カーオーディオ愛好家に広く親しまれている“逸品”を毎回1つずつ取り上げ、それらが“逸品”たり得ている理由を紐解いている当連載。今回は、北欧スウェーデンの老舗ブランド「DLS」の旗艦パワーアンプ、『シグネチャー・シリーズ』にスポットを当てる。

◆スピーカーに強みを発揮するDLS。しかし実はパワーアンプも2ライン用意!

カーオーディオに親しんでいるドライバーの多くは、DLSとは「スピーカーブランド」だとイメージしているに違いない。なぜなら、トップエンドスピーカー『スカンジナビア・シリーズ』が特に有名だからだ。当ラインは同社の看板スピーカーとしてロングセールスを継続していて、これを使うサウンドコンペティターも多くいる。

そして、ミドルグレードの『リファレンス・シリーズ』、エントリーラインの『パフォーマンス・シリーズ』も人気が高く、中級者から初級者にも広く愛用されている。

しかしながら同社は実は総合カーオーディオメーカーであり、パワーアンプも2ライン用意している。1つがスタンダードラインの『CCi・シリーズ』で、もう1つがこのシグネチャー・シリーズだ。

ちなみにこの2ラインの中でより新しいのは、シグネチャー・シリーズだ。なおDLSは2019年に創立40周年を迎えたが、当シリーズはその記念モデルという側面も持つ。

DLS・S-4

◆大阪オートメッセ2022にてお披露目され、愛好家の間で話題に

なおシグネチャー・シリーズが日本にて初お披露目されたのは、2022年の2月に開催された大阪オートメッセだ。そこに出展していたDLSの正規輸入代理店である「フェリースソニード」のブースにて、デモ機が展示され話題を呼んだ。

では、ラインナップを紹介しよう。本国ではサブウーファー用のモノラルモデルも存在しているが、日本では以下の2機種が販売されている。

●4chAB級パワーアンプ『S-4』(税抜価格:20万円)
●2chAB級パワーアンプ『S-2』(税抜価格:16万円)

ちなみに“シグネチャー”とは“署名”を意味する単語だが、誰の署名なのかというとそれは、同社のパワーアンプの設計を手掛けてきたゴードン・テイラー氏のものだ。当シリーズはつまり氏の経験とノウハウが凝縮されたパワーアンプライン、というわけだ。

DLS・S-2

◆4Ω、2Ω、そして4Ωブリッジ接続にも対応し、さまざまな使い方が可能!

では、両機の特長を説明していこう。なお筐体サイズは、「S-4」が129mm(縦)×320(横)×54mm(高さ)で、「S-2」が縦と高さは同様で横が260mm。ともにAB級のハイエンドパワーアンプとしてはコンパクトだ。インストール性が高い。

そして両機とも4Ω接続と2Ω接続、そして4Ωブリッジ接続が可能で対応力も高い。なお出力は以下のとおりだ。S-4が、90W×4(4Ω)、130W×4(2Ω)、260W×2(4Ωブリッジ)、S-2が、110W×2(4Ω)、180W×2(2Ω)、360W×1(4Ωブリッジ)。S-2の方が1chあたりの価格が高い分、1chあたりのパワーも大きく音質性能的にもアドバンテージを発揮する。

また両機ともにクロスオーバー機能を搭載していて、サブウーファーを組み合わせる際にミッドウーファーにはハイパスフィルターを、サブウーファーにはローパスフィルターをかけられる。しかしアクティブクロスオーバーをシステムに組み込む場合には、それらの回路をバイパスできる。

使いやすい、それでいて実力の確かなハイエンドパワーアンプに興味があればシグネチャー・シリーズのチェックもぜひに。

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