さまざまな物価が高騰している現代だから、クルマだってお得に手に入れたい。例えば、新車価格ウン百万円というクルマが2ケタ万円でゲットできれば、どんなにご機嫌なことか。多少年式などに制限は出るが、「これが100万未満で!?」と感じる狙い目な車種を紹介しよう。

文/木内一行、写真/トヨタ、スバル、日産、FavCars.com

■日産・エルグランド「言わずと知れたキング・オブ・ミニバン」

ロー&ワイドなプロポーションで、既存のミニバンとは異なる存在感を表現。エルグランド伝統の上下2段式ヘッドライトのほか、ショルダーに浮かぶZラインや窓枠を囲むクロームモールなどが特徴だ。先代よりも全長は80mm、全幅は35mm拡大された

 エルグランドといえば、言わずと知れた日産のフラッグシップミニバン。一時期は「キング・オブ・ミニバン」として売り上げを伸ばしていたものの、アルファード/ヴェルファイアの進化についていくことができず人気は右肩下がり。

 2010年にモデルチェンジした現行モデルも改良を重ねて販売されているが、今では不人気車と言っていいほどの販売状況となっている。

 そんなエルグランドだが、不人気だからこそ中古車では狙い目。年式に左右される部分はあるが、100万円以下で狙えるのだからお得感は高い。

 現行エルグランドは新プラットフォームを採用し、先代よりも全高を低くしながら低床化を実現することで、室内スペースを拡大。新設計のサスペンションにより、優れた乗り心地と高い操縦安定性を達成した。

 スタイリングもさすがフラッグシップと感じさせるもので、伝統と言える上下2段式ヘッドランプユニットを採用。水平方向と垂直方向で構成されるリアコンビランプもエルグランドらしい意匠だ。

 パワートレインには3.5リッターV6と2.5リッター直4を用意し、6速マニュアルモード付きのCVTをドッキング。前者は街乗りから高速までパワフルな走りを実現し、後者は豊かなトルクで扱いやすい特性としている。

 狙いどころは前期モデル中心となるが、現行モデルのフラッグシップミニバンが100万円以下で狙えるのだから魅力的なことは間違いない。

■レクサス・CT「コンパクトでレクサスのおもてなしを堪能する」 

 レクサスは、世界で通用するブランドバリュー、プレミアムモデルらしい高いクオリティ、上質な乗り味や優れた走行性能など、その魅力はさまざま。

 ただ、新車となると高価で手が出しづらいのが正直なところ。しかし、中古車であればそんな高嶺の花にだって手が届くし、コンパクトモデルのCTなら100万円の予算でも狙うことができる。

 「Creative Touring(クリエイティブ・ツーリング)」の略であるCTがデビューしたのは2011年のこと。欧州で主流のCセグメントに属し、VWゴルフやBMW1シリーズなどライバルは強力だ。そんななかで注目を集めたのが、クラス初のハイブリッド専用モデルということ。

 パワーユニットは1.8リッター直4にモーターを組み合わせたハイブリッドシステムで、これは3代目プリウスと共通。それゆえ燃費性能は他を圧倒し、34.0km/リッター(ベースグレード)を達成。

 その一方で、2.4リッタークラスの動力性能も実現し、俊敏な走りと上質な乗り心地を両立した。

 もちろん、レクサスならではのダイナミックでスポーティなスタイリングや、徹底した作り込みによる高い品質、高級感あふれる心地良い室内などはLS譲りとなっている。

 2014年のMC以降の中期になると相場は100万円を超えるが、前期であれば2ケタ万円でOK。手頃な価格でレクサスのおもてなしを感じられるのだ。

■トヨタ・マークX(最終型)「セダンの旨みがすべて詰まったスポーツサルーン」

「グラムテック」を開発キーワードとしたエクステリアはダイナミックかつスタイリッシュなフォルムを構築。写真のスポーツグレードは、スモーク調塗装のヘッドライトとリアコンビランプ、前後に専用のスポイラーが装着される

 今やSUVやミニバンに押されっぱなしのセダンだが、そのなかでも根強い人気を誇るのがマークX。マークIIの後継として登場した同車は、フォーマルな装い、高いステータス性、快適な走行性能など、セダンならではの魅力がたっぷり詰まっている。

 2009年から11年間販売された最終型は、初代の持つスポーティさと上質さをさらに熟成させたFRスポーツサルーンだ。

 ダイナミックなエクステリアは初代よりもワイドトレッド化され、低重心スタイルを実現。3連を強調したヘッドライトや「X」をモチーフにしたグリルは初代から受け継いだものだ。そして、54対46という優れた前後重量バランスも、そのフォルムに生かされている。

 マークXといえば、FRらしいスポーティな走りも魅力のひとつ。プラットフォームは初代を踏襲するが足まわりの熟成を図り、リニアなステアフィールとフラットな乗り心地を実現。3.5リッターと2.5リッターのV6エンジンを搭載し、力強くゆとりある走りを楽しませてくれる。

 そして、新たな試みがベースとなるスタンダードの他、スポーティなスポーツ、上質なプレミアムを設定したこと。それぞれ内外装で差別化を図り、より幅広いユーザーニーズに対応することが可能となった。

 現在、100万円以下で流通しているのは中期(2016年10月以前)までで、その多くは2.5リッター。絶対的なパワーこそ3.5リッターに譲るが、コストを抑えながらFRスポーツサルーンらしい走りが楽しめる、ある意味ベストバイモデルなのだ。

■スバル・アウトバック(先代)「ワゴンにSUVの走破性をプラスしたクロスオーバー」

 レガシィツーリングワゴンをベースに、車高を上げて専用パーツを採用するなどし、ワゴンの利便性の高さにSUVの悪路走破性やタフさをプラスしたアウトバック。国産SUVの中では貴重なワゴンベースのクロスオーバーモデルゆえファンも多い。

 しかし、そんな人気のアウトバックだって、先代モデルなら手頃な予算で手に入れることができる。

 グランドワゴン、ランカスターを経て3代目から世界共通の車名に変更したアウトバック。2014年に登場した通算5代目にあたる先代は、レガシィツーリングワゴンが消滅したため、シリーズで唯一のワゴンモデルとなった。

 エクステリアは、スバルのフラッグシップにふさわしい質感と機能性を表現。ヘキサゴングリルとホークアイヘッドランプによるスバルのファミリーフェイスを作り出し、フロントバンパーガードやアンダーボディのプロテクションパーツにより、クロスオーバーSUVとしての機能性や風格を主張している。

 パワートレインは水平対向4気筒2.5リッターのFB25とリニアトロニックCVTの組み合わせ。駆動方式はスバル自慢のシンメトリカルAWDを採用し、路面状況に応じてエンジンや駆動力、ブレーキなどを統合制御する「X-MODE」も搭載。最低地上高を200mm確保することで、悪路での走破性を高めている。

 100万円の予算で選べる物件はそれほど多くないが、今後大注目の一台と言えるだろう。

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