12インチの小さいボディと、パワフルで意外とスポーティーなミニバイク「GROM(グロム)」今回はその最新モデルの足つきやとりまわし、ディテールをチェックしてみた!

  文/西田宗一郎 Webikeプラス  

ギアっぽさが魅力のストリートスポーツ

 ホンダのMTミニバイクといえば、モンキーやダックスといったレトロかわいいモデルに加えて、やたら厳つめのスラントしたヘッドライトの「グロム」がいる。2013年にタイでデビューした当初から、何とも言えない丸っこい変な顔(すいません)をしていたグロムだが、モデルチェンジでLED化した際、四角い2灯になり、その後現在の姿になった。つまり現行グロムは三代目だ。スタイリングはローポリゴンのように直線的で、一目でそれとわかる個性的な姿。

 ホンダによれば、グロムとは「GROMMET(グロメット)」を略したもので、サーフィンやスケボーなどのエクストリームスポーツを楽しむ人を指す。このためスポーツ用のギア的な雰囲気を持っているわけだ。ちなみにグロメットにはもうひとつ「ハトメ」の意味もあるが、それとひっかけてか(?)2021年までのグロムのサイドカバーには大きなハトメがあしらわれていた。

 

 

 

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スポーティーさを裏付ける本気装備類

 そんなファニーな姿を裏切る、スポーティーな装備もグロムの特徴。エンジンはカブ系モデルとも共通する123ccの空冷横型OHCだが、現行モデルでは10PS/7,250rpmの出力と1.1kgf/5,500rpmのトルクを発揮。5速リターンのミッションを装備しており、高速性能もアップしている。さらにサイドカバーやヘッドライトケースのデザインが、GPマシンのようなレイヤードカウル風に変更されたのも、外見の大きなポイントだ。

 

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 足回りはインナーチューブ径φ31mmの倒立式フロントフォークに、プリロード調整が可能なモノショックとスポーツバイクらしい装備。さらにテールまでフラットなシートで様々な姿勢をとることができ、アップハンドルと相まって軽やかな運動性能を発揮できる。タンク容量は6.0リットルと小さ目ながら、大きなタンクカバーはニーグリップするだけの面積もしっかり確保。ただのストリートバイクと思ったら大間違いで、ハイグリップタイヤを装備してミニバイクレースでも活躍しているのだ。

 

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おっと!意外にもカカトまで接地せず……

 とはいえ、モンキーやらと同じ12インチホイールのミニバイク。足つきが悪いワケがない……と考えつつ試乗に臨んでみた。いざ車体を前にすると意外とシートが高く見える。シート高は761mmで、けして高い数値ではないのだが、直線基調のシート形状のせいか? それともタンクあたりのボリューミーさでテールが跳ね上がってるように見えるせいか? とにかくちょっと足つきは悪そうだった。実際に跨ってみると、確かに両足しっかり接地するものの、カカトは少し浮いてしまった。残念ながらベタ足とは言えない。しかしもちろん不安感はないし、スーパーカブ同様の横型エンジンは重心が低く、軽々と取り回しができる。多少足が届かないライダーでも、すぐに慣れることができそうだ。

 走り出すと一気に楽しくなる! リターン式の5速ミッションはストレスなく高速域を走れるので、ミニバイクの引け目はほとんど感じない。12インチのホイールは悪路やギャップに弱そうと思っていたが、ハイレベルな前後サスペンションのおかげでそれも安心。フラットシートを自由に使って、リア荷重でグイっとバンクするのが快感だ。街中を自由自在に走れる雰囲気、エクストリームスポーツっぽさを存分に感じる!

 

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小柄なライダーもビビる必要なし!軽くて不安は全然ないぞ

 というわけで、小柄な見た目通りの軽快さを楽しめたグロム。足つきも私の体格ならぜんぜん問題なく、バランスを激しく崩しても大丈夫だろう。もっと小柄なライダーの場合、足つきは不安になるかもしれないが、低重心と軽さ、小径ホイールの振り回しやすさで、怖くなることはないだろう!

GROM[2024]主要諸元

・全長×全幅×全高:1760×720×11015mm
・ホイールベース:11200mm
・シート高:761mm
・車重:103kg
・エンジン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 123cc
・最高出力:10PS/7700rpm
・最大トルク:1.1kg-m/5500rpm
・燃料タンク容量:6.0L
・変速機:5段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-12、R=130/70-12
・価格:39万500円

 

詳細はこちらのリンクよりご覧ください。
https://news.webike.net/motorcycle/397414/

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