自動車に置いて速さと同じくらい重要なポジションの1つがハンドリング性能だ。純粋に速さを求めるクルマも勿論最高だが、その他にもクルマを意のままに操れることもまた重要だ。今回は自動車オリンピック ブレイキンと題して、世界のハンドリング性能良き良きなクルマをランキング付けしていこう。

※本稿は2024年7月のものです
文:岡本幸一郎/写真:ホンダ、トヨタ、三菱、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2024年8月26日号

■操縦性をフットワークに見立てる

ホンダ シビックタイプR。ニュル最速のために鍛え上げたそのハンドリング性能の高さはさすがのひと言

 クルマでいうハンドリングとは「操縦性」のことで、「俊敏性」は別の要素だ。

 どうなっているのが好ましいか、それは意のままに操れることにほかならない。上位が欧州勢に独占されそうなので、日本車を多少ひいきしたことをご容赦いただきたい。

 金メダルは五輪開催国の英雄、A110だ。フロントに重量物がなく、前後重量配分に優れるミドシップの強みはもちろん、軽量でかつシャシーの完成度が極めて高いことから、ミドシップの素性だけでデバイスに頼ることなく素晴らしいハンドリングを実現している。

 銀メダルは日本が誇る、シビックタイプRだ。FF量販車世界最速を実現するために空力やトラクションを突き詰めたことが効いて、ハンドリングも素晴らしい。デュアルアクシスストラットによりステアリングフィールも抜群にいい。

 銅メダルはクラウンスポーツ、とくにPHEVだ。見た目の奇抜さに目が向きがちだが、走りもかなりの実力の持ち主だったりする。

 ワイドトレッドでホイールベースとオーバーハングが短いうえに、後輪操舵が効いて、ピタッと一体感のある走りを実現している。

 実は下山だけでなく各地のサーキットを走りまくって、理想的なラインを走れるまで鍛えたそうだ。FRでなくなったことをとやかく言われないようにという意地を感じさせる。

 以下、C63も巧みな後輪操舵に加えて最新版はV8をやめて直4を積み、フロントが軽くなったことでハンドリングが向上した。

 SQ8は世界的にも稀有なリア2モーターがポイントだ。これにより大柄で重量級ながら驚くほど意のままに操ることができる。

 アウトランダーも独自の4輪の駆動力の制御技術がいかにスゴイかはすでにお伝えしているとおりだ。

●サッカー(操縦性)
・金メダル:アルピーヌ A110
・銀メダル:ホンダ シビックタイプR
・銅メダル:トヨタ クラウンスポーツPHEV
・4位:メルセデス AMG C63
・5位:アウディ SQ8 スポーツバック e-tron
・6位:三菱 アウトランダー

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