自動車保険には1年契約だけでなく、複数年契約という選択肢もあるのです。複数年契約にすることで、さまざまなメリットを享受でき、手続きの手間も省けますが、デメリットもあるため、十分な理解が必要です。複数年契約のメリットとデメリット、具体的な契約方法を知り、賢い保険選びをしていきましょう。
文:佐々木 亘/画像:Adobestock(トビラ写真= DESIGN ARTS@Adobestock)
■良いことアリまくり!? 複数年契約の自動車保険とは
複数年契約の最大のメリットは、契約期間中の保険料が固定されるため、保険料が変動するリスクを避けられることです。それに加えて、長期契約による割引が適用されることがあり、1年契約に比べて保険料が安くなる傾向にあります。
また、複数年契約にすることで毎年の更新手続きを省略でき、契約忘れや更新漏れの心配がありません。結果として、長期的に保険がかかっている状態が確保され、安心感も得られます。
ただし、多くのメリットがある一方で、中途解約時には解約手数料やペナルティが発生する場合も。また、契約期間中に免許証の色の変更(青からゴールド等)や特約の改定があっても恩恵が受けられないなどの、デメリットも存在するのです。
メリットとデメリットを把握したうえで、自動車保険の契約年数を決めましょう。
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■複数年契約できるのはディーラーだけってマジ!? ディーラーが複数年契約を推すワケ
主な自動車保険の加入先には、ディーラーや一般代理店、インターネットがあります。
中でもディーラーでは、新車購入時に複数年契約の自動車保険への加入を提案されることが多いです。自動車保険の複数年契約は、ディーラーの専売特許のようなもので、これを強く推します。
一般代理店でも複数年契約を取り扱う場合がありますが、ディーラーほど浸透していません。また、最近主流のネット保険でも複数年契約ができる自動車保険は少ないです。多くのネット保険は1年ごとの契約を基本としており、長期契約の選択肢が与えられていないことの方が多くなります。
自動車保険の複数年契約が許されている自動車ディーラーは、それだけで保険契約を獲得しやすい状態にあるのです。ではなぜ、ディーラーだけに長期保険の取り扱いが許されているのでしょうか。
ディーラーは、新車の販売と保険を一括にすることで、顧客に対してクルマと保険の両方からサービスを強化しています。
ディーラーを使う機会の多い車検時に、自動車保険の契約や更新のタイミングが来る複数年契約は、ディーラーの営業活動と相性がイイのです。長い期間、自動車保険契約を任せてもらうことで、顧客の囲い込みにもつながります。
相性の良さが保険契約数の増加につながり、ディーラーと保険会社は、強力な提携関係を築いていくことになりました。複数年契約は、ディーラーと保険会社の深い結びつきから生まれているものなのでしょう。
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■単年契約しかできない一般代理店でも良い保険契約はできる!
ディーラーでできる自動車保険の複数年契約は、契約期間中の保険料増減が無く、家計のやりくりにはもってこいです。割引面などでもメリットは大きいでしょう。
一方で、契約条件が不利に見える一般代理店ですが、総合的な保険の提案では、ディーラーの二歩先をいきます。
自動車保険の複数年契約は、できないことが多いですが、自動車保険と火災保険や生命保険をセットにした割引商品の取り扱いなど、提案できる商品の数では特にディーラーは足元にも及びません。
すなわち、自動車保険に特化してお得を取りに行くなら自動車ディーラー、保険という大きなくくりで割引を考えるなら一般代理店という選択肢がイイでしょう。
ディーラーと一般代理店、それぞれの利点を生かして、豊かな保険選びをしてみませんか。
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