤサイズがZの17インチに対して16インチに抑えた。ステアリング操作に対する反応は穏やかだが、乗り心地も柔軟だ。
ファブリックのシート生地も含めて、WR-Vではデザインは地味なものの、Xの快適性が注目される。
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■結局ここが大事よ…..2台はおいくらなんでしょう!?!?
価格はフロンクスの2WDが前述の通り254万1000円だが、19万円相当のカーナビが標準装着され、この金額を差し引くと235万円だ。
WR-Vはルーフレールや上級の装飾を採用しないZが234万9600円だから、両車の価格は、実質的にほぼ同額に設定されている。
その上で機能を比べると、フロンクスには、マイルドハイブリッド、ブラインドスポットモニター、電動パーキングブレーキなどが装着される。後から登場した車種とあって、WR-Vよりも買い得度を強めた。
ただしボディはWR-Vが大きく、後席の足元空間と荷室容量にも余裕がある。
従って、燃費性能、装備の充実度、内外装の上質感などを重視するならフロンクス、4名乗車時の居住性や荷物の積載性などSUVの実用性を大切に考えるならWR-Vという選び方が成り立つ。
用途や好みに応じて選び分けたい。
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