まだまだ残暑厳しい日々が続いていますが、この炎天下で配送業務を行なうトラックドライバーさんには頭が下がります。
夏場のバンボディの荷室は温度と湿度が高く、荷役作業は重労働。下手をしたら熱中症にもなりかねません。そんな中、「コレ、いいじゃん!」と言いたくなるような車両を見つけました。
文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真・グラフ/北村製作所
配送トラックの熱中症対策に
この車両を開発したのは、荷室の高さが変えられるリンボーバンなどユニークな架装で知られる新潟の架装メーカー・北村製作所だ。
庫内温度上昇を抑え、炎天下の配送環境を改善。熱中症対策に効果的な真夏に適したバンボディで、名称は「ベンチレーションバン」という。
「ベンチレーションバン」は庫内空気の循環を行ない、暑い時期の荷役作業環境を改善する製品で、車両ボデーの四方上部にスリット式ベンチレーションを組み込み、外気がボディ内に入り、庫内空気を循環。ボディ庫内作業の体感温度を低下させるというものだ。
また、スリット式ベンチレーションが庫内空気を循環させることで、ボディ庫内の温度低減のみならず体感湿度も低減。従来の配送バンより、炎天下での荷役作業環境が飛躍的に改善するという。
ボディ庫内の排熱・湿度低下を行なうスリット式ベンチレーションバンであれば、湿気が発生しやすく製品温度が高い印刷物・食料品等も品質を低下させることなく運ぶことが可能だ。
さらにボディ庫内の空気循環が常時必要な植木・切り花やガスボンベなどの配送にも利用されている。
庫内温度は4℃、湿度は16%低下するというデータも
構造的には、室内最上部に設置した通風口により、走行・停車時ともに自然通風・換気を行ない、庫内温度上昇を抑制するという仕組みだ。
雨上がりの庫内湿度に関しても、室外の変化に合わせて従来車より湿度が早く低下。高温多湿を和らげ、積み荷への影響を抑えるとともに、ドライバーの作業環境を改善する。
なお、降雨時の走行に際しては通風口から雨水が侵入しない構造を取っており、換気を必要としない場合は通風口のシャッターをスライトさせて閉じることもできる。
このベンチレーションバンと従来車の比較では、庫内温度は「-4℃」、庫内湿度は「-16%」というデータが出ている。
汎用的な小口配送車の内法寸法は長さ3485mm×幅1790mm×高さ1850mmで、外板はカラーアルミ。さらにベンチレーターや園芸棚などのオプション類を豊富に用意した園芸仕様車もラインアップしており、こちらの内法寸法は長さ4490mm×幅1775mm×高さ2045mmで、外板はカラーアルミ。
両車とも外板をコルゲートに対応するなど、ユーザーのニーズに応じた変更が可能になっている。
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