天ぷらはおいしいけど、世の中には食べられない天ぷらもある。クルマ業界で時たま使われる「天ぷらナンバー」がそれ。いったいどういう意味なん?

文:ベストカーWeb編集部/写真:Adobestock(トビラ写真=Nakano@Adobestock)、ベストカーWeb編集部

■中身をごまかしたものを天ぷらと呼ぶ

擬装ナンバーのことを天ぷらナンバーと呼ぶ

 クルマの盗難被害が後を絶たないが、こうしたクルマの身元を消すときに使われるのが「天ぷらナンバー」というもの。

 天ぷらナンバーをひと言でいうと、「中身を見た目でごまかしたナンバー」のこと。他車のプレートを盗んで勝手に付けるケースが多いが、ナンバーが付いたままの廃車などから外される場合もあるようだ。

「天ぷら」という言葉だが、昔から「中身をごまかしたニセモノ」という意味でいろいろ使われてきた。大昔、大学生が制服を着ていた時代は、同じ格好をして講義に潜り込む人のことを天ぷら学生と呼んだし、不動産業界では架空、あるいは解約前提の契約を天ぷら契約というそうだ。

■天ぷらナンバーは3年以下の懲役か100万円以下の罰金!

天ぷらナンバーは重大事件に使われるケースも多い(Haru Works@Adobestock)

 天ぷらナンバーだが、他人の財産を奪う行為にも繋がるので非常に重い罪になる。道路運送車両法では、検査標章などを含むナンバーなどの不正使用を以下のように定めている。

「第1項:何人も、行使の目的をもつて、自動車登録番号標、臨時運行許可番号標、回送運行許可番号標、臨時検査合格標章、検査標章若しくは保安基準適合標章を偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造に係るこれらの物を使用してはならない」

 ここでは偽造や変造を禁じているが、ナンバーや検査標章に紛らわしいもの作ったり使用することも禁じられている。これを破ると3年以下の懲役か、100万円以下の罰金に問われる可能性がある。

 やっぱり天ぷらは、食べるだけにしておきたい。

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