3列シート派には待望のCX-80がついに登場した。ここでやっぱり気になるのが、2023年いっぱいで生産を終えたCX-8との違いだろう。いったいどこが変わったのか、じっくりチェックしてみよう!

文:ベストカーWeb編集部/写真:奥隅圭之、ベストカーWeb編集部

■ホイールベースが190mmも長くなった!

マツダ CX-80

 まずは根本的な違い。CX-8がCX-5をベースとする横置きエンジン車であるのに対し、CX-80はマツダのラージ商品群戦略から生まれた縦置きエンジンの後輪駆動モデルだ。基本骨格は先にデビューしたCX-60に準じるが、6気筒エンジン+FRというパッケージは独自の乗り味と上質さを生み出している。

 ボディサイズではCX-80がCX-8に対してわずかに大きい。全長4990mm、全幅1890mm、全高1710mmというサイズは、CX-8に比べて65mm長く、45mm広く、20mm低い。

 しかし最大の違いはホイールベースだ。CX-8の2930mmに対してCX-80は破格の3120mm! この違いが後述する室内の広さに大きく影響しているわけだが、これだけホイールベースを延ばしたのに最小回転半径はCX-8と変わらぬ5.8mを死守した。FRプラットフォームの恩恵だろう。

 ロングプラットフォームは見た目にも影響している。CX-80はCX-8よりもリアドアが長くなり、後席や3列目の乗降性が高まった。

 ボディサイドのウインドウグラフィックも、CX-8が弧を描いてリア下がりになるのに対し、CX-80は3列目部分までしっかり存在を主張している。その勢いはリアにも影響しており、リアハッチのウインドウ下端部分がおでこのように張り出している点が面白い。

 CX-80のパワートレーンだが、基本的にはCX-60に準じる。ただしCX-60のベースグレードにあった2.5Lの直4ガソリンはラインナップされず、3.3Lディーゼルとその48Vマイルドハイブリッド、2.5LガソリンのPHEVという3通りとなる。

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■ロングドライブも可能になった3列目シート!

タンレザー内装の3列目シート。居住性が爆上がり!

 インテリアを見てみよう。CX-80の室内は、CX-60で絶賛された高い質感のインテリアをそのまま継承している。特に上位グレードに組み合わされるルーセントクロスの内張や木目調加飾は、欧州の高級車にも負けない仕上がりだ。

 シートも同様に上品なもの。ベースはブラックのクロス地だが、望めばピュアホワイトやタンのナッパレザーも選べる。このあたりはCX-8では得られないCX-80の大きな魅力といえる。

 前段でも触れた長めのリアドアを開けると、広々したシートが出迎える。座ってみると肩周辺に余裕がある。CX-8に比べると103mmもショルダールームが拡大したそうだ。つま先も前席下に大きく入るようになり、ヘッドルームも8mm拡大したから、大柄な人でもゆったりくつろげる。

 注目の3列目シートだが、2列目以上に居住性が高まった。天井高を上げ、着座位置をCX-8比で25mm下げたため、ヘッドルームはトータルで30mm広くなった。さらにサイドの窓の面積が拡大し、前方視界も拡大したため、窮屈さを感じることなくロングドライブが楽しめる。

 3列目シートにもエアコン吹き出し口が備わったことも大きなトピック。USB-C端子も左右両脇にひとつずつ備わる。ちなみに3列目のフロアにはステップがあり、2列目に対してわずかに高くなっている。これはPHEVのバッテリーを床下に収めるための対応だという。

 というわけで、CX-80の進化っぷりがお分かりいただけたと思うが、気になるのがCX-80の価格だ。CX-8はベースモデルが200万円台というお買い得さが魅力だったが、残念ながらCX-80については価格帯アップが見込まれる。 現時点で価格は非公表だが、なんとか300万円台のモデルを残してほしいところ。正式発表を楽しみに待ちたい!

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