EU(欧州委員会)は8月20日、中国から輸入されるEVに対する最終的な反補助金関税案を発表した。この案は、2024年7月4日に発表された暫定的な反補助金関税に関するコメントを反映し、暫定段階で完了していなかった調査手続きを踏まえたものだ。
この最終案の公開は、貿易防衛調査の中間手続きであり、関係者にコメントを提出する機会を提供することを目的としている。欧州委員会は関係者からの全てのコメントを分析し、加盟国の意見を受けた後、最終決定を欧州連合官報に公表する予定だ。
最終案の主な変更点は以下の通り。
- 関係者からのコメントと未完了の調査手続きを踏まえた関税率の微調整:
- BYD:17.0%
- Geely:19.3%
- SAIC:36.3%
- その他の協力企業:21.3%
- 非協力企業:36.3%
- 中国からの輸出車としてテスラに個別の関税率(9%)を設定。これは7月発表時点の20.8%からの引き下げ。9%は関税の最低税率になる。
- 調査期間中に輸出していなかった中国の輸出者やEU生産者との合弁企業に対して、関連する協力企業の低い関税率を適用する可能性
- 反補助金関税を遡及して徴収しない決定
2023年10月4日に欧州委員会は中国からの乗用EVの輸入に対する反補助金調査を正式に開始した。2024年7月4日には暫定的な反補助金関税を課す規則を欧州連合官報に公表し、翌日から施行された。
8月20日、欧州委員会は最終的な反補助金関税案を公開し、関係者は10日以内にコメントを提出することができる。その後、関係者からのコメントを考慮し、欧州委員会は最終決定を加盟国に提示し、投票が行われる。この投票は拘束力を持つ。
最終的な措置は暫定関税の施行から4か月以内に課される必要があり、最終決定は2024年10月30日までに欧州連合官報に公表される予定。これらの措置は5年間有効であり、要請と再審査に基づき延長される可能性がある。
この調査は、2023年9月に欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が欧州連合の現状演説で発表したもので、中国からの低価格EVの急増に対する懸念に基づいている。欧州委員会は、EUおよびWTOの規則に従い、関係者全員がコメントや証拠を提出できるようにしている。
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