一部では幻のクルマともいわれるメルセデス・ベンツのGクラス(通称ゲレンデ=ゲレンデヴァーゲン=未整地装甲車)。世界的な人気を受けて日本では受注はおろかPRも取りやめていたのだが、なんとウェブサイトに掲載が復活した。いったいなぜ!?
文:ベストカーWeb編集部/写真:メルセデス・ベンツ日本
■ついにマイルドハイブリッド化!
実はGクラス、7月末にビッグマイチェンモデルが発売されたのだ。
その中身だが、マイルドハイブリッド化+インフォテインメントの刷新が大きなポイント。外観では風切り音対策としてAピラーやルーフ前端がアレンジされた程度で、旧型とさほど大きな相違はない。
肝心のマイルドハイブリッドだが、日本に導入される3L直6ディーゼル(G450d)と4L・V8ツインターボ(AMG G63)の双方にISGと48V系電気システムが組み合わされた。
これによってエンジンスペックも向上している。G450dは367ps(270kW)/750Nm、AMG G63は585ps(430kW)/850Nmを発揮するが、それぞれにISGの20ps(15kW)/200Nmが上乗せされ、発進時のレスポンスやスムーズさを高めている。
インフォテインメントについては、Gクラスとしては初めて「MBUX」を搭載した。おなじみの「ハイ・メルセデス」という音声がゲレンデでも使えるようになった点はうれしい。さらにはカーナビにARが導入され、現実の風景に方向矢印がオーバーレイする表示方法も可能となっている。
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■20年落ちを覚悟すれば500万円以下で見つかる
新型Gクラスの価格だが、日本市場ではG450d、AMG G63ともに当面はローンチエディションが投入される。前者が2110万円、後者は3080万円という豪華仕様だ。
それにしてもGクラスは近年人気が爆発的に高まり、「メルセデスの上顧客以外は注文すら不可能」「買えたとしても数年待ち」といった噂が飛び交ってきた。その余波を受けて中古車価格も爆上がりし、低年式モデルでは新車以上のプレミア価格が当たり前という状況にある。
今回、新型の登場でメルセデス公式サイトにも久しぶりにGクラスが掲載されたが、すぐさまこの状況が変化するとは考えにくい。Gクラスは数十年に渡ってかたくなに基本スタイリングを守り続けているから、パワーユニットなどが刷新されても「旧い」というイメージが付きにくいのだ。
もし格安でGクラスを狙いたいというなら、2000年初頭のモデルが候補となるだろう。G500のロングモデル&走行10万km前後という個体なら500万円以下で手に入るからだ。
自動車税などは割高になるが、Gクラスは「値が付かない」ということがほぼないから、これはこれであり。あの無敵の押し出し感を味わいたいという人は一考する価値があるかも?
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